ATおよびハイパワー仕様を追加

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↑「IPS」も「S」も基本デザインは共通だが、「S」にはリアスポーツディフューザーやスポーツシングルエキゾーストテールパイプなどからなる「スポーツパック」が標準装備される
ロータスの最上級エヴォーラに新しく2つのグレードが追加された。一つはIPS(インテリジェント・プレシジョン・シフト)と呼ばれるAT仕様。もう一つはハイパフォーマンス仕様のSである。

パワーユニットはどちらも従来同様のV型6気筒エンジンだが、Sにはスーパーチャージャーが装着され、最高出力が350psまで引き上げられている。IPSはモード可変式トルクコンバーター6速トランスミッションをもち、スポーツモードに切り替えるとシフトタイミングを高回転でキープ。ハンドルのパドルを使ってのマニュアル操作も可能だ。

Sはパワーアップに伴い、オイルクーラーの大型化をはじめ、足回りやブレーキなどすべてが見直されている。エクステリアでも差別化が図られており、リアスポーツディフューザーやシングルエクゾーストテールパイプ、ブラックミラー等を標準で装備する。
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↑ベーシックモデル同様、2+2の4人乗りと後席を取り払った2人乗りを用意する。価格はIPSが895.5万円(2人)と937.5万円(4人)、Sが1020.5万円(2人)と1062.5万円(4人)(左) IPSの6ATはパドルシフトで変速が可能。MTシフトが配置されていた場所には、走行モードのボタンが備わる。高めの回転数でシフトするスポーツボタンも装備した(右)

ハンドルを切った方向に進む。これはすごい!

今や希少なライトウエイト・ピュアスポーツカーの発展はうれしいかぎり。Sはまさにその真骨頂といえる。スポーツを楽しむにはジャストサイズのドライバーズシートに滑り込みイグニッションを回す。踏み込めばスーパーチャージャーの軽い吸気音が心地よい。

手応えのあるシフトをローに入れて走り始めると、あとはオンザレール感覚だ。箱根のワインディングでは3速に入れっ放しでOK。ややオーバースピードでコーナーに進入してもハンドルを切り足すだけでマジックのようにスムーズに走り抜けることができる。

IPSは正直Sほど高揚しないが、ピュアスポーツであることは明らか。スポーツモードで攻めればハンドル操作に集中できる分だけ面白い。高いサイドシルなど普段使いには面倒かもしれないが、峠道の走りだけで言えばあのドイツの本格スポーツを間違いなく凌ぐ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード IPS
全長×全幅×全高(mm) 4370×1850×1230
車両重量(kg) 1450
エンジン種類 V6 DOHC
総排気量(cc) 3456
最高出力[ps/rpm] 280/6400
最大トルク[Nm/rpm] 350/4600
車両本体価格 895.5~937.5万円
Tester/堀江史朗 Photo/向後一宏