LMP1カーによる激しい戦いの幕開け - 世界耐久選手権(WEC)合同テスト
カテゴリー: ポルシェのニュース
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2015/03/30
日本. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のLMP1チームは、3月24日に第二世代へと進化した919ハイブリッドをお披露目した後、2015年の世界耐久選手権(WEC)の合同テストとしてポールリカールで開催された「プロローグ」において4,188kmを走破いたしました。2015年モデルのプレゼンテ―ションでは、エネルギー回生についてポルシェは昨年までの6MJから今シーズンは8MJへ変更することを発表しました。8MJを選択するのはポルシェが初めてとなります。この発表時にはル・マン24時間のために用意された赤と黒、白のカラーリングを纏った919ハイブリッドが登場しいたしました。ル・マン以外の7つのレースにおけるカラーリングは、これまで通り白で統一されます。
WECに参戦するチーム、そしてファンにシーズンの幕開けを告げる2日間の合同テストには、ティモ・ベルンハルト(33歳、ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(25歳、ニュージーランド)/マーク・ウェバー(38歳、オーストラリア)組、ロマン・デュマ(37歳、フランス)/ニール・ジャニ(31歳、スイス)/マルク・リーブ(34歳、ドイツ)組による3人編成の2チームが参加いたしました。919ハイブリッドはすべてのセッションでトップタイムを刻み、全チーム中の最速ラップはジャニが金曜日の夜に記録した1分37秒220でした。
金曜日のテストでは、時折強い風は吹きましたが、太陽が振り注ぐ理想的な気温のもとで行われました。LMP1プロジェクトのトップであるフリッツ・エンツィンガーは今シーズン初めてのWEC公式プログラムに於いて満足した様子で「私たちのクルマが素晴らしく速いということが分かりました。ポールリカールを訪れた方々にロングランにおける力強いパフォーマンスも見せることが出来ました」とコメントしました。
チーム監督であるアンドレアス・ザイドルは「昨シーズンと比較して大きく進化しました。WECのレギュレーションは革新的かつオープンなので、参戦2年目におけるステップアップは期待通りです。もっとも重要なことは、シーズン開幕前に2台のクルマを操る6名のドライバー達と全ての過程をしっかりとチェック出来たことです。ドライバー全員が充分な距離を走りこみ、昼夜を問わず混雑したコースに馴れることもできました。初日は強風に見舞われましたが、予選のシミュレーションを含む予定していたプログラムを全て行い、2日目となった土曜日はロングランに集中しました」と語りました。
ドライバーによるコメント(17号車)
ティモ・ベルンハルト(33歳、ドイツ)
「このプロローグでライバルたちと再会し、どこを強化すべきか改めて認識できたのは喜ぶべきことです。開幕戦のシルバーストーンは我々よりもライバルに有利だと思います。それぞれのマシンが強みを持っているので、戦いは激しくエキサイティングなシーズンになりそうです。昨年は勉強の年と位置付けて開幕戦に臨みましたが、今年はワールドチャンピオンの最有力候補としてシーズンに臨みます。」
ブレンドン・ハートレー(25歳、ニュージーランド)
「我々は全ての面において大きく進化しましたが、それはライバルも同様です。開幕戦は接戦になるでしょう。昨シーズンにポルシェのワークスドライバーとして初めて臨みボディウムに昇ったシルバーストーンは、大好きなサーキットです。特に勇気が試される高速コーナーのコプスは大のお気に入りです。その後にマゴッツからベケッツと続くセクションもいいですね。今は開幕戦が待ち切れません。昨年の最終戦で優勝した勢いを持続して、今シーズン最初のレースを指折り数えて待ちたいと思います。」
マーク・ウェバー(38歳、オーストラリア)
「ポールリカールでチームの皆と再び会えて嬉しいです。初日の風には悩まされましたが、翌日のコンディションは完璧でした。ロングランに集中し素晴らしいパフォーマンスも発揮できました。全員が919ハイブリッドから最大限の力を引き出すべく努力している本当に素晴らしいチームです。2015年、さらに戦いは激しくなるでしょう。シルバーストーンは多くのことを要求してきます。特に第1コーナーとその後は難しいコンビ―ションが続くチャレンジングなコースです。シルバーストーンは純粋なレースとそれを求めるファンのためのサーキットと言えます。」
ドライバーによるコメント(18号車)
ロマン・デュマ(37歳、フランス)
