▲ここ最近、ヨーロピアン・スーパースポーツが軟弱になったと嘆く、我儘を絵に描いたようなカー・ガイのためにこそ、このモデルは存在するのです。ミッションはこれも我儘の極みたる7速MTがベスト。オプションのZ07もその流れで、ぜひ選択しておきましょう ▲ここ最近、ヨーロピアン・スーパースポーツが軟弱になったと嘆く、我儘を絵に描いたようなカー・ガイのためにこそ、このモデルは存在するのです。ミッションはこれも我儘の極みたる7速MTがベスト。オプションのZ07もその流れで、ぜひ選択しておきましょう

スーパースポーツが軟弱になったとお嘆きのあなたに

第7世代となるコルベット=C7が誕生し、まずはそのファーストモデルであるスタンダードな“スティングレイ”のステアリングを握ったとき、新型は正真正銘のリアルスポーツであり、さらにスポーツパッケージオプションのZ51を選べば、スーパースポーツへと進化させることもできるのだ、とリポートした記憶がある。

だがそれはとんでもない早合点だったことを、今回ネバダのサーキットとオンロードで試乗した、C7コルベットのさらなる高性能仕様たるZ06はいとも簡単に知らしめてくれたのだ。

そのスパルタンで魅惑的な走りに対抗し得るスーパースポーツが、世界にどれだけ存在するというのか。価格面を見ても、アメリカでのベース価格が8万ドル以下からスタートするこのコルベットZ06のコストパフォーマンスは圧倒的だろう。

Z06のラインナップは、クーペとコンバーチブル、そして7速MTと8速ATで構成される。そしてサーキット走行へとフォーカスした、ミシュラン製のカップ2タイヤや、カーボンブレーキ、専用のエアロパッケージなどからなる、パッケージオプションのZ07の選択が可能だが、今回の試乗車はクーペのみだった。

サーキットでベストなフィールを発揮するのは、もちろんZ07装着の7速MTモデルだ。6.2LのV型8気筒OHV+スーパーチャージャーエンジンは、659psという驚愕のパワーを発揮。加速は暴力的とさえ表現できるほどの凄まじさ。このパワーをフルに使い切るには、やはり圧倒的なグリップ性能を誇るカップ2タイヤと、カーボンブレーキは必要不可欠なアイテムになる。

世界のライバルには、はたしてこの新型コルベットZ06は、どのような存在に映っているのだろうか。その心境は、穏やかではないだろうことが確信できたテストドライブだった。

▲Z07パフォーマンスパッケージ装着車は、GMの量産車として最も大きなダウンフォースを生み出すデザインに ▲Z07パフォーマンスパッケージ装着車は、GMの量産車として最も大きなダウンフォースを生み出すデザインに
▲フラットボトムのステアリングや専用カラースキームなどを採用。センターコンソールには専用エンブレムが備わる ▲フラットボトムのステアリングや専用カラースキームなどを採用。センターコンソールには専用エンブレムが備わる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Z06 ■乗車定員:2名
■エンジン種類:V8OHVスーパーチャージャー ■総排気量:6162cc
■最高出力:659/6400[ps/rpm]
■最大トルク:881/3600[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:7MT
■全長×全幅×全高:4518×1965×1235(mm) ■ホイールベース:2710mm
■車両重量:1598kg

text/山崎元裕 photo/ゼネラルモーターズ・ジャパン