フォード エクスプローラー【プレイバック試乗】
カテゴリー: フォードの試乗レポート
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2010/01/18
コンセプト
快適性も安全面も向上し出来の良いSUVへと変身
エクスプローラーはアメリカで最も売れているSUVだ。新型は7人乗りとなり“すべての乗員が、安全かつ快適にどこにでも行けるパワフルSUV”を狙いとしている。今回の最大の進化は4輪が独立サスとなったこと。これにより、室内がたっぷりと広くなり、サードシートの出現を実現した。エンジンはXLTに装備されるV6(213ps)と、エディー・バウアーに装備される新開発のオールアルミ製V8(242ps)があり、共に右ハンドルで5速ATとの組み合わせだ。
4WDも電子制御のコントロールトラックにより、フルオートから、マニュアルでの本格走行までを選択できるAWDシステムを採用。また、ABSとEBDでの安全性向上など、セーフティ面に関して万全の取り組みだ。
室内&荷室空間
ボディ剛性が高まってノイズが減り乗り心地向上
ホィールベースが延び、サードシートを得たことでエクスプローラーは快適クルーザーとしての存在感をさらに高めた。更にエディー・バウアーには本革シートが標準装備でまるでリビング感覚だ。ラウンドした形状はシートにとどまらず、室内全般に共通し、優しく包み込んでくれる。肩やヘッドクリアランス部分にもゆとりが増し、サードシートへの乗り込みも容易だ。セカンドシートまでのゆったり感に比べると、サードシートの座面は低めなので、身長的には170cmくらいまでが適正である。室内の装備は日本車的な配慮と気配りで優れた使い勝手だ。ボディ剛性が大幅に向上した分振動騒音も格段に減少。しっとりとした乗り心地はこれまで感じていたトラックのような乗り心地から完全脱皮した感がある。
ドライブフィール
ハンドリングもエンジンも洗練された走り
アメリカンV8はこれまでドロドロと粗野ながら逞しい印象があったが、それももはや過去のものだ。わずか1500回転以下で、最大トルクの90%が発生するトルク特性。しかし昔のアメリカンSUVにありがちな荒くれさはなく、あくまでジェントルなエンジンだ。伸びやかクルージング型で、何よりもその巨体を意識させずにフットワークする様子には正直感心した。
ステアリングの正確さも従来の比ではなく、ハンドル操作に忠実でタイヤへの負担も少ない。キレのよいフットワークと破綻のない乗り心地の懐の深さに確実な洗練度の向上をみた。オフロードでは、低速ギアの選択で走破性が高く、オンロードでも安定志向の走りをこなし、ドライバーへ忠実な走行性能を備えている。
こんな人にオススメ
エクスプローラーはこの大きさながら、取り回しがよく実用的で日本でも持てあまさない。上質にして上等の作り込みがなされているので、SUVにありがちな無骨さもない。SUVには乗りたいが、取り回しの大変さや室内の実用本位に敬遠していた人にはオススメの選択といえるだろう。SPECIFICATIONS
グレード | エディバウアー |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4825 x 1880 x 1805 |
ホイールベース(mm) | 2890 |
車両重量(kg) | 2070 |
乗車定員 | 7人 |
エンジン種類 | V型8気筒SOHC |
総排気量(cc) | 4600 |
最高出力 | 178kW(242ps)/7600rpm |
最大トルク | 216N・m(22.0kg-m)/4750rpm |
車両本体価格 | 452万円 |
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