現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアントが欲しいなら、総額160万円からイケる「中古車」にも注目を!
カテゴリー: 特選車
タグ: フォルクスワーゲン / セダン / ステーションワゴン / クルマを選び始めた人向け / スタイリッシュ / お手頃 / パサートヴァリアント / パサート / 伊達軍曹
2023/01/08

場合によっては総額160万円から狙えることも
「いぶし銀的な魅力を放つ欧州製ステーションワゴン」として、一部で根強い人気を誇っている現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアント。
ドイツ車らしいシュアな走りと高い実用性、そして十分なボディサイズに伴う積載性能などから「欲しい!」と思うわけですが、それは決してお安い車ではありません。具体的には、新車で買うとなると、グレードによっては支払総額600万円以上。
しかし、同じ現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアントでも中古車であれば、比較的安いものだと総額160万円ぐらいから、走行距離1万km未満の高年式物件でも総額400万円ほどからイケるのです。
ということで「中古の現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアント」について、そのモデル概要や直近の相場状況を含め、もろもろの詳細をチェックしてみることにしましょう。

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フォルクスワーゲン パサートヴァリアント(現行型)ボディサイズ:マツダ アテンザワゴンと似た寸法の世界的売れ筋
日本市場ではいまひとつ陰が薄い存在に見えるかもしれないフォルクスワーゲン パサートヴァリアントは、世界的には1970年代から売れ筋であり続けているミディアムクラスのステーションワゴン。8代目にあたる現行型は2015年7月に上陸しました。
基本骨格はフォルクスワーゲングループの次世代プラットフォーム「MQB」に刷新され、ボディサイズは先代とほぼ同等の全長:4774mm × 全幅:1830mm × 全高:1510mmですが、ホイールベースは80mm延長されていす。
ちなみにこのボディサイズは、国産車でいうと「マツダ アテンザ ワゴンとだいたい同じぐらい(パサートヴァリアントの方がちょい短く、ほんのちょっと狭い)」といったニュアンスです。

エクステリアで特徴的なのはフロントまわりのデザインでしょうか。水平基調のグリルと、サイドまで回り込んだヘッドライトで構成されたフロントマスクは、この頃から始まった「フォルクスワーゲンの新しい顔」であり、上級感と先進感、洒脱さのようなものが見事に同居しているように思えます。

現行型はホイールベースを大胆に延長したことにより、従来型でも広々としていた居住空間はさらに広大に。後席の足元スペースを中心に、より上級クラスのステーションワゴンと比べてもひけをとらない空間が確保されています。
また、これも以前から定評のあったラゲージスペースも拡大され、荷室容量は650~1780Lとクラス最大級です。

インテリアデザインも、フロントグリルと同様に水平基調のデザインとなるダッシュパネルや、マルチファンクションステアリングホイールとタッチスクリーンを用いたインフォテインメントシステムを採用。
このミディアムサイズのステーションワゴンに、エクステリアデザイン同様の「上級感と洒脱さのようなもの」を与えているといっていいでしょう。

2021年4月にはマイナーチェンジが行われ、フロントとリアのバンパーやラジエターグリルなどが新デザインに。そして「VW」のマークや車名のロゴなども新デザインに変更されました。ボディサイズは、全高と全幅、ホイールベースに変更はありませんが、全長は前期型より10mm長くなっています。
インテリアデザインに大幅な変更はありませんでしたが、全体的にはグッと現代的なイメージに刷新。新デザインのステアリングホイールや、アナログ時計の代わりに置かれたバックライト付きの車名ロゴ、タッチ式になったエアコンのコントロールパネルなどは「後期型の特徴」と言えるでしょう。


パワーユニット:1.4~1.5Lのダウンサイジング直4ターボが基本
現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアントに用意されたパワートレインは下記のとおりです。
【前期型(2015年7月~2021年3月)】
・1.4L 直4ガソリンターボ(最高出力150ps/最大トルク250N・m)+7速DSG
・2L 直4ガソリンターボ(最高出力220ps/最大トルク350N・m)+6速DSG
・2L 直4ディーゼルターボ(最高出力190ps/最大トルク400N・m)+6速DSG
【後期型(2021年4月~】
・1.5L 直4ガソリンターボ(最高出力150ps/最大トルク250N・m)+7速DSG
・2L 直4ディーゼルターボ(最高出力190ps/最大トルク400N・m)+7速DSG
1.4L/1.5Lのガソリンターボエンジンは「必要十分」といったニュアンスで、ゴルフ GTI譲りの2Lガソリンターボは「強烈!」、ディーゼルターボの2Lは「極太トルク!」というニュアンスであると思っておけば、まず間違いありません。

