▽最高出力 140kW、最大トルク 400Nmの2.0L TDI エンジンを搭載
▽最新のディーゼル技術と排ガス浄化システムで日本のポスト新長期排ガス規制に適合
▽TDI(ディーゼル)、TSI(ガソリン)、GTE(プラグインハイブリッド)から用途に合わせて選択可能
▽プレミアム感あふれるエクステリアと精密な造りのインテリア
▽将来の自動運転を見据えた運転支援システムと多彩な先進安全・快適装備
▽最新のインフォテイメントシステムとコネクティビティ


フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社(代表取締役社長:ティル シェア、本社:愛知県豊橋市、略称:VGJ)は、ミッドサイズセダン/ステーションワゴンモデルの「Passat/Passat Variant」に、最新のディーゼルテクノロジーで、日本のポスト新長期排ガス規制をクリアした「TDI」エンジンを搭載した「Passat/Passat Variant TDI」を本日から全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーで発売します。
今回導入する「Passat/Passat VariantTDI」には、内外装と機能装備を充実させた「TDI Eleganceline」とさらなる上級装備を装着した「TDI Highline」の2グレードをそれぞれのモデルに設定しています。*1 TDIは、VWのターボディーゼルエンジンシリーズの総称です。

▼「Passat/Passat Variant TDI」の全国希望小売価格など(税込)
Passat TDI Eleganceline:4,229,000円
Passat TDI Highline:4,899,000円
Passat Variant TDI Eleganceline:4,429,000円
Passat Variant TDI Highline:5,099,000円

日本国内のディーゼル乗用車市場は2012年以降拡大傾向にあります。昨年は、輸入ディーゼル車の販売好調を受けて、外国メーカー車の年間総販売台数の2割を超えるシェアを占める(JAIA調べ)までに成長しています。中でも「Passat」シリーズが属するミッドサイズ セダン・ワゴン市場は、幅広いディーゼル車を取り揃える輸入車が中心となって市場を形成しています。
今回、VGJが追加導入するディーゼル車の「Passat/Passat Variant TDI」は、こうしたディーゼル車の需要拡大を受けて、ディーゼル車特有の優れた経済性と力強い走りに高い関心をお持ちのお客様のご要望にお応えしてまいります。また、「Passat」シリーズ全体としても、これまでのガソリン「TSI」やプラグインハイブリッド「GTE」に続く、新たなパワートレインとしてラインアップに加えることで、「Passat」シリーズ全体の魅力を訴求してまいります。

「Passat」は、1973年の初代登場以来45年に亘り、「Golf」とともにフォルクスワーゲンの主力商品であり続けている世界的ベストセラーモデルです。2014年に登場した8世代目の「Passat」(日本導入は2015年)は、フォルクスワーゲン グループの生産モジュール「MQB」に基づいて開発されたモデルのひとつで、その高い技術的完成度と卓越した品質、数々の先進安全システムに代表される革新技術が高く評価され、ヨーロッパで最も栄誉ある欧州「カー オブ ザイヤー2015」を受賞しています。

今回追加する「Passat/Passat Variant TDI」のハイライトは、以下の通りです。

◆フォルクスワーゲン最新の新世代ディーゼル、2.0L TDI エンジン

「Passat/Passat Variant TDI」の2リッター、ターボディーゼルエンジン「TDI」は、「MQB*2」に基づいて開発した新世代ディーゼルエンジンシリーズ「MDB(モジュラーディーゼルエンジンシステム)」の基幹ユニットです。この最新のパワーユニットは、最高出力 140kW(190ps)および最大トルク 400Nmという優れたエンジン性能を誇ります。ディーゼル車のメリットである力強い加速に加え、優れたランニングコスト(燃料費・燃費)および低CO2の双方を実現しています。
また、ディーゼルエンジンの課題である排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)についても、排ガス後処理システムとして酸化触媒、SCR(選択触媒還元)、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)などを採用することで、世界的にも厳しい日本のポスト新長期排ガス規制に適合しています。こうした最新技術により、「Passat/Passat VariantTDI」は、次世代自動車のひとつであるクリーンディーゼル車としてエコカー減税対象です。
*2 2012年にドイツで生産を開始した「Golf」から順次、フォルクスワーゲン各モデルに採用している生産モジュールの名称

