フタケタ万円まで突入した旧型BMW 3シリーズって、正味のところどうなんだ会議!
2017/05/03
価格は確かに魅力的だが、いくつかの不安も
少し前までは、車両価格100万円ちょいぐらいまで落ちてきたE90こと旧型BMW 3シリーズを見て「E90も安くなったね~」などとのんきなことを言っていた筆者だが、気がつけば旧型3シリーズの格安化はさらに進行。現在では車両価格70万~99万円ぐらい、つまりは「フタケタ万円」にて、走行3万km台までのなかなか好条件な物件が探せる状況になっている。
そうなると「お手頃ガイシャ党」に所属する筆者などは俄然その存在が気になってしまうわけだが、早急な購入を躊躇させるいくつかの問題点というか不安もある。それは、
1. 今さらE90を買っても、近所の人に「今さら旧型買ったんだwww」と笑われるんじゃないか?
2. 最初期で12年前、最終型でも6年前の車だけあって、もはや「走り」とかもイマイチなのでは?
3. 安いのはいいが、何かと故障しまくる「金食い虫」なんじゃないか?
という3点である。
これらの疑問あるいは不安がもしも「確かにそのとおり」であるならば、いかに安価とはいえ手を出すべきではないだろう。しかし「意外とそうでもない」という結論になるのであれば、車両価格70万~99万円にして走行3万km台までの旧型BMW 3シリーズは、筆者のような人間にとってはある種の「お宝」になる可能性を秘めている。……実際、どうなんだろうか?
ということで筆者は1人、この議題に関する脳内会議を開催してみることにした。
フタケタ万円で狙える低走行物件は4気筒の320iがほとんど
会議開催の前に、まずはE90こと旧型BMW 3シリーズという車自体についてごく簡単にご説明することをお許し願いたい。
現行型の1こ前にあたるBMW 3シリーズのE90が登場したのは05年4月。前身にあたる旧々型3シリーズ(E46)と比べ大型化されたそのボディは全幅1800mmを超えたが、依然として前後重量配分50:50のFR車らしい素直でステキな動きのスポーティサルーンではあった。
エンジンは直列4気筒の2Lと、直列6気筒の2.5Lおよび3L。3Lエンジンには330iが搭載した自然吸気の他、335iが搭載したツインターボ(途中よりシングルのツインスクロールターボ)の2種類がある。08年11月にはマイナーチェンジで内外装などを小変更。10年5月からの最末期モデルでは2L直列4気筒に直噴システムならびに希薄燃焼テクノロジーが採用された……というのが、かけ足で恐縮ではあるが旧型BMW 3シリーズ全体の大まかな解説である。
今回の会議で議題となる「車両価格70万~99万円で、なおかつ走行3万km台まで旧型BMW 3シリーズ」は、主には05~10年式の320i各種。320iというのは排気量2Lの直列4気筒を搭載するベーシックなグレードだ。その他、2.5Lの直列6気筒(ただし出力は同排気量の325iより抑えめ)を搭載する323iも見つかるは見つかるが、この条件に当てはまる323iはかなり希少なので、以降は05~10年式の320iを念頭に置いて話を進めたい。
格安ガイシャだとバレる心配はほとんどなし
で、遅くなってしまったが議題1、すなわち「今さらE90を買っても、近所の人に『今さら旧型買ったんだwww』と笑われるんじゃないか?」という疑問・不安について考えてみよう。
この問題について長考に入った筆者だが、結論として「問題なし!」ということになった。確かに、筆者のような人間(自動車マニア兼中古車マニア)がたまたま近所に住んでいれば、「……車両価格90万円ぐらいで、総額は110万円ぐらいですかね? ま、その金額で軽自動車の新車を買うって手もありましたが、とりあえずビーエムのご納車、おめでとうございますwww」などとイヤミったらしいことを言われるかもしれない。や、さすがにそんなことは言う人はいないだろうが、内心そう思われるかもしれない。
しかし安心してほしい。そのような自動車マニア/中古車マニアの数など、世の中全体から見ればごくごく少数である。たいていの人からすると、シャンとしてる個体を小ぎれいに洗車しながら乗っている限り、現行3も旧型3も「何やらステキで高そうなガイシャ」に変わりはないのだ。したがって、この問題に関しては一切気にする必要はない。ただしマメな洗車だけは心がけよう。
旧世代の4気筒320iでも、それ単体で見ればまだまだイケる
次に進む。議題2の「最初期で12年前、最終型でも6年前の車だけあって、もはや『走り』とかもイマイチなのでは?」という問題だ。
これについては長考の結果、「何と比べるかによる!」という答えが出た。
確かに現行F30と旧型E90を比べるのであれば、そりゃF30の方がいわゆる走りは全般的に良い。そして同じ旧型E90同士でも、6気筒の325iや330iおよび335iと4気筒の320iを比べるなら、320iは少々非力に感じる局面も決してゼロではない。
しかし人間というのは一度に1台の車しか運転できないものだ。で、そうやって旧320iだけを1人静かに運転している限りにおいては、旧型BMW 320iとは「まずまずパワフル」で「何かと剛性感たっぷりでありながら軽快感もある素晴らしい車」でしかないのだ。
高速道路の追い越し車線などで「もうちょっとだけパワーがあればなぁ……」と感じる飛ばし屋さんもいるかもしれない。しかし高速道路とはいえ、あまりの高速度でぶっ飛ばすのはそもそも違法である。安全でジェントルな運転に徹しつつ、心頭を滅却して他車との無駄で不毛な比較さえしなければ、旧320iの走りには十分満足できる可能性が高い。
故障に関しての断言は難しいが、少なくとも弱点だらけの車ではない
最後に議題3、「安いのはいいが、何かと故障しまくる『金食い虫』なんじゃないか?」という問題。
これについては……歯切れが悪くて恐縮だが、ハッキリ「こう!」と断言することはできない。なぜならば、「中古の機械製品」の将来を100%正確に予測するのは生身の人間には不可能で、神様あるいは予言者と呼ばれるような人のみがそれを実行できるからだ。
ただ傾向として、「E90こと旧型BMW 3シリーズは、とにかく壊れまくってアタマが痛くなるような類の車ではない」ということは言えるはずだ。いくつかの定番的な弱点はあり、また年式もそれなりに古いといえば古いので、購入からの数年間「ディーラーとか工場にはほとんど世話になりませんでした!」となるケースは少ないだろう。しかしツボを押さえた選び方さえ行えば、決して「金食い虫」というほどのことにはならないはずだと推測する筆者である。
で、選ぶうえでのツボとは、
・とにかく整備履歴が充実している個体を選ぶ(こまめにオイル交換をしていた個体が望ましい)
・できれば初期年式(05~06年式)よりも07年式以降あたりから選ぶ
ということになるだろうか。
「車両価格70万~99万円で、なおかつ走行3万km台までの旧型BMW 3シリーズ」にまつわる以上の会議の結果、筆者個人としては「購入および維持に若干のコツと気合は必要となろうが、なかなか悪くない選択ではある!」との結論に至った。
会議を傍聴されたあなたにおかれては、果たしてどんな結論になっただろうか?
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▼検索条件
BMW 3シリーズ(旧型)×車両価格100万円以下×走行3万km台まで×修復歴なし日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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