ジャガー Xタイプ 2.0 V6【プレイバック試乗】
カテゴリー: ジャガーの試乗レポート
2010/05/31
コンセプト
顧客層の拡大を狙うジャガー初のFFモデル
「今までのジャガーは“not for me”だけど、これはいいかも…」。ジャガーのエントリーモデルであるXタイプは、こういった多くの人にジャガーを身近な存在として認知してもらおうという使命をもって、昨年、日本市場にも登場した。その追加車種として投入されたモデルが今回の2.0 V6で、待たれていたジャガー初のFFモデルである。
ちなみにジャガージャパンによると、これまでXタイプを購入したユーザーの約5割は、前保有車が国産車だったという。さらに今回の2.0 V6の追加で、それが約7割にまで増えるのでは?と、予測しているという。2.0 V6のグレードは単一の設定で、価格は365万円。これはアウディA4のベースモデル、2.0より3万円高いが、M・ベンツCクラス、BMW3シリーズよりも低めの設定だ。
室内&荷室空間
雰囲気は4WDと同様DVDナビを標準装備
電動&パワーシートこそ備わらないが、室内のムードは4WDのXタイプと変わらない。感心するのはDVDナビが標準装備される点だ。バーズアイメープルウッドのインパネや、J型シフトゲートなども見慣れた光景だ。後席スペースはそこそこのレベルだが、弧を描くサイドウインドウのラインはジャガーならではといえる。ドライブフィール
素直な姿勢変化には好感。しなやかさがより欲しい
動力性能は予想以上に快活だった。さすがに2000rpmを下回ると反応が鈍くなるが、シフト操作でカバーしながら回転を保つと、有効なパワーを引き出してドライブできる。回転の伸び自体も非常にスムーズ。エンジン音はそれほど色気のあるものではないが、高回転域でも耳障りではない。乗り心地は、4WDモデルに比べると若干マイルドになった印象を受ける。けれど“多くの人が期待したとおりのジャガーであること(プレゼンの資料より)”とするなら、さらに滑らかな身のこなしを期待してしまうのは僕だけか?試乗車の装着タイヤはピレリP6000 POWERGYだった。それ自体は欧州のサルーンカーによく採用されているタイヤだが、コーナーを次々とパスするような場面でもXタイプの足回りは、しっかりと接地感を確保してくれる。ステアリングフィールが“薄い”にもかかわらず、だ。
車の素直な姿勢変化にも好感がもてる。が、低速時に時としてゴツつき感を感じるのが残念。ジャガーなら重厚感はそのままに、よりしなやかな“振る舞い”ならなおいい気もする。しかし現状でも、FMから流れてきた曲を聴きながら走っていると、ずっとこうしていたいと思わせてくれた。
こんな人にオススメ
スペック至上主義のユーザーではなく、やはり、叙情的にムードを大事にする人、個性を重視する人が乗りこなすべき車なのだろう。とはいえSタイプよりもさらに若々しいイメージであることは確かで、「アドリアティック」と呼ばれるやや明るいブルーメタリックなど選んで乗れば、相当スマートに見えそうだ。SPECIFICATIONS
グレード | 2.0 V6 |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4685×1790×1420 |
ホイールベース(mm) | 2710 |
車両重量(kg) | 1520 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 水冷V型6気筒DOHC |
総排気量(cc) | 2096 |
最高出力 | 117kW(159ps)/6800rpm |
最大トルク | 200N・m(20.4kg-m)/4100rpm |
車両本体価格 | 365.0万円 |
ジャガー Xタイプ 2.0 V6【プレイバック試乗】/試乗レポート
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