そして前期型および後期型のグレードラインナップは下記のとおりとなっています。
【前期型(2015年7月~2021年3月)】
・TSI トレンドライン:1.4Lガソリンターボのベーシックグレード
・TSI コンフォートライン(2015年7月~2016年11月):1.4Lガソリンターボの中間グレード
・TSI エレガンスライン(2016年11月~2021年3月):TSIコンフォートラインから改称された、1.4Lガソリンターボの中間グレード。
・TSI ハイライン:1.4Lガソリンターボの上級グレード
・TSI Rライン(2015年7月~2016年8月):1.4Lガソリンターボのスポーティグレード
・TSI Rライン(2016年9月~2021年3月):2Lガソリンターボのスポーティグレード
・TDI エレガンスライン:2Lディーゼルターボのベーシックグレード
・TDI ハイライン:2Lディーゼルターボの上級グレード
同じ「TSI Rライン」と名が付くグレードでも、2016年9月を境にエンジンが異なっている点にご注意ください。
【後期型(2021年4月~】
・TSI エレガンス:1.5Lガソリンターボのベーシックグレード
・TSI エレガンス アドバンス:1.5Lガソリンターボの上級グレード
・TDI エレガンス:2Lディーゼルターボのベーシックグレード
・TDI エレガンス アドバンス:2Lディーゼルターボの上級グレード
・TDI Rライン:2Lディーゼルターボのスポーティグレード
先進機能・安全装備:前期型でもひと通りの先進安全装備は全車標準
車格から考えて当然の話ではありますが、現行型フォルクスワーゲン パサートヴァリアントの先進安全装備は、前期型の時点から普通に充実しています。
フォルクスワーゲン初となった歩行者認識機能付きのプリクラッシュブレーキシステムやレーンチェンジアシストシステム、後退時の事故防止のためのリアトラフィックアラート、渋滞時追従支援システム「Traffic Assist」等々からなる「全方位アドバンスド・セーフティ」は全車標準装備です。
そして2017年7月には純正インフォテインメントシステムの機能がアップデートされ、2021年4月からの後期型で運転支援システムがよりいっそう強化されました。前期型に標準採用された渋滞時追従支援システム「Traffic Assist」は後期型で「Travel Assist」に進化し、LEDマトリクスヘッドライト 「IQ.LIGHT」も標準装備されるようになりました。
「Travel Assist」は0~210km/hの車速域において、設定した車速内で前走車との車間および走行レーンの維持をサポートするというもので、「IQ.LIGHT」は、フロントカメラで対向車や先行車を検知し、ヘッドランプに内蔵された32個のLEDを個別に制御するというヘッドライトシステムです。
前期型でも十分な先進安全装備を備えている現行型パサート ヴァリアントですが、後期型では――当たり前の話ではありますが――よりいっそう充実した装備内容に変わっています。

