スズキ ワゴンR狙いの人は要チェック! 年式で異なる先進安全装備のまとめ
2020/08/31
全くデザインが異なる3つのグレードを用意
1980年代までの軽自動車は、ボンバン(ボンネットバン)と呼ばれた背の低いオーソドックスなスタイルが主流だった。ところが1993年9月に全高を1640mmまで高くした初代スズキ ワゴンRがデビュー。
規格の関係で室内が狭くて当たり前だった軽自動車に、頭上空間を広げることで余裕あるスペースを提供し、社会現象とも言えるほどヒットモデルに。以来、長く日本で最も売れている軽自動車の地位に君臨し続けた。
2010年代に入ると、ワゴンRよりも背を高くしてスライドドアを採用した軽スーパーハイトワゴンが軽自動車の主流になるものの、ワゴンは根強い人気で軽の販売台数ベスト10以内にランクインしている。
軽自動車は標準モデルの他に、エアロで高級感を高めたカスタムモデルを設定するのが一般的。
ところが、現行型ワゴンRは標準モデルのFA&ハイブリッドFX、スポーティな雰囲気のハイブリッドFZ、高級感を高めたスティングレーと、全く異なる3つのスタイルが用意されているのが特徴だ。
そんなワゴンRに先進安全装備が採用されたのは5代目で、2013年7月に低速時の自動ブレーキがオプション設定。以降モデルチェンジや一部改良のタイミングで、より進化した先進安全装備が設定された。
そこで今回は、ワゴンRにはどのタイミングでどんな先進安全装備が搭載されたか、中古車の相場情報とともに時系列で見ていこう。
低速走行時の衝突回避、被害軽減をサポートする先進安全装備を設定
5代目 2013年7月~2017年1月生産モデル
ワゴンRに先進安全装備が初搭載されたのは、5代目の2013年7月改良モデル。初代のデビューから20周年という節目のタイミングだった。
レーザーレーダーを用いたこのシステムはまだ低速域のみしか作動しないが、それでも当時としては画期的なシステムだった。
主な機能は以下のとおりとなる。
■レーダーブレーキサポート[衝突被害軽減ブレーキ]
フロントガラス上部に付いたレーザーレーダーで前方の車両を検知。約5km/hから約30km/hの低速走行中、衝突を回避できないと判断した場合に、自動ブレーキが作動して衝突を回避、または衝突時の被害軽減を図る。
■誤発進抑制機能
前方約4m以内の障害物をレーザーレーダーで検知。停車、または約10km/h以下の徐行中、障害物があるにも関わらずアクセルを大きく踏み込んだ場合に、エンジン出力を自動で抑えて急発進、急加速を抑制する。
その他、高速走行時の急ブレーキを後続車両に知らせるエマージェンシーストップシグナルや、タイヤのスリップや横滑りを抑制するESPもこのタイミングで搭載された。
この時期のワゴンRは先進安全装備がセットオプションという扱いで、搭載されているものはグレード名に「セットオプション装着車」「レーダーブレーキサポート装着車」と表記されている。
なお、特別仕様車である20周年記念車は、先進安全装備が標準装備だった。
5代目ワゴンRの中古車は約2500台流通しているが、先進安全装備が備わるのは110台ほど。そのうち半数はベーシックなFXになる。
総額50万円以内だと走行距離10万km未満、総額50万~70万円あたりには走行距離5万km前後の中古車も多い。
スティングレーは総額50万円以下だと中古車をごくわずかだが、総額70万円まで予算を増やすと走行5万~7万km前後のスティングレーXが見つかる。
ターボのスティングレーTは流通量が少なめで、予算は総額90万円程度見ておきたい。
▼検索条件
スズキ ワゴンR(5代目)×2013年7月~2017年1月生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ搭載×全国フルモデルチェンジで安全性能が大幅に進化
6代目 2017年2月~2019年11月生産モデル
2017年2月、ワゴンRは6代目へとフルモデルチェンジ。先進安全装備は、単眼カメラとレーザーレーダーで前方を監視するシステムを採用。これにより性能が大幅に向上した。
大きな変更点は自動ブレーキ機能の速度域が広がったことと、歩行者の検知も可能になったことだ。
主な機能は以下のとおりとなる。
■デュアルセンサーブレーキサポート
単眼カメラとレーザーレーダーで車や歩行者を捉え、衝突の恐れがあると判断するとドライバーに警告。ブレーキペダルを踏むと踏力をアシスト。衝突の可能性が高まると、自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図る。
■誤発進抑制機能
駐車場などで前方に壁などがあるときにアクセルペダルを強く踏み込むと、最長約5秒間エンジン出力を自動的に抑制し、衝突回避を図る。
