森ケータ選「早くも今年のイヤーカー!」

  • ルノー ルーテシア ルノー・スポール 走り|ニューモデル試乗
  • ルノー ルーテシア ルノー・スポール リアスタイル|ニューモデル試乗
↑キャパのデカい走りのゴキゲンシャシー (左)F1で培った空力ノウハウをもとに設計。CD値は0.35を達成している(右)
いわゆるプラットフォーム的にはルーテシアはマーチの兄弟で、さらにそのルノー・スポール版てのは日産車におけるバージョンNISMOみたいなもんだと思えばいい。要は、レース方面の車作りをバリバリやってる部門のヤツらが作ったホットハッチ。

299万円は、簡単に言うとすんごく安い! マイナーブランドの外車であることとさらに車のデキをも考えると、大バーゲン。ルノージャポンは頑張った。エラい! ちなみにこの額面、ホンダがこんど2010台限定でイギリスから入れるシビック・タイプRユーロ(ほぼガチな競合車と思ってOK)と比べて1万円しか高くない。もっと言うと、シビRユーロにカーテンエアバッグは付いてないけどルーテシアRSには付いている。

そら売れる、と思ったら発表後1カ月でとっくにバックオーダー状態とか。エコカー減税だナンだのバカみたいなキャッシュバック政策のお世話にならんでも魅力的な車はちゃんとわかってもらえる、という好例。

ゴキゲンの快適ホットハッチ

  • ルノー ルーテシア ルノー・スポール インパネ|ニューモデル試乗
  • ルノー ルーテシア ルノー・スポール 左右非対称タイヤコンチネンタル製スポーツコンタクト3|ニューモデル試乗
↑アルミ製ペダル&フットレストやイエローのステッチをあしらったステアリングなど、各所にルノースポールならではの仕様が採用されている(左)専用開発の左右非対称タイヤコンチネンタル製スポーツコンタクト3を採用(右)
えーインプレ。MT免許の講習車にしてもいいくらい運転しやすくて、身体の弱ったお婆さんをヨコに乗っけて病院つれてくのにもバッチリなくらい快適で静かで、でもってハンドリングはホットハッチの新基準確立級にゴキゲン。コワさゼロでスルドい。202psの額面がウソじゃないと確信できる程度にエンジンの速さもある。やはりゴキゲン。6段MTのギア比配分も秀逸。あとやっぱ、ターボじゃないってのがありがたい。過給の応答遅れ(そのあとグワンとくるのとセット)を気にしなくていいから。

全体としてはこれ、サーキットへ向かう途中の公道も天国なシビック・タイプR(ここで言ってるのはユーロじゃなくセダンのほう)みたいな車。そんな夢みたいな、と思ったアナタ。正夢ですよ。いやホント正夢カーだこれ。

でまた、こないだサーキット、フジのショートコースでプレス試乗会やったんだけど、10分×3本のセッション8回(速い人が全枠乗ったらホットラップだけでも100周近くになるはず)をタイヤもパッドも無交換で耐えきってた。荒くれ野郎どもにギャンギャンやられつづけても。さすがに最後の枠で乗ったときは少しアンダー強めっぽくなってたけど、ESPカットオフしても全然カンケーないくらいシャシーのキャパはデカかった。ひょえーと思ったですよ。個人的には、今年のイヤーカーはこれでキマリ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ルノー・スポール
全長×全幅×全高(mm) 4020 x 1770 x 1485
車両重量(kg) 1240
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 202ps/7100rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 21.9kg-m/5400rpm
車両本体価格 299万円
(Tester/森 慶太 Photo/向後一宏)