驚きの走りを生む140ps仕様のTSI搭載で魅力が大幅にアップ

(Tester/松下宏 Photo/尾形和美)

コンセプト
燃費重視のチューニングで必要十分な性能をもつ

フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン フロントスタイル|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン リアスタイル|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン インパネ|ニューモデル試乗
 VWではガソリンエンジンを直噴化+過給器付きとすることで燃費性能の向上を図っている。このタイプのエンジンを総称してTSIエンジンと呼んでいるが、その一つがゴルフに搭載された。
 ゴルフにはすでに1.4Lの直噴エンジンにスーパーチャージャーとターボチャージャーを装着したエンジンをGT TSIに搭載しているが、今回のコンフォートラインに搭載されたエンジンも基本は共通。過給圧の制御など異なるチューニングが施され、パワーを103kWに抑える代わりに燃費を向上させたのがこのTSIエンジンだ。
 このエンジン自体も、すでにゴルフトゥーランには搭載されているもので、GT TSIほどのパワーは必要ないというユーザーには手頃なモデルになるはずだ。

室内&荷室空間
装備や仕様はダウンするが、基本的な良さは変わらない

フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン フロントシート|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン リアシート|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン トランスファーレバー|ニューモデル試乗
 同じTSIエンジン搭載車でもGT TSIでは専用のエアロパーツなどで外観デザインの差別化が図られているが、TSIコンフォートラインには比較的おとなしめの外観が与えられると同時に、インテリアの仕様にも違いがある。
 前席のシートがスポーツシートではなくコンフォートタイプのシートになることなどはその典型で、GT TSIには装備されるブースト計などもコンフォートラインでは省略されている。
 ただ、基本が合理的なパッケージングをもつゴルフであるだけに、前席はもちろん後席の居住空間が十分に確保されているほか、容量が大きくて使い勝手にも優れたラゲージスペースをもつことなど、すべてのゴルフに共通する良さを備えている。

ドライブフィール
低速域からトルク感のある余裕十分な実力を発揮する

フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン 走り|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン エンジン|ニューモデル試乗フォルクスワーゲン ゴルフTSIコンフォートライン タイヤ|ニューモデル試乗
 先に発売されたGT TSIはパワフルな実力をもつエンジンで、GTIがなくても良いと思わせるくらいの走りのパフォーマンスをもっていたが、TSIコンフォートラインはさすがにそこまでの実力はない。ただ、低速域から太いトルクをしっかり発生するのが低燃費仕様のコンフォートライン用TSIエンジンの特徴で、市街地などでの扱いやすさを身上とする。
 アクセルの踏み込みに応じて気持ち良く加速が伸びていくのも、1500回転で220N・mという低回転域でのトルクが生きている。最大トルクの数値はGT TSIの240N・mと比べても全く見劣りしない。しかも優れたトランスミッションとして定評のある6速DSGと組み合わされ、キビキビした変速フィールに好感がもてる。

こんな人にオススメ

ゴルフの実用性や機能性を重視して選ぶ人向きのモデル。元気良く走らせたい人ならGT TSIやGTIを選べば良いが、ごく普通のユーザーがゴルフを選ぶならTSIコンフォートラインで十分だと思う。GT TSIと比べても燃費性能では有利になっているので、購入時のイニシャルコストに加え、買った後の維持費も安上がりになる。
主要諸元のグレード ゴルフTSIコンフォートライン
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT(DSG)
全長×全幅×全高(mm) 4225×1760×1520
ホイールベース(mm) 2575
車両重量(kg) 1390
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ+SC
総排気量(cc) 1389
最高出力[kW(ps)rpm] 103kW(140ps)/5600rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 220N・m(22.4kg-m)/1500~4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 14.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/55
車両本体価格 289万円