◆力強くスムーズな加速と低燃費・低CO2の両立

ガソリンエンジンが、燃料と空気の混合気にスパークプラグで点火するのに対して、ディーゼルエンジンは、圧縮行程で高温化した空気に燃料を直接噴射して着火させるため、その圧縮比はガソリンエンジンより高く、噴射する燃料はガソリンエンジンより少なく済みます。これがディーゼルエンジンの高い燃焼効率につながり、ガソリンエンジンよりも効率面で優れている理由になっています。また、「TDI」に採用しているターボチャージャーには、可動式ガイドベーン(排ガスの流れを制御する可変機構)を採用しています。ターボチャージャーのタービン側に装着したガイドベーンをエンジン回転数に応じて以下のように制御することで、過給効率を上げて、効率の良い最適な過給圧を得られるようになりました。

・低回転の状態:開口面積を小さくすることで排気の流速を上げ、過給効率を高める。
・高回転の状態:開口面積を大きくすることで抵抗を減らし、排気圧力を下げ損失を減らす。

以上の事から「TDI」は、ディーゼル特有のメリットを生かした力強い走りで、市街地走行から高速道路を利用した長距離走行まで、高効率でゆとりある走りを満喫できることに加え、優れた燃費性能によるCO2の排出低減など、お客様に多くのメリットをもたらします。

◆日本の厳しい排ガス規制に適合した排ガス浄化システム

高効率なディーゼルエンジンは、数多くのメリットがある一方で、独自の燃焼で生じる排ガスを常にクリーンにするのが大きな課題です。特にディーゼルでは、燃焼温度が高くなると発生するNOx(一酸化窒素や二酸化窒素などの窒素酸化物の総称)と低燃焼時に生成されるPMの2種類があり、「TDI」エンジンでは以下のシステムで、これらの値を低減させ、日本の環境基準であるポスト新長期排ガス規制に適合させています。

(1)コモンレール式燃料噴射システム[NOx減][PM減]

約2000barもの超高圧で燃料の軽油を燃焼室内に直接噴射する電子制御式コモンレールシステムを採用。このシステムは噴射時期の自由度がとても高く、一つの行程中に複数回もの分割噴射ができるため、燃料消費を抑えつつ、燃焼室内の急激な温度と圧力の上昇を防ぎNOxの発生を抑えると共にPMの発生も抑止する理想的な完全燃焼を実現します。

(2)DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)[PM減]

排ガス中のPMを吸着するDPF付触媒を排気管の中に設置することで、DPFに堆積した炭素微粒子が一定量になると、エンジン制御などにより、フィルターの温度を上げるなど、堆積したPMを化学反応により燃焼・除去してDPFのフィルタリング機能を維持すると共にPMの排出を抑止しています。

(3)SCR(選択触媒還元)システム[NOx減]

SCR(選択触媒還元)システムとは、酸化触媒を通過した排ガスに尿素水溶液「AdBlue*3」を噴射することでNOxを化学反応させて、無害な窒素(N2)と水(H2O)に還元する排ガス浄化システムです。AdBlueは専用タンク(13L)に蓄えられ、一定の走行距離ごとに補充が必要になります(*4)。消費の目安は、1,000km走る毎にAdBlueを1.5リットル程度で、AdBlueの残量が少なくなると、走行可能な距離にあわせて4段階にわけて警告音・警告表示でドライバーに残りの走行可能距離を知らせます。
*3 AdBlueは、ドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。
*4 走行状況、環境によって異なります。

(4)EGR(排気再循環)システム[NOx減]

