新型ステップワゴンの特徴は? 先代との違いや価格、ハイブリッドモデル、中古車情報を徹底解説!
2023/04/17
ホンダ 新型ステップワゴンを徹底解説! どんなモデル? いくらで狙える?
ホンダ ステップワゴンは、3列シート・両側スライドシートを備えたミニバンだ。家族や友人など大勢で出かけられる広い車内をもつ一方、ほぼ5ナンバー規格のサイズ感だから街中でも運転もしやすい。
そんな使い勝手の良いこのクラスのミニバンはみな人気が高く、トヨタ・日産・ホンダという大手3社が重要視する激戦区カテゴリーになっている。ライバルにはトヨタ ノア・ヴォクシーや日産 セレナがある。
この記事では、2022年5月に登場した新型・6代目ステップワゴンがどんなモデルで中古車最新情報はどうなっているのか、詳しく紹介していこう!
【概要】ホンダ ステップワゴンってどんなモデル?
ホンダ ステップワゴンは、ホンダを代表するミニバンのひとつ。同社のミニバンにはラージクラスのオデッセイ(2023年秋から販売再開予定)とスモールクラスのフリードがあり、ステップワゴンはその間のミドルクラスとなる。
ミドルクラスのミニバンは、従来5ナンバー規格(全長4700mm×全幅1700mm×全高2000mm以下)ギリギリに収まっているものが多かったが、最近ではボディサイズが5ナンバーを超える傾向にある。現行型ステップワゴンも、全長4800~4830mm、全幅1750mmとなり、ひとつ上の3ナンバーサイズとなった。
初代(1996年6月~2001年3月)
ライバルが商用バンをベースにミニバンを開発する中、商用バンのなかったホンダはイチから開発しなければならなかった。しかし、それが逆に奏功し、初代ステップワゴンは大ヒットにつながった。
商用バンベースのミニバンはFRレイアウトが主流だったが、ステップワゴンはFFレイアウトを採用。FFの方が空間効率は高いので、同じボディサイズでも室内空間を広くできた。
また、同じFFレイアウトのセダンのようにエンジンを運転席の前のボンネットに収めた結果、ライバルよりも高い走行性能や乗り心地を確保。
こうして広い室内と高い走行性能&乗り心地で一気に人気を得たというわけだ。
2代目(2001年4月~2005年4月)
大ヒットした初代のコンセプトをキープしながら、長所を進化させたのが2代目だ。初代よりさらに室内が広くなり、子どもが乗り降りしやすいよう、ステップも高さも低くなった。
シートアレンジは一気に多彩になり、停車時に2列目シートを反対向きにして3列目と対座できるモードや、運転席&助手席を後ろ向きに回転させて、2列目シートの背もたれを倒してテーブルとして使い、3列目と向き合って食事などが楽しめるモードなども用意された。
2003年6月のマイナーチェンジで、同車の定番となるスポーティモデルの「スパーダ」が設定されたのもトピックだ。
3代目(2005年5月~2009年9月)
「ユーティリティ・ミニバンの空間のゆとり」と「セダンの走りの質」の両立を目指したのが3代目。同社として初めて両側スライドドアを備えたモデルでもある。室内の高さは2代目と同等ながら、フロアの高さを60mm低くして、乗降性を高めた。これは同社独自の低床技術によるもので、車の重心も下がるため「セダンの走りの質」にも寄与。
2代目のように運転席&助手席を後ろに向けることはできないが、2列目と3列目の対座モードは用意された。また、2列目シートは簡単に折り畳めるようになり、3列目シートの乗降や、荷物をたっぷり積む際に便利だ。
先進の安全機能が用意されたのも3代目の特徴のひとつ。当時はまだ、いわゆる自動ブレーキは存在しないが、追突の危険が高まると完全停止はしないもののブレーキが働く追突軽減ブレーキが採用された。その他、前方車と一定の距離を保ちながら追従してくれるので、高速道路での運転が楽になるクルーズコントロールも採用された。
4代目(2009年10月~2015年3月)
クラス最大(デビュー当時)となる室内空間を備えた4代目。3列目シートを床下に格納する方式の採用など、広い室内の使い勝手も高められた。
2列目の中央部を折り畳むことで、1列目から3列目まで自由に行き来できるセンターウォークスルー機能が一部グレードに備えられたのも特徴。
3代目に引き続き、完全停止はしないが、追突軽減ブレーキが採用された。
5代目(2015年4月~2022年4月)
5代目の大きな特徴は、テールゲートの一部を横に開ける独自機構の「わくわくゲート」が設定されたことだろう。後ろに壁が迫る場合など、テールゲートを上に大きく開けられないときは、このわくわくゲートを使って荷物の出し入れができる。
さらに、3列目シートを左右別々に床下へ格納できるので、わくわくゲート側(助手席側)を格納すれば、ここから乗降も可能だ。
また、先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」がオプションで用意されたが、2016年5月に一部グレードを除いて、さらに翌2017年9月のマイナーチェンジでは全車に標準装備となった。
2017年9月のマイナーチェンジで、歴代初となるハイブリッドシステムモデル(後に「e:HEV」と名称変更される)が追加されたのがトピックだ
そして、2022年5月に6代目へとフルモデルチェンジ。
広い室内と使い勝手の良さから人気を集めてきたホンダ ステップワゴンが、最新型でどのような車になったのか詳しく見ていこう。
【進化ポイント】新型ステップワゴンと旧型の違いはコレ!
