セドグロ ▲今回はセドリック/グロリアシリーズ最後のモデルであるY34型にフォーカスします!

伝統の名前をもつ最終モデルも気づけば絶滅危惧種に!

日産のフラッグシップセダンとして長い歴史を誇っていたセドリック/グロリア。もともとは日産自動車のセドリックとプリンス自動車のグロリアというように、異なる車種として誕生した両車ですが、2社が合併したことで1971年に登場した230系からは兄弟車としてその歴史を歩んできました。

そんなセドグロも2004年に販売を終了したY34型をもってその歴史に終止符を打ち、後継車種のフーガにその後を託しています。

そして最後のセドグロとなったY34型も終売からまもなく20年が経過することとなり、気づけば中古車として掲載されている台数も60台ほどとかなり減少してしまってきているのです。

そんなY34型のモデル概要を振り返りつつ、現在の中古車事情を見ていきましょう。
 

セドグロ

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日産 セドリック/グロリア(Y34型)×全国

モデル概要:外観は似ているがキャラクターの異なる2モデル

1999年6月にリリースされたY34型は、セドリックとしては10代目、グロリアとしては11代目のモデルとして登場。
 

セドグロ
セドグロ ▲写真上がセドリックで下がグロリアとなる

先代型はラグジュアリーな「ブロアム」系とスポーティな「グランツーリスモ」系と2つのグレードが両車に設定されていましたが、この世代ではセドリックをラグジュアリーな車種、グロリアをスポーティな車種とモデルごとにキャラクターを変える形となりました。

そのため、エンジンなどのパワートレインやボディ自体は兄弟車として共有しているものの、足回りの味付けは車種ごとに変更されていたことが特徴となっています。

搭載されるエンジンは、先代に設定されていたディーゼルは廃止となり全車ガソリンエンジン。後輪駆動モデルにはV型6気筒のVQ型は3Lのターボ(280ps)とNA(240ps)、そして2.5LのNA(210ps)の3種類が搭載され、4WDモデルには直列6気筒のRB25DET型ターボエンジン(260ps)が搭載されました。

組み合わされるトランスミッションは、当初全車4速ATとなっていましたが、99年11月にV6 3Lターボエンジンに「エクストロイドCVT」と名付けられた無段変速機を組み合わせた仕様をトップグレードとして導入。
 

セドグロ ▲こちらがそのエクストロイドCVT

高級車にうってつけな変速ショックのないCVTを、高トルクなエンジンにも対応できるようにした画期的なトランスミッションではありましたが、トラブルが発生した場合は高額な修理費が必要となることも珍しくないため、購入を検討する人は注意と覚悟が必要と言えるでしょう。
 

セドグロ ▲インテリアも高級感バッチリです

また、当時としては充実かつ上級な装備をもっていたセドグロではありますが、オーディオやエアコンの操作がひとつに集約されたいわゆる「マルチ」を採用していたため、市販のナビやオーディオへの交換が非常に困難であることも念頭に置いておいた方がいいかもしれません。

次に、Y34型セドグロの中古車事情および狙い方を見てみましょう。
 

スポーティ志向ならグロリア、そうでなければセドリックも含め検討すべし

Y34型セドリックの掲載台数は28台で平均価格が54.2万円。グロリアは41台掲載されていて平均価格は63.5万円です。

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このようにすっかり掲載台数も減少し、絶滅危惧種となりつつあるY34型セドグロですが、いまだに安い物件は車両本体価格20万円前後となっているものも存在しています。ただ、これらの物件は初期型の過走行車が中心となっており、決して万人にオススメできるものとは言えないというのが正直なところ。

一方、ある程度カスタマイズが実施されたコンプリートカー的な物件だけでなく、低走行車においても車両本体価格が100万円を超えるものが少なからず存在しており、すでに底値の時代は過ぎ去ったと言っていいでしょう。また、カスタマイズされた車両の多くはグロリアが多い印象です。

中でもターボエンジン(VQ30DET、およびRB25DET)を搭載しているグレードは希少かつ高値安定となっており、状態の良い物件を狙うのであればある程度の覚悟は必要です。

ターボモデルは最も安い部類の物件で総額50万円弱からとなっており、2011年12月以降の後期型かつ走行距離の少なめの車両に関しては、総額100万円を超えるものも珍しくありません。台数の分布はセドリック6台に対し、グロリアは16台とスポーティ志向なグロリアだけあって台数も多くなっています。

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日産 セドリック/グロリア(Y34型)×ターボモデル××全国

また、兄弟車関係にあるセドリックとグロリアですが、Y34型についてはスポーティなスタイルをまとったグロリアの方が人気となっており、先ほどの平均価格からもわかるように若干ながら高値となっています。
 

セドグロ ▲現在流通してないが、オーテックが手がけた特別仕様車のオーテック/AXグレードも存在する

つまるところ、スポーティな見た目や走りを求めるのならグロリアを、そうでないのであればセドリックを含めて程度や予算に合った個体を探すといった狙い方が良いでしょう。

また、ターボモデルに興味がなく、あくまでセドグロのスタイルが好き、という人にはNAモデルがオススメですが、こちらも走行距離が6万km未満の比較的低走行車になると総額60万円前後がおおよその下限となり、さらに好条件の物件となるとターボモデルと大差ない価格となってしまうのは悩ましいところ。

いずれにしてもすでにタマ数が減少し始めているY34型は、2024年には25年ルールの対象となることで、国外へ輸出される可能性もあるモデル。もし、過去に憧れていて気になっているというのであれば、手の届く価格帯に収まっているうちに購入しておくというのもいいでしょう。
 

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※記事内の情報は2023年1月4日時点のものです

文/小鮒康一 写真/日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。