※この記事はカーセンサー関東版38号(2000年10月12日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

とりたてて元気はないが、新型環境エンジンは走りにも不満はない

  • 日産 ブルーバードシルフィ 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 ブルーバードシルフィ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑決して元気ではないが、実用エンジンとしての性能は十分。走りは乗り心地重視の味付け(左)わずかに丸みを帯びたルーフラインなどは新鮮なイメージを感じさせる(右)
日産久々の新型車としてブルーバードシルフィが登場した。ブルーバードの名前を冠しているが、モデルチェンジではなく新車種として追加されたのがシルフィだ。現行ブルーバードは引き続き販売される。

シルフィで注目されているのは、アメリカ・カリフォルニア州でゼロ・エミッション(ゼロ排気車)と認定された、新開発の環境技術を採用した1.8Lエンジン。このエンジンは有害物質を全く出さないわけではないが、少なくとも都市部の汚れた大気よりはクリーンな排出ガスレベルに抑えられている。

低公害エンジンとか低燃費エンジンというと、たいていは走りを犠牲にして実現されているが、シルフィ用のQG18DEエンジンは、走りのフィールに関しては特に不満を感じさせることがない。とりたてて元気の良いエンジンというほどではないが、中低速域のトルクや高速での伸びなど、実用エンジンとしての性能を十分に備えている。低公害であるために違和感を感じて乗らなければならないなんてことはない。

1.8L低公害エンジンとやや硬めの足回りのコンビがほしい

  • 日産 ブルーバードシルフィ インパネ|ニューモデル試乗
  • 日産 ブルーバードシルフィ エンジン|ニューモデル試乗
↑ツートーンのインストや木目調パネルなどが高い品質感を演出している(左)低公害エンジンながら120ps /16.6kg-mの実力は必要十分なレベルにある(右)
ただ、気になったのは1.8L車の足回りがかなり柔らかめのチューニングであること。先に試乗した2L車にはやや硬めで操縦安定性の高い足回りが用意されていたのだが、1.8L用は乗り心地重視の味づけなのだ。

個人的には、ヨーロピアンテイストを感じさせる2L車用の足回りのほうが好感がもてる。1.8Lの低公害エンジンとやや硬めの足回りとの組み合わせが欲しいところだ。

なお、シルフィではインテリア回りの仕上げの良さもポイント。Gパッケージを選択すれば、装備も情実している。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 18Vi
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4470×1695×1445
ホイールベース(mm) 2535
車両重量(kg) 1170
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1769
最高出力[ps/rpm] 120ps/5600rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 16.6kg-m/4400rpm
10・15モード燃費(km/L) 16.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/50
車両本体価格 176.4万円

松下 宏の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 5点 加速性能 3点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 5点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 3点 燃費 4点
後席居住性 3点 パワー感 3点 高速安定性 4点 ステータス 4点
内装の質感 5点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 77/100
(Tester/松下 宏 Photo/武田忠廣)