上記のとおり進化してきた歴代ステップワゴン。では、最新型となる現行型はどんな進化を遂げたのか? ポイントは3つだ。
■車内での快適性が大幅アップ
■パワートレインの進化
■原点回帰のデザイン
先述のとおり、全長4800~4830mm、全幅1750mmと3ナンバーサイズになったステップワゴン。
そのサイズ拡大は車内空間の拡大にもつながり、最新型ステップワゴンの車内はホンダ車史上、最も広くなった。特に乗員の前後のゆとりの指標のひとつ、1~3列目の距離はクラストップの1813mm確保されている。
また、車酔いを防ぐため、3列目シートは位置が高くなり、前方のシートやヘッドレストの形状が見直されたことで、開放的な視界を得られるようになった。
最新型ステップワゴンも、旧型同様2列目シートがセパレートシートの7人乗りが基本で、一部グレードを除いてベンチシート(8人乗り)が選べる。
7人乗り仕様の2列目シートは前後ロングスライドだけでなく、左右にもスライド可能だ。そのため助手席2列目を運転席に寄せることで、幼い子供の世話がしやすいシートアレンジや、2列目の乗員の距離を自由に取りやすいなど、利用シーンに応じて車内をアレンジできる。
用意されたパワートレインは、2つのモーターと2Lエンジンを組み合わせるホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」と、1.5Lターボエンジン×CVTの2種類。
e:HEVは旧型のモデルレンジ途中から採用されていて、WLTC燃費20.0km/Lこそ同じだ。
しかし、新型ではエンジンの徹底したフリクション低減が施され熱効率が向上。それにより、中間加速のレスポンスや走行フィールの向上が図られた。
1.5Lターボ×CVTも旧型と同じだが、ターボチャージャーの応答性が向上して、より爽快な加速感が味わえるようになっている。
ミニバンといえば迫力のある大きなフロントグリルを備えたモデルが主流だが、最新型ステップワゴンではそれらとは一線を画した、シンプルでモダンなスタイリングが採用された。
ライバルや旧型と異なり、ボンネット部分、いわゆるノーズがハッキリとある“箱”が強調されたフォルムが特徴的だ。水平垂直が比較的はっきりした、シンプルでスクエアなスタイリングは、初代や2代目に通じるシンプルなフォルムで、原点回帰とも言えるだろう。
【ラインナップ】新型ステップワゴンは大きく2タイプに分けられる
新型ステップワゴンのラインナップは、大きく「エアー」と「スパーダ」の2タイプに分けられる。従来の標準ボディに相当するのが「エアー」で、スポーティなモデルが「スパーダ」だ。
スポーティモデルである「スパーダ」では、ややフロントグリルが大きくなる。それでもワイド感が強調されているのは「エアー」同様だ。
デザインの好みだけでなく、使う目的や欲しい装備の有無も考慮してタイプやグレードを選ぶようにしよう。
「エアー」は、フロントグリル&ヘッドライトが一直線に並んでワイド感が強調されているのが特徴。
グレードは「エアー」と「e:HEV エアー」の2つのみで、パワートレインが異なるだけで両車の装備はほぼ同じだ。ガソリン車は2WDおよび4WD、e:HEV車は2WDのみのラインアップとなる。
先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」や両側スライドドア、PM2.5などの微粒子も防ぐ空気清浄機能(クリーンエアー)は標準装備される。
エアコンは運転席と助手席でそれぞれ温度調整が可能な左右独立式フルオートエアコンが標準装備だが、ガソリン車の4WDは後席でも調整可能なトリプルゾーンフルオートエアコンが備わる。
どちらも7人乗りが基本だが、オプションで「2列目6:4分割ベンチシート」を装着した8人乗り仕様も選べる。
標準である7人乗りのパワートレインごとの車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:299万8600~324万600円
e:HEV車:338万2500円
「スパーダ」のグレードは、ガソリン車の「スパーダ」「スパーダプレミアムライン」と、e:HEV車の「e:HEV スパーダ」「e:HEV スパーダプレミアムライン」の計4種類。
ガソリン車では4WDを選べるのはエアー同様だが、8人乗り仕様オプションが選択できるのはスパーダのみ。スパーダプレミアムラインは7人乗りしか選べないため注意が必要だ。
いずれも先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」や両側スライドドア、PM2.5などの微粒子も防ぐ空気清浄機能(クリーンエアー)に加え、全列USB(タイプC)充電口やパワーテールゲートが標準装備されている。またエアコンは運転席と助手席に加え、後席でも調整可能なトリプルゾーンフルオートエアコンが備わる。
また、プレミアムラインのみ、対向車などを検知すると瞬時に照射範囲を自動で切り替えてくれるハイビーム機能(アダプティブドライビングビーム)も備えられた。
