思わず目を丸くする“これが大衆ブランド商品!?”

↑電動スライドドアとシルバールーフレールを全車に装備(左)上級仕様はVW初のキーレスアクセスと、ステアリングホ イール&パドルシフトを採用(右)
編集部から試乗記の依頼がきたんであわててフォルクスワーゲンシャランの広報車借りて、100kmチョイほど運転してみた。結論は、「すげ~車だこれは!!」。

冗談ぬき、生まれて初めてベンツのW124に乗せてもらったときのこと思い出した。いまから22年、かもっと前。たぶん88年型じゃなかったかなーの230TE。「世の中にはこういう車があるのか!!」と、そんときは思った。

順番に思い出してくと(ってシャランのことよ)、まず空間のカタチや居心地。カタログの全幅の数字から想像するほど幅広感強調タイプではなくて、7人が快適に過ごすのに「このぐらいは必要でしょ?」なドンピシャ感がある。ドラポジはゆったりと、これまた快適。周囲の視界も良好。

発進は、急がず騒がずゆったりと。でも強力に。ただし、車が冷えててかつドライバーが遅刻しそうでアセってるときはちょっと飛び出しっぽくスタートしちゃうこともある。クラッチのバイト(噛みつき)がキュッと強く出ちゃったりして。ハンドル回したときの手応えの質感というか精度感は「こ、これが大衆ブランド商品!?」。ものすごく、ありがたい。1000万円超級。

二重構造になってるせいか、靴でいうとシャンクがバシーッ!! っと入ってるみたいにフロアが堅牢っぽい。騒音や振動の遮断力も強くて、だからパサートより高級な車に思える。ただ、路面からの入力によっては2列目シートがキシキシカタカタ鳴る。 ほか全体が静かなぶん、それが目立つ。
  • フォルクスワーゲン シャラン リアシート|ニューモデル試乗
  • フォルクスワーゲン シャラン リアスタイル|ニューモデル試乗
↑ゆとりあるシアター式の3列シート7人乗り(左)写真は184psを発揮する1.6Lターボ+6速AT。フルフラット状態では最大1913Lに(右)

快適七人乗り!

乗り心地はゆったりフラット。タイヤがヒターッ!! と回ってる様子が手にとるように、目に見えるようにわかる。こらアシの接地性高そうだわ。ホイールベースはすごく長いけど、曲がるのイヤイヤ系ではない。といって、ヘンに曲がりたがりでもない。

いったん60km/hに達したら、あとは50km/hを下回らない限りずーっと6速でイケる。右足の踏み込みとトルクの出方の関係は、ちょっとこれ以上のはないんじゃないかというぐらいしっとりダイレクト。負荷(車重や空気抵抗)がデカめなぶん、過給エンジンの美味しいところを常に使っていられる。あと、エンジンのフィーリングの質感がすげー高い。ハンドルと同じように。ここに関しては、ベンツの124でいうと230というより300に近い。常用域のチカラの感じもふくめて。んー。

7人乗りに用なんてないけど欲しいコレ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード TSIハイライン
全長×全幅×全高(mm) 4855×1910×1750
車両重量(kg) 1860(サンルーフ装着車)
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付き
ターボ+スーパーチャージャー
総排気量(cc) 1389
最高出力[ps/rpm] 150ps/5800rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 24.5㎏-m/1500~ 4000rpm
車両本体価格 379万~438万円
Tester/森 慶太 Photo/向後一宏