驚くべき「中身の進化」を遂げた2代目はひと味もふた味も違う!

(Report/松下宏 Photo/本田技研工業)
ホンダ フィット プロトタイプ

コンセプト&デザイン

初代のもつ魅力を進化させた
のびのびした外観デザインに

初代フィットはいろいろな意味で魅力的な車だった。小さい車なのに外観がカッコ良くて室内が圧倒的に広く、元気に楽しく走るのに燃費も良いなど、多くの魅力を兼ね備えているからこそ大ヒットした。かく言う私も、デビューした直後にフィットを購入し、その魅力をしっかり堪能した。
今回のモデルも、そうしたフィットがもつ本来的な魅力をすべての面でしっかり確保し、というかさらに進化させたうえで、新しい魅力を追加してきた。
ボディは初代に比べ全長、全幅、ホイールベースが拡大されてひと回り大きくなった。むやみに大きくするのではなく、5ナンバー車の枠に収まる手頃な大きさだ。外観デザインは初代のイメージを踏襲しており、サイズの拡大によってよりのびのびした印象になった。スポーティな外観をもつRSが設定されたのも新しいニュースだ。
室内が広くて明るいのは当然のこと。インパネ回りのデザインは操る楽しさが表現され、クラスを超えた質感をもつ。

ドライブフィール

発進から感じる力強い走り
スポーティな乗り味のRS!

新型フィットには1.3Lと1.5Lの2機種のi-VTECエンジンが搭載される。最初に試乗したのは中心グレードとなる1.3Gだ。テストコースに入るために駐車場から動き出した瞬間、「おっこれは違う」とわかる。
今回のモデルではCVTのホンダマルチマチックがトルクコンバーター付きに変わった。この違いが最もよく表れるのが発進時の力強さで、スムーズかつしっかりした足取りで走り出す。ワインディングコースでは軽快なフットワークとステアリングフィールが好印象だった。初代モデルが硬すぎる感じの足回りとクセのあるステアリングだったことを思い出すと、格段の進化を遂げているのがわかる。
気になる燃費は、ボディの拡大、トルコン、86psから100psへの動力性能向上などの燃費悪化要因をしっかりと消化し、従来と同様の24.0km/Lを確保。これは立派な数字だ。
次に乗ったのは120psへとパワーアップした1.5Lエンジンを搭載するRS。RSはオールドファンには初代シビックを思い出させるスポーティなグレード名だ。
1.3Lに比べると走りの元気の良さに明確な違いがあり、高速でのパワーの伸びが気持ち良い。専用にチューンされた足回りが 高い操縦安定性を発揮する。

POINT

のびのびとした印象が強調される
   スーパーフォーワードキャビン
ホンダ フィット プロトタイプ サイドスタイル
高い操縦安定性を発揮する
   RS専用にチューンされた足回り
ホンダ フィット プロトタイプ リアスタイル
シャーシ系の進化により
   より軽快になったフットワーク
ホンダ フィット プロトタイプ 走り
高い質感と拡い視界をもつ
   広がり感の強いインテリア
ホンダ フィット プロトタイプ インテリア
エアウェイブでも採用された
   スカイルーフもオプション設定
ホンダ フィット プロトタイプ スカイルーフ
新しく設計された骨格を採用し
   座り心地が大きく向上したシート
ホンダ フィット プロトタイプ フロントシート

SPECIFICATIONS(数字は編集部予想)
グレード 1.3G
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション CVT
全長×全幅×全高(mm) 3900×1695×1525
ホイールベース(mm) 2500
最高出力[kW(ps)rpm] 73(100)/6000
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 127(13.0)/4800
10・15モード燃費(km/L) 24.0