アルファードが先代なら100万円台後半から狙える? トヨタの人気国産ミニバン、中古車価格や今オススメの買い方・選び方、新型モデルとの違いを解説!
2025/05/03

高嶺の華だったアルファード(3代目)も総額180万円から狙える状況に
4代目(現行型)が登場してから約2年が経とうとしているが、中古車として今まさに旬なのが先代の3代目アルファードだ。
2023年5月の生産終了以来、中古車平均価格は高め水準だったが、ここにきてようやくダウン傾向に。年式や走行距離によっては、総額180万円前後で狙える物件も出始めた。
中古車流通量も9000台を超えるほど充実しており、今まさに狙い目の1台となった。これまで3代目アルファードが欲しかったけど、高すぎて手が出せなかった……という人にはチャンス到来かも。
この記事では3代目アルファードのモデル概要を振り返りつつ、現在の中古車状況をチェックしていく。さらにオススメの買い方・選び方を紹介しよう。

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トヨタ アルファード(3代目) × 全国1.モデル概要:ミニバンとしてでなくトヨタ車としての高級が目指された
トヨタ最大級にして、最高級のミニバンでもあるアルファードは、3代目でひときわ立派になった。
外観はスクエアなフォルムの中でも、抑揚のついたフォルムに。バンパー部分にまで大きく張り出すフロントグリルはインパクト抜群。後の4代目(現行型)にも受け継がれたデザインだ。
全長:4915~4935mm×全幅:1850mm×全高:1880~1950mm(いずれもデビュー時)というボディサイズは先代である2代目よりわずかに長く、幅はほぼ同じ。車高は低くなっているが、同時に低床化も実現されているので、車内高は犠牲になっていない。
余裕あふれる車内空間はアルファード最大の特徴だ。特に2列目キャプテンシートの快適さは格別で、シートサイズはソファのようにゆったりしていて座り心地もよい。クラウンと並ぶトヨタの最高級と言っていいだろう。一部グレードには、最大1160mmものスライド量をもつ助手席スーパーロングスライドシートも装備された。

ローシルエットなフォルムは、アルファード(3代目)の特徴である高い運動性能に寄与している。乗り心地を重視したソフトな乗り味だが、低重心ゆえにハンドリングも外観から想像する以上に機敏。高速道路でも安定した走りを披露してくれる。

搭載されたパワーユニットは2.5Lガソリン、3.5Lガソリンとハイブリッドの3種類。3.5Lガソリンは最高出力280ps(後期型では301ps)を発生する力強いものだ。ハイブリッドは2.5Lエンジンとふたつのモーターを組み合わせたTHSⅡで、四輪駆動のみとなる。

膨大なバリエーションも特徴のひとつ。主なグレードは下記のとおり。
「X」:2.5L車、ハイブリッド車のベーシックグレード。8人乗り
「S」:2.5L車のエアロモデル。7人or8人乗り。Aパッケージ、Cパッケージの設定あり
「G」:2.5L車、ハイブリッド車の中級グレード。7人or8人乗り。
「SA」:3.5L車のエアロモデル。7人乗り。装備内容は「S」Aパッケージと同様。Cパッケージの設定あり
「SR」:ハイブリッド車のエアロモデル。7人乗り。装備内容は「G」と同様
「GF」:3.5L車の上級グレード。7人乗り。
「エグゼクティブラウンジ」:3.5 L車、ハイブリッド車の最上級グレード。7人乗り。
2015年1月~2023年5月の生産期間に何度も変更が実施されたが、最も大きなものは2018年1月のマイナーチェンジ。バンパーなどのデザインが変更されるとともに、3.5L車の最高出力が301psにまで引き上げられた。それまで一部グレードにしか採用されていなかったトヨタセーフティセンスが全車標準となったのも、このタイミングだ。

2.現行型との差異:4代目はさらに大きく、さらに高級志向に
同じアルファードでも、3代目と4代目では全く違う車、といわれることがある。何がそんなに違うのか、ここで明らかにしておこう。
まず外観では3代目が迫力を重視しつつ、精悍さもあるシュッとした顔つきだったのに対して、4代目ではフロントグリルをさらに大型化して一層、力強い表情となっている。4代目のフロントマスクは下部を奥に引っ込めたオーバーハング形状となっているのが特徴だ。

ボディサイズでは4代目と3代目で全幅は一緒、全長は4代目の方が60~80mmほど長く、全高も50mm以上高い。つまり4代目よりも3代目の方が若干コンパクト、かつ低めのシルエットとなっている。4代目ではサイズアップに合わせて車内空間も広くなっているが、駐車場のサイズなどとも照らし合わせて考えるべきところだろう。
続いてパワーユニットだが、3代目で人気のあった2.5Lガソリンエンジンは4代目にも踏襲された。ただし、3.5Lガソリンエンジンは廃止。ハイブリッドは3代目とほぼ一緒の排気量ながら、4代目ではハイブリッド専用エンジンに置き換えられ、バッテリー容量も増やして燃費、出力とも大幅にアップされている。2024年12月にはプラグインハイブリッド車が4代目に追加された。
ちなみに、3代目アルファードとその兄弟車ヴェルファイアの2代目は共通のパワーユニットを使っていたが、3代目ヴェルファイアでは専用に2.4Lガソリンターボエンジンが与えられた。両車の個性がより明確にされた、というところだ。

