【いすゞ ビッグホーンの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどまとめ
カテゴリー: 特選車
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2021/10/24
いすゞ ビッグホーンの中古車は今
現在はトラックなどの商用車専門メーカーであるいすゞ自動車だが、かつては乗用車や四駆を製造する総合自動車メーカーだった。
ビッグホーンはいすゞ自動車ラインナップの中でも、パワフルなディーゼルエンジン、どこか欧州車テイストを感じさせるシンプルなデザイン、洗練された走りで特に人気の高かったモデルだ。
2世代にわたって生産されたが、いすゞ自動車が乗用車生産から撤退したことにより、ビッグホーンも2002年に生産終了した。
初代の現存数はごくわずか。希少性は魅力でもあるが、整備してもらえるところを見つけてから購入するのが現実的。
2代目も中古車流通量は多くない。走行距離多めの物件がほとんどだが、整備を前提とするなら普段使いも可能だろう。
ここではビッグホーンの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。
▼検索条件
いすゞ ビッグホーン × 全国ビッグホーン(初代)の特徴と中古車相場
■ビッグホーン(初代) DATA
生産期間:1984年1月~1991年11月
中古車流通量:約5台
中古車価格帯:90万~150万円
全長:4120~4470mm × 全幅:1650mm × 全高:1815mm
■ビッグホーン(初代)の特徴
いすゞのピックアップトラック「ロデオ」のシャシーを利用し、箱型の四駆に仕上げた「ロデオビッグホーン」として1981年にデビュー。
その後、1984年のマイナーチェンジで名称から「ロデオ」が取れ、「ビッグホーン」となった。
真四角のシルエットに丸目のヘッドランプ、というデザインは当時の初代レンジローバーに似ていて、「和製レンジローバー」との異名も。
ただ、トラックから流用した骨格ゆえ、乗り心地、ボディ剛性、悪路走破性能は決して良好とは言えず、本家レンジローバーはもちろん、トヨタ ランドクルーザーなどの国産四駆にも見劣りする内容だったことは否めない。
デビュー時、ボディはショートとロングの2タイプ用意され、ドアはともに2枚(1985年に4ドア・ロング追加)。ソフトトップ(幌)とメタルトップの2種類が設定された。
エンジンは2.2L 直4ディーゼルと2L 直4ガソリンの2種類だったが、ともに非力で評判は芳しくなかった。
そこで、1984年1月にはディーゼル車にターボが追加されるが、それでも最高出力87psと、現代では考えられない低出力だ。
そうした状況に変化が生じたのは、1987年1月の大規模マイナーチェンジからだ。
フロントデザインが一新され、ヘッドランプを丸型から角型へと変更。ワイドトレッド化により外観デザインに一体感が生まれた。
同時にサスペンションの設計を全面変更、さらにディーゼルエンジンの排気量アップ、ターボ化も敢行。それ以前のモデルとは別の車と言えるほどの大変更となっている。
「イルムシャー」というスポーティグレードと、「エクスポート」というラグジュアリーグレードが設定され、当時の四駆ブームにも乗って人気に一気に火が付いた。
■ビッグホーン(初代)の中古車相場
現在の中古車市場における初代の流通量はごくわずか。
サンプル数が少なすぎるので中古車平均価格の算出は難しいが、一般的な相場は100万円前後といったところだろう。
基本的には後期のモデルほど改良され、エンジン出力や乗り心地が向上していると思って良いが、それでも現代の四駆とは比べるべくもない。
年式が古く、正規ディーラーがない状況を考えると、信頼できる整備工場を見つけてから購入に踏み切った方が良いだろう。
▼検索条件
いすゞ ビッグホーン(初代)× 全国ビッグホーン(2代目)の特徴と中古車相場
■ビッグホーン(2代目) DATA
生産期間:1991年12月~2002年8月
中古車流通量:約40台
中古車価格帯:50万~170万円
全長:4120~4470mm × 全幅:1650~1760mm × 全高:1815~1845mm
■ビッグホーン(2代目)の特徴
2代目の登場当時、三菱 パジェロやトヨタ ハイラックスサーフ、日産 テラノなどのライバルはこぞって角の取れた流線型ボディとなっていた。
だが、ビッグホーンは初代からのボクシー路線を引き継いだフォルムを採用。それがかえって硬派な四駆乗りたちに高評価された。
