フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン【ニューモデル試乗】
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
タグ: ハッチバック
2010/12/24
走りを愛する人には最高のミニバン、だが
↑上級仕様はバイキセノンヘッドライトやシルバールーフレールを標準装備(左) 質感を向上させたシンプルなインパネ回り(右)
フォルクスワーゲン(VW)ゴルフをベースとしたミニバンのトゥーランがモデルチェンジした。といっても2675㎜のホイールベースは同一で、前後のドアも旧型の流用だから、ビッグマイナーチェンジといったほうが適切だろう。エンジンも従来どおり、1.4L直噴にターボとスーパーチャージャーを装着したTSIだが、2種類あった最高出力は低いほうの140psに統一され、22.4kg-mの最大トルクは発生回転数が1500~4000rpmから1250~4000rpmへと、やや低くなった。
トランスミッションは旧型の最終型で初採用された、乾式クラッチ使用の7速DSGだ。しかし10・15モード燃費は3%アップした14.6km/Lとなり、エコカー減税適合車の仲間入りを果たした。グレードはベーシックなトレンドラインと上級のハイラインの2種類で、いままでどおりだ。
外観はフロントグリルが現行ゴルフやポロと同じ黒い横長のシンプルなグリルになり、リアではコンビランプがゴルフを思わせる横長になったことが新しい。室内はやはりゴルフやポロ同様、インパネ回りの光り物が増えている。
↑1.4L TSI&7速DSGにより燃費は14.6km/Lを達成(左) 乗車定員は7人。荷室は最大1913Lを確保する(右)
ファミリーカーというにはつくりが不十分か。
シートの作りも旧型と共通。2列目は3分割で、個別にスライドとリクライニング、折り畳みが可能。3列目は背もたれを前に倒す方式で格納できる。ただし2列目はサイズが小さく、着座姿勢は直立に近いうえに、動きがかなり重く渋い。3列目はプラス2にすぎず、そこへのアクセスはシートを畳まないと行えない。こうした部分の作りは、国産ミニバンのほうが数段上だ。加速は1名乗車ではまったく不満なし。トルクの立ち上がりは少しなだらかになったようだ。でもDSGに使われる乾式クラッチがあいかわらず唐突につながるので、スムーズな発進や加速はむずかしい。
乗り心地はミニバンとしては硬めだが、50~60km/hまで速度を上げれば不快ではない。ステアリングの操舵感はしっとりなめらか。山道ではかなりペースを上げても前輪は悲鳴を上げず、途中でアクセルをゆるめてもリアのグリップは安定していた。
走りを愛する人にとっては最高のミニバンだろう。しかしトゥーランはファミリーカーである。だからこそ家族にもシートアレンジや加速感を試してもらい、OKをもらっておくことが望ましい。ファミリーカーとはそういうものなのだから。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | TSIハイライン | |
全長×全幅×全高(mm) | 4405×1795×1670 | |
車両重量(kg) | 1580 | |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHCインタークーラー付き ターボ+スーパーチャージャー |
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総排気量(cc) | 1389 | |
最高出力[ps/rpm] | 140ps/5600rpm | |
最大トルク[kg-m/rpm] | 22.4kg-m/1250~4000rpm | 車両本体価格 | 293万~339万円 |
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