燃焼室内の燃焼温度が高くなるとNOxの発生量が増えるため、一旦排出した排ガスを再びエンジンに環流させることで燃焼温度を下げ、NOxの発生を低減させるのがEGRです。
燃焼室内に吸入する空気に酸素量の少ない排ガスを混ぜることで、酸素より温まり難い二酸化炭素の濃度を高め、燃焼温度の上昇を抑えてNOxの生成を防ぎます。今回導入する「TDI」エンジンは、環流させる排ガスをターボチャージャーの下流から取り出す「低圧タイプ」のEGRを採用しています。このタイプは、ターボチャージャーに作用する排ガスの流量(排気エネルギー)がEGRで損なわれ難いことに加え、ターボチャージャーの過給圧も落ち難いため、優れたエンジンレスポンスも実現できます。また、「TDI」エンジンにはEGRクーラーが付いているため、さらに排ガス温度を下げられるので、より密度の高い排ガスを燃焼室内に送り込み、燃焼温度を抑えられるようにしています。


◆プレミアム感あふれるエクステリアと精密な造りのインテリア

「MQB」の採用によるさまざまな恩恵もあって、「Passat」シリーズは、ショートオーバーハング&ロングホイールベースを実現。伸びやかでダイナミックなプレミアム感あふれるプロポーションを実現。2015年の発売以降、そのクラスを超えた存在感は、「Passat」購入理由のひとつになっています。フロント部分のデザインは、最新のフォルクスワーゲンの水平基調に則り、ラジエーターグリルは3本のクロームバーが真横に伸びています。さらに両サイドには、左右のフェンダーまで大きく回り込んだ立体的なヘッドライトによって、さらに、ワイド&ローな印象が強調されています。
ボンネットやボディサイドには、フォルクスワーゲンが長年培ってきた精緻で堅牢なボディワークが存分に生かされています。ボディの両サイドには、鋭いエッジの効いた彫りの深いキャラクターラインがフロントからリヤに向かって入っており、光と影が創り出す陰影は、フォルクスワーゲンの上質さをダイナミックかつエモーショナルに表現しています。なお、「Passat Variant TDI」のリヤスポイラーは、「同TSI R-Line」「同GTE」と同様の形状とすることで、よりスポーティ感のあふれるステーションワゴンであることを強調しています。インテリアも「MQB」と横置きレイアウト(FF)の利点を生かし、ひとクラス上のモデルをも凌駕する広々とした快適な室内空間を有しています。
さらに、歴代モデルでも好評だった「Passat」の美点のひとつであるラゲージスペースも、セダン:586L、ヴァリアント:650L~1,780Lと、レジャーなどのプライベートユースから大事なお客様を お乗せするビジネスシーンまで、お客様の用途に合わせた幅広いニーズにお応えできます。

◆将来の自動運転を見据えた運転支援システムと先進安全装備

「安全性はすべてに優先する」という創業以来の理念のもと、フォルクスワーゲンは、すべてのクルマに世界トップレベルの安全技術・快適装備を採用しています。「Passat」も同様に予防安全・衝突安全・二次被害防止という3つのステージから成るフォルクスワーゲンの総合安全コンセプト「Volkswagenオールイン・セーフティ」に基づいた数々の安全装備を標準搭載。特に将来の自動運転を見据えた運転支援システムの分野では、先進機能装備を数多く採用しています。
また、パークディスタンスコントロール(フロント/リヤ、前進/後退時衝突軽減ブレーキ機能付)は、前進時および後退時に障害物に近づいて、衝突の恐れがある場合、警告音だけでなく自動的にブレーキを作動させることで衝突を回避または被害を軽減させる機能を備えています。

【主な先進安全装備の全車標準装備例】

▽渋滞時追従支援システム“Traffic Assist”
▽プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”(歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付)
▽アダプティブクルーズコントロール“ACC”(全車速追従機能付)
▽レーンキープアシストシステム“Lane Assist”
▽レーンチェンジアシストシステム“Side Assist Plus”

