BMW X5|ニューモデル試乗

飛ばしたときに真価を発揮する旧型のディーゼルモデルに対し、新型は低回転域でもレスポンスが良好で、ゆったりと街を流すような走りもストレスなくこなす。静粛性の高い室内は自分一人の時間を楽しむにも最適。自立したオトナの男にこそオススメしたい

キープコンセプトは成功の証

オンロード志向という潮流を作り上げた人気モデル

プレミアムSUVの祖がレンジローバーであることは動かしがたいとしても、引き続き世界中の自動車市場をにぎわしているオンロード志向の強いプレミアムSUV(BMWはSAV=Sports Activity Vehicleと呼ぶ)という潮流を作り上げたのは間違いなくBMW X5だ。

大柄で背が高いボディなのに、コンパクトな3シリーズと変わらない俊敏性を備えていることを初めて知ったときには、驚きを通り越して畏敬の念を覚えたものである。

彼らの車作りが広く受け入れられていることは、1999年に初代が発売されて以来、世界中で130万台以上が販売されてきた事実からも知れる。

生き続けるX5神話

カナダのバンクーバーでお披露目された3代目X5は、モデル末期でも好評を博し続けた2代目の正常進化版。全体的なプロポーションは不変ながら、全長を3cmほど延ばすなどしてボディの伸びやかさを表現。帯状の面をいくつも組み合わせて光と影を演出する手法は、最新のBMWデザインに共通する特色だ。

年内に日本上陸を果たすと見られる新型は、まずはxDrive30d(日本での名称はxDrive35dとなる予定)とxDrive50iの2タイプが発売され、追ってxDrive35iがデビューする見とおし。

このうち国内販売比率の7割を占めるディーゼルモデルの30dはエンジンノイズが劇的に小さくなり、低回転域からも力強いトルクを生み出す。

一方の50iはノイズと振動レベルをさらに抑え、高速域でもパンチの利いた走りが楽しめた。

乗り心地も快適方向に劇的な進化を果たしていたので、X5神話は今後も生き続けることだろう。

アイドリングストップやコースティング機能に加え、燃費を向上させるECO PROモードも採用し環境性能を高めた

アイドリングストップやコースティング機能に加え、燃費を向上させるECO PROモードも採用し環境性能を高めた

ダコタ&ナッパレザーやアンビエントライトなどで高級感が演出されている。10.25インチのコントロールディスプレイを備える

ダコタ&ナッパレザーやアンビエントライトなどで高級感が演出されている。10.25インチのコントロールディスプレイを備える

ラゲージ容量は650~1870Lと旧型より30~120L広くなった。後席は40:20:40の分割可倒式を採用し高い利便性を持つ

ラゲージ容量は650~1870Lと旧型より30~120L広くなった。後席は40:20:40の分割可倒式を採用し高い利便性を持つ

SPECIFICATIONS

グレード xDrive30d(ドイツ仕様)
駆動方式 4WD
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4886×1938×1762
ホイールベース(mm) 2933
車両重量(kg) 2070
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直6DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc) 2993
最高出力[ps/rpm] 258/4000
最大トルク[N・m/rpm] 560/1500-3000
Tester/大谷達也 Photo/ビー・エム・ダブリュー