標準である7人乗りのパワートレインごとの車両本体価格は下記のとおり。
ガソリン車:325万7100~347万7100円
e:HEV車:364万1000~384万6700円
【サイズ・外装】新型ステップワゴンは5ナンバーに近い3ナンバー車
先述のとおり、3ナンバーとなった新型ステップワゴン。「エアー」と「スパーダ」ではエアロパーツの違いでサイズに若干の違いがある。
まず、エアーのボディサイズは全長4800mm×全幅1750mm×全高1840mm(4WDは1855mm)。
一方の「スパーダ」は全長4830mm×全幅1750mm。全高はスパーダの2WDが1840mm、4WDが1855mm、スパーダプレミアムラインの2WDが1845mm、4WDが1855mmとなる。
真正面から見ると、フロントグリルとヘッドライトが一直線に並べられてワイド感が強調されている。また、真横のスタイリングでは、窓の下のラインがヘッドライトからまっすぐ水平に走り、真後ろは細長いヘッドライトが垂直に伸びている。このように水平垂直が強調されていることも“箱感”につながっている。
スパーダはエアーと比べてフロントグリルがやや大きくなるが、それでもワイド感のあるフロントマスクであることに変わりはない。さらに、フロント&リア下部の左右いっぱいに細くダーククロームメッキが備えられ、よりワイド感が強調されている。
また、リアのテールゲートスポイラーやリアバンパーの形状の違いにより、伸びやかさや力強さが表現されている。
【内装・荷室・装備】新型ステップワゴンは広い車内で、使い勝手もいい
サイズやエクステリアに続いて、最新型ステップワゴンの車内を見ていこう。
スイッチはステアリングとインパネ中央にまとめられている。ガソリン車のシフトレバーもインパネ中央部にあるが、e:HEVはレバーの代わりにボタンが備わり、任意のシフトポジションを押して操作する。
車内には、水だけでなく食べ物などの油もはじくので拭き取りやすいホンダ独自の生地「FABTECT」が採用された。この生地はエアーではインパネやドアパネル、3列目サイドパネルに、スパーダにはシートのメイン材として使われている。
インテリアカラー&素材はエアー/スパーダ/スパーダプレミアムで異なる。エアーのシート地はファブリックで、グレーまたはブラック内装が選べる。
スパーダはファブリック+合皮のコンビシートで高級感が演出されている。スパーダプレミアムはスエード調生地が用いられて、さらに上質感が加えられている。どちらも内装はブラックが基調だ。
3列目シートを格納した場合のラゲージ容量は379L、さらに2列目シートを最も前までスライドさせると、フラットなラゲージを1395Lまで拡大できる。
その他、両側スライドドアの外側のスイッチは、押すのではなく“触れる”だけで開閉するタッチ式が採用されている。
先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」も旧型に比べて進化。前走車に自動追従するACCは渋滞時にも対応できるようになった他、新たに後方誤発進抑制機能など4機能が追加された。さらにスパーダプレミアムには、先述のとおりアダプティブドライビングビームが加えられている。
【中古車状況】最新型ステップワゴンの中古車は新車時より高めの傾向
原稿執筆時点での中古車掲載台数は約170台で、平均価格は約370万円、価格帯は約280万~581万円。平均走行距離は約930kmで、最も多い走行距離は1.5万kmだ。登録済未使用車は約90台と5割以上を占める。
ガソリン車とe:HEV車の割合は約6:4でガソリン車の方が多い。また、ほとんどが7人乗り仕様だが、オプションの8人乗りもごくわずかだが見つけられる。
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(6代目・現行型)×全国グレード別に見ると、台数が多いのはe:HEVスパーダプレミアムが2割ちょっとで最も多く、次いでガソリン車のスパーダプレミアム、ガソリン車のスパーダ、e:HEV車のスパーダ、と続く。一方で、エアーはガソリン車の方が多いのだが、それでも1割ほどしかない。
現在、新車の納車目安が、ガソリン車・e:HEV車どちらも1年程度と長いことが影響してか、車両本体価格は新車より高い中古車がほとんどだ。
といっても、フルエアロパーツ装備で500万円前後する物件もあるように、オプションなどの有無で新車時より高くなっているケースが多い。購入する際は、どんな装備が備わっているのか確認して欲しい1台を探すようにしよう。
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(6代目・現行型)×全国※記事内の情報は2023年4月12日時点のものです。
ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。