■車線逸脱警報機能
走行中に車線を検知し、車線をはみ出しそうになるとブザーなどで警報を出す。
■ふらつき警報機能
走行中に車線を検知し、自車両が蛇行するなどシステムが「ふらつき」検知するとブザーなどで警報を出す。
■先行車発進お知らせ機能
停車中に前の車が発進して約5m以上離れても停車し続けた場合、ブザーなどで警報を出す。
■ハイビームアシスト機能
ハイビームで走行中、先行車や対向車を検知すると自動でロービームに切り替え。対向車などがいなくなると自動でハイビームに戻す。
この世代の先進安全装備は、スティングレーのハイブリッドTとハイブリッドXに標準装備。
スティングレーL、標準車のハイブリッドFZとハイブリッドFXは、「セーフティパッケージ」というパッケージオプション設定になっていた。装着されるものはグレード名に「セーフティパッケージ装着車」と表記される。
また、特別仕様車である25周年記念車は先進安全装備が標準装備だった。
現行型ワゴンRには他にも、運転席前方のダッシュボード上に車速やシフト位置、デュアルセンサーブレーキサポートの警告などを表示するヘッドアップディスプレイや、全方位モニターがオプション設定されている。
この世代のワゴンRの中古車は約4100台。先進安全装備が付いた中古車は、1800台以上流通している。
ハイブリッドFXの中古車は約800台あり、価格帯は総額70万~140万円。低価格帯は走行5万kmを超えるものが多いが、総額110万円くらいから走行1万km以下の低走行車が増えてくる。
ハイブリッドFZの中古車は約270台あり、価格帯は総額90万~160万円。低価格帯でもハイブリッドFXに比べると走行距離は少なめに。
スティングレーはLの中古車はほとんど流通しておらず、ハイブリッドXとハイブリッドTが中心に。ハイブリッドXは約400台あり、価格帯は総額100万~160万円。ハイブリッドTは少し流通量が少なめで約130台あり、価格帯は110万~170万円となっている。どちらもハイブリッドFZ同様に低価格帯でも走行距離は少なめだ。
▼検索条件
スズキ ワゴンR(6代目)×2017年2月~2019年11月生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ搭載×全国先進安全性能の機能が充実
6代目 2019年12月以降生産モデル
2019年12月の一部改良で、ワゴンRの先進安全装備がさらに充実。内容は以下のとおり。
■デュアルセンサーブレーキサポート
■誤発進抑制機能
■車線逸脱警報機能
■ふらつき警報機能
■先行車発進お知らせ機能
■ハイビームアシスト機能
■後退時ブレーキサポート
車両後方にある障害物を超音波センサーで検知し、衝突回避をサポート。透明なガラスも検知できるので、コンビニの駐車場などで威力を発揮する。
■リアパーキングセンサー
超音波センサーで障害物との距離を測り、4段階のブザー音で接近を知らせる。
■後方誤発進抑制機能
後方に障害物があるときにアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジン出力を自動的に抑制して急な後退を防止。
最新のワゴンRは標準モデルのFAに設定される5MT車を除き、先進安全装備が標準装備となる。ただ、FAのCVT車とハイブリッドFXには先進安全装備のレスオプションが設定されている。
先進安全装備が付いていないものには「スズキセーフティサポート非装着車」と表記される。
2019年11月までは、例えばハイブリッドFXと書かれたものは先進安全装備が付いていないが、2019年12月以降は先進安全装備付きに。
表記も“装着車”と“非装着車”と非常に紛らわしいので、購入時は間違えないようしっかり確認してほしい。
この世代の中古車は約750台流通。そのうち、先進安全装備が付いてない中古車は700台ほど。中古車はほとんどが届出済み未使用車で、価格の差は駆動方式と装備の違いと思っていい。
FAの価格帯は総額90万~130万円。ハイブリッドFXの価格帯は総額110万~140万円。ハイブリッドFZの価格帯は総額130万~170万円に。
スティングレーはこの世代からLが廃止。ハイブリッドXの価格帯は、総額140万~170万円。ターボのハイブリッドTの価格帯は160万~190万円となっている。
▼検索条件
スズキ ワゴンR(6代目)×2019年12月以降生産モデル×衝突被害軽減ブレーキ搭載×全国自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL
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