ボディサイズにおいても独特で、当時のミドルクラス四駆の多くがオーバーフェンダーのない5ナンバー仕様、オーバーフェンダー付きの3ナンバー仕様だったのに対して、ビッグホーンはオーバーフェンダーなしで1745mmとなる3ナンバー専用ボディを採用。
1989年に税制が改正され、5ナンバーと3ナンバーの税額に差がなくなったことを受けてのフルモデルチェンジだった。
このワイドトレッド採用がオンロードでの安定性、車内空間の拡大につながったことは言うまでもない。
また、本格的な4WDシステムやストローク量の長いリアサスペンション、任意にリアのスタビライザーを解除できるスタビライザークラッチ(イルムシャーなど一部グレードに採用)などの機構により、悪路走破性能も高かった。
前期モデルのラインナップは下記のとおりで、全車、乗用車登録だ。
搭載エンジンは3.1L 直4インタークーラーディーゼルターボが主力で、3.2L V6ガソリンエンジンが搭載されたのは「ハンドリングバイロータス」と「イルムシャーRS」のみだった。
・「ベーシック」:シンプル装備の廉価グレードで、ボディはショートとロングの2種類。5速MTまたは4速AT。1993年のマイナーチェンジで「LS」という名称に変更
・「イルムシャー」:硬めの乗り味としたスポーティモデル。ボディはショートとロングの2種類。5速MTまたは4速AT
・「イルムシャーRS」:ショートボディ専用グレードで、V6ガソリンエンジン搭載のホットモデル
・「ハンドリングバイロータス」:ロータスによるサスペンションチューニングが施された上位グレード。ロングボディ専用グレードで、キャプテンシートを採用するなど装備も豪華。1993年のマイナーチェンジで、より豪華な仕様の「ハンドリングバイロータスSE」も追加
モデルライフの中で1995年と1998年の2回、大きなマイナーチェンジが行われた。
中でも1998年のマイナーチェンジはフェイスリフト、ガソリン&ディーゼル両エンジンの変更など、実質的にフルモデルチェンジに近い大規模なものとなった。
■1995年5月 マイナーチェンジ
【エクステリア】
・オーバーフェンダー装着車を新設定
・サイドアンダーミラーを形状変更
【インテリア】
・インパネのデザインを変更
・シートのフルフラットが可能に(レカロシート装着車を除く)
【エンジン・駆動系】
・ディーゼルエンジンの燃料噴射を電子制御化、ターボチャージャーを最適化したことにより、最高出力が125psから135psに向上
・「TOD(トルク・オン・デマンド)」と呼ばれるトルクスプリット4WD機構を一部グレードに採用(その後、採用グレードを拡大)
・走行中に2WDと4WDを切り換えできる「シフトオンザフライ」機構を採用
【グレード】
・オーバーフェンダーを装着した廉価グレード「XSプレジール」を追加
■1998年2月 マイナーチェンジ
【エクステリア】
・フェイスリフトを実施し、フロントグリル、ヘッドランプ、フロントバンパーのデザインを変更
【エンジン】
・ディーゼルエンジンを、コモンレール式燃料噴射ポンプを採用する新開発の3L 直4インタークーラーディーゼルターボに変更
・ガソリンエンジンを3.5L V6に排気量アップし、最高出力を200ps→230psにアップ
【グレード】
・「XSプレジール」の名称を「プレジール」に変更。同グレードにガソリンエンジンを新設定
・TODを搭載したワイドボディ専用グレード「プレジールII」を設定
・「イルムシャー」を廃止。その代わり「プレジール」にスポーツパッケージをオプション設定
■ビッグホーン(2代目)の中古車相場
2代目の中古車市場における流通量は約40台。価格帯は60万円台~90万円台で、年式を考えると妥当なところだろう。
オススメはやはり、エンジンの全面変更やフェイスリフトを受けた1998年2月以降のモデル。
廉価グレードの「プレジールⅡ」にも採用された駆動機構「TOD」は、現代の四駆と比べても見劣りしない優れたメカニズムだ。
コモンレール式ディーゼルはパワフルで洗練されたエンジンだが、自動車NOx・PM法適用地域では登録できないのが残念なところ。
新車当時、ディーゼルが圧倒的な人気だったこともあり、現在の中古車市場でも中心はディーゼル車。
ガソリン車は10代以下の流通にとどまっている。
また、大多数の物件は走行距離10万kmオーバーなので、大規模な整備を前提としたうえで購入すべきだろう。
▼検索条件
いすゞ ビッグホーン(2代目) × 全国※記事内の情報は2021年10月20日時点のものです。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。