中古車のオススメ①:お安く狙いたいなら総額200万円前後のガソリンターボ
「なるべく安価な予算で現行型パサートヴァリアントを入手したい」と考えているのであれば、支払総額160万~220万円付近を想定予算ゾーンとするのがオススメです。
このぐらいの予算があれば、「ガソリンターボエンジンを積む走行距離5万km以内の前期型中間グレードまたは上級グレード」を十分に狙えます。
最廉価グレードである「TSI トレンドライン」であればさらにお安くイケるのですが、TSI トレンドラインの中古車は流通量がきわめて少ないため、わざわざ頑張って探しだす必要もないでしょう。
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フォルクスワーゲン パサートヴァリアント(現行型) × TSI コンフォートライン & TSI エレガンスライン & TSI ハイライン
支払総額160万~220万円付近で比較的低走行な物件が狙えるグレードと、その主な特徴は下記のとおりです。
●TSI コンフォートライン
・インフォテインメントシステムはDiscover ProではなくComposition Media(オプションでDiscover Proも選択可)
・リアビューカメラはオプション
・パワーテールゲートは設定なし
・標準のシート表皮はファブリック
・ホイール径は17インチ
●TSI エレガンスライン
・TSI コンフォートラインからの改称に伴い、標準のシート表皮がアルカンターラに
・パワーテールゲートも標準化
●TSI ハイライン
・上級グレードゆえ、装備類はいわゆる「全部盛り」
・レザーシートが標準
・ホイール径は17インチが標準だが、オプションで18インチも選択可
・インフォテイメントシステムはDiscover Pro
これら3グレードからどれを選ぶかは「ご縁と物件のコンディション次第」ではありますが、もしも似たようなコンディションであるならば、何かと装備が充実している「TSI ハイライン」を選ぶに越したことはないでしょう。
中古車のオススメ②:走りを堪能したいなら総額300万円前後のディーゼルターボ
1.4Lのガソリンターボエンジンを搭載するTSI コンフォートライン/エレガンスライン/ハイラインでも、普通に使う分には十分な動力性能を備えているといえます。
とはいえ、「せっかくだから、いかにもドイツ車らしい強力な走りも味わいたい」と考える人も多いでしょう。その場合は、総額270万~340万円付近のゾーンで「ディーゼルターボエンジン搭載の前期型」を探してみるのが得策です。
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フォルクスワーゲン パサートヴァリアント(現行型) × TDI エレガンスライン & TDI ハイライン
先代ゴルフ GTIと同じ2Lガソリンターボエンジンを積む2016年9月以降の「TSI Rライン」もオススメしたいところではあるのですが、あいにくそちらの流通量はかなり少なめです。自分にとってちょうどいいあんばいの中古車を探し出すのは、現実的にはかなり難しいでしょう。
しかし、4Lガソリンエンジン並みの極太トルクを発生させる2Lディーゼルターボエンジン搭載グレードであれば、総額300万円前後でそれなりの数が流通していますし、「最大トルク400N・m」ならではの豪快な走りを、いついかなるときも堪能することができます。
総額300万円前後のゾーンで見つけることができるのは、ベーシックな「TDI エレガンスライン」が中心にはなりますが、ベーシックといっても、それは「最上級グレードであるTDI ハイラインと比べれば」という話です。
TDI エレガンスラインであっても、基本的な装備はTSI エレガンスラインと同じく普通に充実していますので、特に大きな不満を覚える箇所はないと思われます。
中古車のオススメ③:総額400万円台前半の「後期型」も捨てがたい
いわゆるコスパで考えるのであれば、コンディションの良い前期型を程よくお安い予算で手に入れるのが“中古車道”の王道ではあります。
とはいえ、「いや、自分は同じ現行型であっても“最新世代のそれ”じゃないと嫌なのだ!」という人もいらっしゃるでしょう。その気持ちもよくわかります。
そんな場合には総額400万円台前半の予算を用意すれば、2021年3月以降の「後期型」、つまり新車で買うのとほぼ同じデザインおよび機能のパサートヴァリアントが入手可能です。
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フォルクスワーゲン パサートヴァリアント(現行型) × TSI エレガンス & TSI エレガンス アドバンス & TDI エレガンス & TDI エレガンス アドバンス & TDI Rライン
流通の中心であるディーゼルターボエンジン搭載グレードの場合、後期型でもエンジン本体に大きな変更はありませんが、トランスミッションが6速から7速のDSGになった点や、「Travel Assist」と「IQ.LIGHT」が装備された点、そしてエクステリアデザインがグッと現代的にリファインされた点は、やはり魅力的であることは間違いありません。
走行数千kmのTDI エレガンスで総額420万円前後という価格自体は決して「格安」ではありません。しかし、総額600万円近くとなる新車価格と比べるのであれば、当然ながら相対的に格安ではあります。「多少高かったとしても、良いモノを長く使いたい」と考えるのであれば、素敵な買い物になることでしょう。
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フォルクスワーゲン パサートヴァリアント(現行型)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
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支払総額373.7万円
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本体価格259.0万円
支払総額272.7万円