キャデラック CTS|海外試乗

「ベンツだって買えたのに」という身内の声を無視して選択するのは“大人のわがまま”となるだろう。ドイツブランドは全部試したし、かといってレクサスあたりじゃ走りがちょっと、なんてツウに、ぜひ一度!

サングラスを外して見たら、とても美人だった…

ズバリ、ライバルはBMW5シリーズ

日本じゃ、とかく色眼鏡で見られがちなアメリカ車。21世紀になってもう、干支が一回りしたというのに、いったい何なんだろうね、この固定観念の根深さって。

それはともかく。最近のアメリカ車、特に日本にやってくるような“国際派”は、アメリカンモダンなデザインを表現しつつも、その実ナカミは立派にグローバル。立派に欧州車と性能で対峙できる、というあたりが逆にアメ車ファンの思いを逆撫でにしているきらいはあるにせよ、多くのユーザーにとっては、そちらのほうがいいに決まっている。

アメ車が変わった。そのシンボルが、皮肉なもので、キャデラックだ。なかでもCTSはその急先鋒。

今回で3代目となるが、以前の2世代も明確に欧州志向のスポーツサルーンだった。新型は、言って見ればその集大成。これまではDセグメントとEセグメントの間、3も5もライバルですよ、な車だったけれども、弟分のATSが登場したおかげで、今回からEセグメントに特化できたこともポイントとなる。

ズバリ、ライバルは同じFRのBMW5シリーズ。GM関係者いわく、レクサスやインフィニティは念頭にない、らしい(笑)。

新たな挑戦がひとつの完成形を迎えた

新型CTSの走りは、とにかく、“きっちりかっちりみっちり”で、ドイツ車の理想像に乗っかっているかのよう。

しかも車体が軽やかに動くから、試乗車の直噴2Lターボ(日本導入予定)でも、その加速フィールはライバルのドイツ勢を確実に凌ぐ! ATSもなかなか頑張っていたが、完成度では完全にこちらが上。

キャデラックの新たな挑戦が、新型CTSでひとつの完成形を迎えたと言っていい。

前後重量配分を50:50とし、磁性流体減衰力制御のマグネティックライドコントロールも備える

前後重量配分をr理想的といわれる50:50とし、「磁性流体減衰力制御」のマグネティックライドコントロールも備える

センターコンソールにはスマートフォンのように使えるというインターフェイス、CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリンス)が配される

センターコンソールにはスマートフォンのように使えるというインターフェイス、CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリンス)が配される

2Lターボに加え3.6L V6と3.6L V6ツインターボをラインナップ。2Lモデルは6AT、3.6Lモデルには新開発8ATが組み合わされる

2Lターボに加え3.6L V6と3.6L V6ツインターボをラインナップ。2Lモデルは6AT、3.6Lモデルには新開発8ATが組み合わされる

SPECIFICATIONS

グレード 2.0T
駆動方式 FR
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4966×1833×1454
ホイールベース(mm) 2910
車両重量(kg) 1640
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 272/5500
最大トルク[N・m/rpm] 400/1700-5500
Tester/西川淳 Photo/ゼネラルモーターズ・ジャパン