渋滞時追従支援システム“Traffic Assist”

時速60km/h以下で走行レーンを維持しながら、完全停止まで先行車を追従できるなど渋滞時やストップ&ゴーの多い状況でドライバーの運転を支援し、長距離運転などの運転による疲労を軽減します。レーンキープアシストシステム“Lane Assist”とアダプティブクルーズコントロール“ACC”を統合し、さまざまな機能を高度に連携させることで実現したこのシステムは、将来の自動運転を見据えた運転支援システムのひとつでもあります。

プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist”(歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付)

全速度域においてレーダーで前方の車両と距離を検知。衝突の危険を検知するとブレーキシステムをスタンバイし、警告音と警告灯でドライバーに注意喚起を促します。第二段階では断続的にブレーキをかけ車体を振動させて警告。それでもドライバーが回避操作を行わない場合やドライバーによるブレーキングが不十分な場合、システムが介入し自動で車両を減速させて衝突の被害を軽減します。また、時速45km/h未満で走行中には歩行者検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能が作動します。
*装備はモデル/グレードによって異なります。各モデル/グレード別の装備は後記の主要装備表をご参照ください。


◆最新のインフォテイメントシステムとコネクティビティ

デザイン性、操作性、安全性すべてを兼ね備えた新しい“Discover Pro”の採用によって、従来のナビゲーションの域を超えて車両を総合的に管理し、より快適なドライブを演出します。専用アプリへの対応により後部座席等からも操作ができ、ドライバーが運転に集中し易い環境を提供します。
また、Highlineにオプション設定している12.3インチデジタルメータークラスター“Active Info Display”は、デジタルコックピットならではの先進性あふれる視認性を実現します。

新型のフォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”*5

9.2インチの大型ディスプレイの採用により、地図情報はもちろん、周辺施設情報なども見やすく認識しやすく表示できます。画面の表示ボタンも大きく表示され、操作性にも優れています。
ハードキーやダイヤルを廃した全面フラットなタッチスクリーンは、スマートフォンのように画面上を軽くタッチするだけで反応するセンサーボタンを全面に採用することで使いやすさと先進性を高め、かつタッチスクリーンが車内空間に美しく溶け込む意匠となっています。また、大画面の特徴を生かして、ナビゲーション画面を表示しながらオーディオや電話画面など、見たい情報をHOME画面上に2つの小画面として同時に表示することができます。
また、Highlineにオプション設定している12.3インチデジタルメータークラスター“Active Info Display”は、デジタルコックピットならではの先進性あふれる視認性を実現します。

さらに、ジェスチャーコントロール機能では、手のひらを画面にかざして左右にスワイプするだけで画面操作が行え、画面を注視することなく、安全かつスムーズな操作が実現します。
新型“Discover Pro”は、新しいエンターテイメントアプリ“Volkswagen Media Control”にも対応しています。“Discover Pro”とスマートフォンやタブレットをワイヤレスLAN接続することにより、住所検索、目的地設定、音楽、ラジオの操作を、日頃使い慣れたスマホやタブレットから入力することが可能です。停止中の操作や同乗者操作で設定した目的地を“Discover Pro”に転送して、ナビゲーション設定ができます。
*5 “Discover Pro”はHighlineに標準装備、Elegancelineにオプション設定。各モデル/グレード別の装備の詳細は後記の主要装備表をご参照ください。

新しいフォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム“Composition Media”*6

ハードキーが無い、見た目にもすっきりとしたデザインの8インチ大型タッチスクリーンを採用。
この大型スクリーンが操作性を高めるとともに、“Composition Media”の優れたコネクティビティ機能を際立たせ、“App-Connect”利用時にスマートフォンと接続すると表示される地図情報は、大画面により細部まで見やすさ、わかりやすさが向上しています。
*6 “Composition Media”は、Elegancelineに標準装備。各モデル/グレード別の装備の詳細は後記の主要装備表をご参照ください。