ゴルフGTIの意匠を継承したモデルといえるポロ GTI
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2018/07/17
ゴルフはラグジュアリー思考になったが、ポロは機敏な動きが可能だ
良質でスポーティな車は、乗り心地が良い。良いというのは、不快な突き上げがないように細かな凸凹を吸収しつつ、コーナーではドライバーや乗員を不安にさせない。それでいて高速でも路面に吸い付くような安定感を体感させてくれるということだ。
そうしたモデルがまた1台誕生した。
それが『フォルクスワーゲン ポロ GTI』である。元祖GTIともいえる『ゴルフ GTI』は、少々ラグジュアリーが入ったハッチバックとなってしまい、スイスイと機敏な走りよりもゆったりと高速クルージングも得意となった。
そういった意味では、サイズ的にもポロは日本の道を俊敏に走らせるには具合がいい。しかも新しいポロのプラットフォームは、次世代のコンパクトハッチを担うために作られた抜かりのない強靭なフレームだ。
ノーマルでも静粛性や安定したサスペンションでトータル的に素晴らしいパフォーマンスを発揮する。そこにハイパフォーマンス2Lユニットと専用のサスペンションを組み込んだのがポロ GTIである。
力強い加速と地に張り付くようなコーナリングが可能なマシン
試乗車がMTであればワインディングという選択もあったが、6速DSG(ツインクラッチ式AT)だったこともあり、東名高速道路の試乗をメインにしたのでお許し願いたい。
このスペックを想像しただけで加速に長けていることが理解できるはすだ。この新しいMQBプラットフォームとエンジントランスミッションの相性はとても良く振動が本当に少ない。静粛性が非常に高い組み合わせである。
走り出しはゆっくりとしていてDSGの感触も申し分ない。そこからアクセルをさらに踏んで東名高速の本線に合流すると、素早くシフトアップを繰り返し、気持ち良く連続的に加速をする。
扱いやすさを重視したにも関わらず、200馬力と32.6kgf・mというトルクを誇るエンジンは、この引き締まったハッチバックを異次元まで加速させる。
高速で段差に乗り上げても挙動が乱れることもなく気持ち良く通過する。またわだちにタイヤが取られることなんかも皆無だ。
サスペンションにも改良が施され、剛性感が素晴らしい。タイヤをしっかりと地につけてグリップさせるセッティングだ。
また高速の静粛性もこのクラスとは思えない。サスペンションをスポーティな味付けにしたモデルは、静粛性が乏しくなることがあるが、そんな心配は無用だった。
高速コーナーは、進入時には柔らかく感じるものの、そのまま車体を水平に保ち、スムーズなドライビングが可能だ。すべての作りもこの価格帯としてはこれ以上はない。
ギュッと良質を凝縮したモデルだと感じずにいられない。ノーマルのポロよりもさらにいいものである。たまらないパフォーマンスがポロ GTIには宿っているのだ。
【SPECIFICATIONS】※試乗車
■グレード:GTI ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC+ターボ ■総排気量:1984cc
■最高出力:147(200)44000-6000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:320(32.6)/1500-4350[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6AT
■全長x全幅x全高:4075 x 1750 x 1440(mm) ■ホイールベース:2550mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/40(L)
■JC08モード燃費:16.1(㎞/L)
■車両価格:344.8万円(税込)~
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