▲まだまだ2人で過ごしたいおしゃれさんご用達のモデルである。特にTT 2.0 TFSIクワトロは当然の選択だ。しかし3人以上は難しいので、家族が増えたら我儘度は90%になる。長く乗ってもオーナーの雰囲気を崩さない特別感がアウディ TTには宿っている ▲まだまだ2人で過ごしたいおしゃれさんご用達のモデルである。特にTT 2.0 TFSIクワトロは当然の選択だ。しかし3人以上は難しいので、家族が増えたらワガママ度は90%になる。長く乗ってもオーナーの雰囲気を崩さない特別感がアウディ TTには宿っている

老練な肩肘張らないファッショニスタに送りたい1台

初代アウディ TTほどエポックメーキングなモデルはなかった。コンパクトにしてハイパーで凝縮された“クワトロ”という四輪駆動のメカニズム。アルミニウムをふんだんに使ったリアルマテリアルのインテリア。それらを裏切らない塊から削り出したようなエクステリア。その“TT”も17年が経過した。3代目はシャープさが強調されたと同時にホイールベースを延ばしてグランツーリスモのエッセンスも注入している。

今回は新型アウディ TTのTT 2.0 TFSIクワトロとホッテストモデルのTTS 2.0 TFSIクワトロに試乗したのでお伝えしたい。両者ともに2Lターボである。

初めはTTから。見直しをした2Lターボはすこぶる滑らかでターボとは思えないリニアなトルクを発生し、6速ツインクラッチAT(Sトロニック)を介して四輪に伝える。成熟したトランスミッションとエンジンの相性は抜群である。海沿いのワインディングを回転数を上げずに、Sトロニックは軽やかにステップアップとダウンを繰り返していく。動きがバタバタと感じるが、クワトロのロードホールディングは文句ない。エンジンをフルパワーで引き出してコーナリングをしても全く不安がない。高速のクルージングは落ち着いたGTである。

次にTTSである。ターボチャージャーの変更によって最高出力を230psから286psまで高めたということなので、初めから少々本気で走らせた。踏み込むとTTよりもトルクに大きな山があり、テーブルトップのトルクへと移る。高出力にマッチしたサスペンションはとても良好でリアも落ち着き、ダンパーとスプリングのマッチングが良い。価格差の理由はやはりあるのだ。

▲旧型より全長/全幅を10mm小さく、ホイールベースを40mm延長。よりダイナミックなスタイルに ▲旧型より全長/全幅を10mm小さく、ホイールベースを40mm延長。よりダイナミックなスタイルに
▲メーター部にはクラス初のフルデジタル多機能メーター(バーチャルコックピット)を備えた ▲メーター部にはクラス初のフルデジタル多機能メーター(バーチャルコックピット)を備えた
▲TTの2L直噴ターボは従来型より19ps/20Nm高めつつ、JC08モード燃費を1.7km/L向上させた ▲TTの2L直噴ターボは従来型より19ps/20Nm高めつつ、JC08モード燃費を1.7km/L向上させた

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Coupe 2.0 TFSI quattro ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1984cc
■最高出力:230/4500-6200[ps/rpm]
■最大トルク:370/1600-4300[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6DCT
■全長&全幅&全高:4180&1830&1380(mm) ■ホイールベース:2505mm
■車両重量:1370kg
■車両本体価格:589万円(税込)

text/松本英雄 photo/河野敦樹