BMW 1シリーズ 【ニューモデル試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2011/11/17
クラス初の8速ATと最長ホイールベースがもたらす快適性
先代よりもアクの強い顔つきとなった2代目。キドニーグリルやLED内蔵ヘッドライト、3分割のエアインテークを採用する。標準グレードのほかに、内外装デザインやカラーリングの違いによる「スポーツ」と「スタイル」の計3ラインを設定。いずれも価格は標準モデル+10万円
世界の巨頭フォルクスワーゲンゴルフが君臨するクラスで、初代BMW1シリーズが光ったのは、やはり優れた操縦性だった。2代目となるニュー1シリーズは、全長4335(初代比+95)mm、全幅1765(+15)mm、全高1440(+40)mmに拡大。ホイールベースも2690(+30)mmとクラス最長。それはライバルに対して劣っていた居住性の引き上げと、優れた操縦性をさらに向上させ高速域での安定性と快適性でクラス上を狙う。しかもエンジンは新開発の1.6Lの直4ターボを搭載。直噴&ダブルVANOS&バルブトロニックを備え、ミッションはクラス初の8速AT。アイドルストップ、ブレーキ・エネルギー回生システム、電動パワーステアリングなど、燃料消費を抑え環境に対応する。ターボの過給圧とECUの違いで116i(136ps/22.4kg-m)と120i(170ps/25.5kg-m)がある。標準/スポーツ/スタイルの3タイプの個性を用意。すべて75%エコカー減税対象モデルとなる。
BMWが誇る操縦性は1シリーズでも発揮される!
先代モデルに続き、前後重量配分50:50のFR駆動を採用する。燃料消費率と排出ガス低減を目指した新開発の1.6Lの直4ターボエンジンは、10・15モード燃費17.6km/L。インテリアは他シリーズ同等の線対称のもの。標準仕様には6.5インチディスプレイと音楽やナビゲーションをコントロールするiドライブを装備
試乗は暴風雨のなかの袖ヶ浦フォレストレースウエイ。路面の摩擦係数が一般公道と変わらないここは、公道では難しい限界走行が容易に試せる。新型はまずステアリングが軽い。初代で女性ユーザーの多くから“重い”と指摘された反省だ。もちろん車速とともに手応えは増す。路面は浸水テストか、と思うほど深い水量のなかを、8速ATのMモードを選びアクセルを踏み込む。6500rpmで自動シフトしながら50~80~120km/hとショートレンジでつなぐ小気味良さ。驚きはやはり操縦性で、この最悪な路面状況にもかかわらず、後輪は“水中”で路面を蹴り、前輪は与えられた舵角どおりに曲がる。車両安定装置のDSCが作動する以前でこうだ。限界を超えるとDSCが絶妙な利き味で挙動を乱さない。DSC-OFFではレベルの高いパワースライドを披露。クラス唯一のFRだけに許された走りである。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 116i スポーツ | |
全長×全幅×全高(mm) | 4335×1765×1440 | |
車両重量(kg) | 1400 | |
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | |
総排気量(cc) | 1598 | |
最高出力[ps/rpm] | 136/4400~6450 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 220/1350~4300 | 車両本体価格 | 318.0万円 |
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