※この記事はカーセンサー関東版37号(2000年10月5日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

ハードの成熟を積み重ね、2トンを感じさせない俊敏なレスポンスに

  • 日産 エルグランド 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 エルグランド リアスタイル|ニューモデル試乗
↑2トンを超える車重を感じさせない、アクセル操作に対する俊敏なレスポンスを実現(左)ここから見ても、Bピラーの処理というのは、なかなか巧みでおしゃれ(右)
日産の大人気ワゴン、エルグランドのマイナーチェンジは、エンジンの強化が最大のニュース。そしてハイグレード性をさらに高めたX-リミテッドも新設され、さらに広いユーザー層にアピールする。

注目のエンジンだが、従来に対して200cc排気量をアップした3.5L V6ガソリンエンジンのVQ35DEを新たに搭載。これで、240psの出力と36.0kg-mの大トルクを持つエンジンとなった。パワーでいえば、これ以前の3.3L時代に比べて、一気に70psのアップである。同時にこのエンジンは、エルグランド用に開発したというトルク重視型。これによって、トルクウェイトレシオでは、日産の分類でいうラージクラス(=2.5L)級のセダンと同等の数値になったという。

実際に走らせてみても、踏み込んだアクセルに対しての俊敏なレスポンスには、2トンを超える車重を感じさせない軽快感がある。ちなみに、0→100km/hの加速タイムは11.3秒だ。

ロードノイズの侵入が大幅に減り、VIPカーらしさが向上

  • 日産 エルグランド インパネ|ニューモデル試乗
  • 日産 エルグランド エンジン|ニューモデル試乗
↑ホンモノ木目と本革のコンビというのがX-リミテッド。むろん抗菌タイプ(左)排気量アップは効果的で、エルグランドの走りからストレスを激減させた(右)
また、ボディ全体の剛性と足回りも強化されており、車全体の挙動も、しっかり&がっしりという感じになった。背の高い巨体ながら、コーナリングでのロールの出方もリニアでいい。

そういえば、VIPカーという割に以前のモデルはロードノイズが大きめだったが、このモデルでは、下から入ってくる音が相当に減ったことにも注目した。

乗り込んで、さてどのシートに座ろうか? などというのは、こういうハコだけの楽しみ。その意味では、セカンドシートが変更され、X-リミテッドに装備された、背もたれの上部が前傾して肩をサポートするサービスは高ポイントだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード X-リミテッド
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4740×17755×1940
ホイールベース(mm) 2900
車両重量(kg) 2030
乗車定員(人) 7
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3498
最高出力[ps/rpm] 240ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 36.0kg-m/3200rpm
10・15モード燃費(km/L) 7.1
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/76
車両本体価格 388.5万円

家村浩明の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 3点
後席居住性 5点 パワー感 4点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 85/100
(Tester/家村 浩明 Photo/奥隅 圭之)