乗り味は正直なところ、4代目が1世代分、きっちり進化している。これはプラットフォームを一新した影響が大きく、ボディ剛性を大幅に強化した結果だ。ただ3代目の乗り心地が決して悪かったわけではなく、日常的な用途なら十分に満足のいくもの。ハンドリングについても3代目は車重が軽い分、軽やかに感じられる面もある。
最後にグレード構成についてだが、4代目ではガソリン車の「X」がサイドリフトアップチルトシート装着車のみとなるなど、ラインナップがかなり整理された。全般的に価格帯が大きく上昇しており、3代目でも十分に高級だったものが、4代目でさらにクラスアップした印象がある。
なお、2023年6月に登場した4代目は中古車市場にも多くの物件が流通しているが、中古車平均価格は750万円前後とまだまだ高め。買い得感が出てくるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。
3.中古車状況:流通量の増加にともなって価格帯もリーズナブルに
さて、ここからはアルファード(3代目)の中古車状況を見ていきたい。当時の新車価格は319.8万~1607.2万円だったが、現在の中古車価格はどうか?
中古車平均価格はアルファード(3代目)が現行型だった当時、ゆっくりとした下降傾向にあったが、生産終了した2023年5月以降で上昇傾向に。この背景には、4代目の新車納車時期が遅くなっていた影響があるかもしれない。その後、やや下がってから2024年は横ばい。中古車平均価格460万円前後の水準が続いていた。

それが2025年に入ってから、急速にダウン。2025年4月現在は420万円前後にまで下がってきている。また、カーセンサーnetで最も価格の安い物件を見てみると、支払総額180万円前後から狙える状況となっている。
ここにきてようやく相場が下がってきた理由は、おそらく中古車市場での流通量が順調に増えているためだろう。

年式別の分布ではデビュー直後よりも2020年以降の年式が充実している。走行距離別分布では3万~7万kmがボリュームゾーン。3代目の中では比較的新しめの物件が充実しているが、全体のボリュームが多いので、予算と希望に応じたコンディションの物件を選びやすい状況と言えるだろう。

4.中古車のオススメ①:ベーシックグレードでも装備は充実
ニーズ別のオススメモデル、まずは価格重視の場合から。新車当時は憧れの存在だったアルファード(3代目)も、中古車ならリーズナブルな価格で手に入る。
コストを重視したときに最有力候補となるのが、2.5Lガソリン車の「X」だ。最廉価グレードとはいえ、助手席側パワースライドドアが備わるなど装備は充実。さすがトヨタの最高級ミニバンだけのことはある。

そしてパワーユニット別分布において最も供給量が多いのは2.5Lガソリン車だ。ということで、このグレードに絞って検索すると約180台がヒット。
例えば2018年式・走行距離4.9万km・オプションだった両側パワースライドドア付きの物件で総額252.3万円。この年式では先進安全装備のトヨタセーフティセンスが標準となっており、安全性能も中級グレードと変わらない。8人乗りなのでファミリーユースにもちょうど良いだろう。
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トヨタ アルファード(3代目) × 2.5 X × 全国5.中古車のオススメ②:憧れのエグゼクティブラウンジも今なら手に入れられる
どうせアルファード(3代目)を選ぶなら、最高峰のグレードに挑戦してみたい、という気持ち、分かります。アルファード(3代目)で最も高級だったグレードといえば、「エグゼクティブラウンジ」。2列目キャプテンシートを特別な仕立てのエグゼクティブラウンジシートとし、全シートの表皮にセミアニリン本革を採用したゴージャスな仕様だ。

新車当時の価格は652万円~という高価格帯だったが、現在の中古車市場では総額250万円から狙える。走行距離5万km未満の物件に絞っても総額300万円~と、意外なほどリーズナブル。一例を挙げると2015年式・走行距離4万kmの3.5Lガソリン車「エグゼクティブラウンジ」で総額303万円だ。
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トヨタ アルファード(3代目)× エグゼクティブラウンジ × 全国
一方、ハイブリッド車のエグゼクティブラウンジは若干中古車価格帯が上がり、総額310万円前後からのスタート。例えば2016年式・走行距離4.1万kmの「ハイブリッド 2.5 エグゼクティブラウンジ」で総額394.8万円となっている。
この価格で、アルファード(3代目)ならではの高級感を堪能できるなら、むしろ安いと感じられるかも。今ならまだ走行距離や使用頻度が少なめの物件も狙いやすい。
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トヨタ アルファード(3代目)× ハイブリッド 2.5 エグゼクティブラウンジ × 全国※記事内の情報は2025年4月23日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。