「919ハイブリッドは力強いパフォーマンスを誇ります。もちろんライバルたちも昨年以上に速くなっているので、開幕戦では素晴らしいバトルが期待できると思います。ドライビングもし易くなりチームの全員が準備万端です。イギリスの人々のモータースポーツに対する情熱が感じられるシルバーストーンは大好きなコースです。唯一の欠点をあげるとすれば、あまり太陽が出てこないことでしょう。」
ニール・ジャニ(31歳、スイス)
「ここまでの開発そしてテストは順調に進みましたが、終わりがないのがモータースポーツです。このプロローグに参加したことで開幕戦が僅差の戦いになることも分かりました。私の家族はイギリス在住なので、シルバーストーンは私にとってホームレースでもあります。コースの改修はありましたが、それでもオールドスクールな高速コースであることに変わりはありません。ここ数年、WECレースの観客は増加しているので、その状況が続いていくことを期待しています。イギリス人は本当にモータースポーツを愛していますから。」
マルク・リーブ(34歳、ドイツ)
「我々にとって素晴らしいプロローグでした。2台を同時に走らせることができ、チームも通常のレースウィークエンドと同じように働きました。多くのことを発見し、改善すべき点も見つかりました。本当のパフォーマンスはシルバーストーンまでは分からないでしょう。2014年の開幕戦は序盤でリタイヤし残念な結果に終わりましたが、今年は明確な目標を設定しています。」
同じくWECのGTE-Proクラスに参戦するポルシェ チーム・マンタイの2台の911 RSRとGTE-Amクラスに参戦するデンプシープロトンレーシングとアブダビ プロトンレーシングの911 RSRも、シルバーストーンでの開幕戦に向けてプロローグに参加いたしました。ポルシェ チーム・マンタイの2台はGTE-Proクラスで最多となる計433ラップ、5,971kmを走りました。
911 RSRがワンツー フィニッシュを果たしました昨シーズンの開幕戦の再現をすべく、6名のワークスドライバーがポールリカールでのテストに参加いたしました。マイケル・クリステンセン(デンマーク)とリヒャルト・リーツ(ドイツ)がコンビを組むゼッケン91のポルシェ911 RSRには、ル・マンで3人目のドライバーとして加わるヨルグ・ベルグマイスターが、フランス人コンビのフレデリック・マコヴィッキとパトリック・ピレがドライブするゼッケン92の911 RSRには同じくル・マンでトリオを組むウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)が加わり、テストプログラムを消化しました。またポルシェ ジュニアであるスヴェン・ミューラー(ドイツ)もこのテストで初めて911 RSRをドライブしています。昨年よりポルシェ カレラカップドイツに参戦しているミューラーは、今シーズンの第2戦として開催されるスパ・フランコルシャンにてWECデビューを果たします。
これまで通り、ポールリカールは土曜日にファンのためにサーキットを開放いたしました。サーキットに詰めかけた1万人以上の観客は春らしい陽気のもと、WECのテストを存分に楽しみました。スポーツカーのアイコンである911の第7世代をベースにヴァイザッハで開発されたポルシェ911 RSRは、軽量化コンセプトと洗練されたエアロダイナミズム、そして470馬力の最大出力を誇ります。テスト2日目の土曜にはコンスタントに素晴らしいラップタイムを刻み、冬の間に最適化されたその成果を発揮しました。
特にフロント周りの空力と強化されたシャシーはバランスと限界付近におけるハンドリングの向上に大きく寄与しています。また細かい調整によりドライブトレインの信頼性も上がりました。また新たに採用した給油システムにより、ピット作業時の安全性も高められています。
ゼッケン77の911 RSRでGTE-Amに参戦するカスタマーチームのデンプシーレーシングからは、ポルシェ ワークスドライバーのパトリック・ロング(アメリカ)とマルコ・シフィールド(ドイツ)のみのテスト参加となりました。今シーズン初めてWECにフル参戦するパトリック・デンプシーは「グレイズド・アナトミー」の収録のため、渡仏することができませんでした。「ポールリカールでのテストに参加できないのは本当に残念ですが、パトリックとマルコがチームと力を合わせてシルバーストーンに向けて完璧なクルマを作ってくれることでしょう」と語りました。
ポルシェ チーム・マンタイ メンバーのコメント
ポルシェのモータースポーツ部門GTカテゴリーのトップ、フランク=シュテッフェン・バリサー博士
「予定していたテストはすべて完了しました。車両に関するチェックからレースオペレーションまで、冬の間に準備していたことの確認もできました。チームは素晴らしい仕事をしてきました。シルバーストーンのレースには準備万端で望めます。」
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