消費者ニーズに応えた新型ヴィッツ!

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PERFORMANCEエンジン種類やミッション、最新装備などを解説

3代目にフルモデルチェンジ

日本だけでなく世界で売れ続けるトヨタブランドの基幹車種。トヨタによれば「コンパクトカーのあるべき姿」を再定義したと言う。新型は、燃費を含めた環境性能や、取り回しの良さを残しながら室内空間を拡大するなど、今このクラスの消費者ニーズを旧型以上に高い次元でまとめられているのがポイント。

DRIVING実際に運転してのドライビングフィールを解説

RSは良し、3気筒はブルブル

数あるグレードのなか、好印象だったのはスポーティ仕様のRS。硬いだけではなく、路面への追従性が高く、筆者を含め「走るの大好きだった」オジサンにはウケが良さそう。一方で1Lの3気筒エンジンは改良されてはいるものの、パッソ同様、ブルブルとアイドリング時の振動が大きいところが気になる。
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SPACE室内空間の広さや演出を解説

失ったものも少なくない

室内長を35mm拡大させるなど、旧型よりも特に後席足元が広くなった。しかしライバルの一台となるホンダフィットと比較すると、絶対的な空間の広さでは劣る。また旧型に採用されていたリアシートのスライド機構が廃止されたことで、荷物の量に応じたラゲージ空間のアレンジ幅が減少したのが残念だ。

OWNERSHIPスタイルや品質など所有する喜びなどを検証

ヴィッツらしい個性が薄まった

今まで女性ユーザーが5割を超えていたというヴィッツ。今回は男性が乗っても様になるデザインにしたというが、逆にこの車ならではの個性が薄まった気もする。ライバル車との差別化を図り、女性ユーザーはパッソにまかせるというトヨタの戦略はわかるが、ややコンサバに振りすぎている感もある。

SPECIFICATIONS

グレード RS
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3930×1695×1500
ホイールベース(mm) 2510
車両重量(kg) 1030
乗車定員 5人
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1496
最高出力 80kW(109ps)/6000rpm
最大トルク 138N・m(14.1kg-m)/4400rpm
車両本体価格 119万5000~179万円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する(※点数は標準車のものです)

総合評価15/ 25
EQUIPMENT(装備)2/ 5
グレードによって装備差があるが、オーディオはすべてレス仕様。RS/U/ジュエラには4スピーカーが装着される。RSはスポーツグレードらしく、パドルシフト(CVT車)などの専用装備が付く。
SAFETY(安全性)2/ 5
旧型では2007年8月のMCで標準装備化されたサイドエアバッグが、今回オプションになったほか、VSC&TRCの設定も少ない。ヘッドレストレイントも乗員分用意されていない。
ECO(環境性能)5/ 5
FF車は平成17年排出ガス基準が75%低減レベルで星4つ。平成22年度燃費基準も+25%を達成。購入時には自動車取得税や重量税の軽減措置が受けられる。
MILEAGE(燃費)4/ 5
RSのCVT車は10・15モード燃費で20km/Lを達成。アイドリングストップ機構を搭載するF SMART STOPパッケージは26.5km/Lとハイブリッド車を除く乗用車としてはトップの性能。
VALUE(バリュー)2/ 5
グレード数や合計17色もあるボディカラーなど選択肢の多さは魅力。このクラスに存在するライバルと比較すると安全装備や価格面での優位性を強く感じることができない。
写真:尾形和美 文:高山正寛