日産 エルグランド ▲今から8年前にはすでに販売終了となっているにも関わらず、直近の「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」で大躍進を果たした2代目日産 エルグランド。その再ブレイクの理由と、これから買う場合の「選び方」を考えてみます!

手頃な予算で狙える唯一のゴージャス系Lサイズミニバン

カーセンサーだけが持っている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。その2019年版で総合10位となり、ミニバンに限って言えば現行型トヨタ アルファードに次ぐ第2位となったのは、今から8年前に新車の販売を終えている2代目の日産 エルグランドでした。


しかも2代目エルグランドは、前年の同ランキングでは37位と下位に沈んでいたのですが、直近の集計ではいきなり、最近の車たちを押しのけて10位にまでジャンプアップしたのです。

いったいなぜ、型遅れとなってから8年もたったミニバンの注目度と競争率が、今さら大幅にアップしたのでしょうか?
 

日産 エルグランド▲こちらが2002年から2010年まで販売された2代目日産 エルグランド。写真は後期ハイウェイスターの特別仕様車

おそらくですが、理由は「2代目日産 エルグランドは今、総額40万円ぐらいからという手頃な予算で買える、日本で唯一のゴージャス系Lサイズミニバンになったから 」ということだと推察されます。

ご承知のとおり昨今は、現行型トヨタ アルファードに代表される「ゴージャス系Lサイズミニバン」が大人気で、多くの人がそれを欲しいと考えています。

しかし、そういったゴージャス系Lサイズミニバンというのは、中古車であってもけっこう高額となるのが通例。例えば現行型アルファードの中古車は、最安値の部類でも総額250万円以上にはなってしまいます。

でも2代目日産 エルグランドであれば――もちろんいろいろな部分が現行型世代のミニバンと比べれば古いとはいえ――写真下のとおりのゴージャスな空間と雰囲気を、前述のとおり総額40万円ぐらいから入手できてしまうのです。
 

日産 エルグランド▲「手頃な予算で狙えるゴージャス系Lサイズミニバン」と言えば同時代の初代トヨタ アルファードも当てはまるわけだが、こちら2代目エルグランドの方が(現行型はさておき、同世代同士で比べた場合は)「押し出し感」「ゴージャス感」のような部分は確実に上回っているように思える

何事においても最高&最新を求めるのであれば、現行型のアルファードやエルグランドを買った方がいいでしょう。しかし「そこまでのこだわりはない」というのであれば、お手頃予算でもイケる2代目エルグランドはかなり狙い目の選択肢。そういった意味で、ここ最近の2代目エルグランドは注目されているのです。

そんなお値打ちな2代目日産 エルグランドをこれから買うとしたら、何年式のどんなグレードを、いくらぐらいの予算で探すべきなのでしょうか? 次章以降、みっちり考えたいと思います。
 

3.5L V6でスタートしたが、途中「2.5L V6」を追加

まずは、2代目日産 エルグランドというミニバン自体についての簡単なおさらいから。

2代目エルグランドは2002年から2010年まで販売された日産のLサイズミニバン。駆動方式はいわゆるFR(後輪駆動)という、自然なハンドリングが味わえる方式が採用されています。

エンジンは3.5LのV型6気筒が基本ですが、途中2004年12月からは「2.5LのV型6気筒エンジン」も追加されました。静粛性に優れるV型6気筒エンジンが2.5Lクラスにも投入されたというのは、他のLサイズミニバンにはない、2代目エルグランドならではの美点です。

グレード構成は、かなりざっくり言うと、

●XL=最上級グレード
●X=上級グレード
●VG=「片側スライドドア」も選べたグレード
●V=廉価グレード
●ハイウェイスター=エアロパーツ&ローダウン系グレード

といった感じです。

最上級グレードであるXLのみ2列目がキャプテンシートとなる7人乗りで、他は2列目シートがベンチタイプとなる8人乗りなのですが、「セカンドマルチセンターシート」というやつを前後にスライドさせることで、様々なシートレイアウトが可能になります。
 

日産 エルグランド▲こちらは最上級グレード「XL」のインテリア。シートはレザー製で、2列目はいわゆるキャプテンシートとなる
日産 エルグランド▲その他グレードの2列目は「セカンドマルチセンターシート」を採用。通常はセカンドシート位置の中央部に置かれて「ベンチシート」的な形になるが、写真のとおり前後に大きく移動させることが可能。そしてそのクッションの真下は大きな収納スペースになっている
 

そして2代目日産 エルグランドを「世代」で分けるなら、下記の3種類に分類することができます。

●前期型(2002年6月~2004年7月)
フロントグリルとヘッドライトが上下分割二段構造になっているのが前期型の特徴です。
 

日産 エルグランド▲ニ段重ねのライト&グリルが特徴となる前期型

●中期型(2004年8月~2007年9月)
ヘッドライトとグリルが上下分割型から「一体型」へと変更されました。リアまわりやインテリアのあしらいも若干変更され、2004年12月からは2.5L V6搭載グレードも追加。
 

日産 エルグランド▲中期型ではニ段重ねのデザインをやめ、一体型に
 

●後期型(2007年10月~2010年7月)
ヘッドライトは1段構造のままですが、グリルは上下分割二段構造に戻されました。
 

日産 エルグランド▲グリルだけを上下二分割に戻したのが後期型
 

狙うべき価格帯はおおむね総額50万~100万円

では、そのような2代目日産 エルグランドの中から今、どのグレードをいくらぐらいで買うのが正解なのでしょうか?

とはいえ、2代目エルグランドはグレードの数があまりにも多すぎて、「グレード別」で細かく物事を考えていくといつまでたっても話が終わらないため、ここはざっくりと「予算別のオススメ選択肢」を考えていくことにしましょう。

【総額50万円以下コース】
総額50万円以下でも2007年10月以降の「後期型」を探すことは可能です。しかし、その場合はどうしても「走行距離が15万km以上」など、条件面が若干ビミョーになってしまうことも多いため、この予算で無理やり後期型を選ぶのはさほど得策ではありません。

総額48万円ぐらいの予算イメージであれば、流通量がきわめて豊富な中期型2.5ハイウェイスターの中から「なるべくコンディションがいいやつ」を地道に探し続けるのが、おそらくは幸せへの近道です。
 

日産 エルグランド▲こちらが中期型のハイウェイスター。少々のエアロパーツを付けたうえで若干ローダウンさせ、そして17インチのホイールを装着している

▼検索条件

日産 エルグランド(2002年5月~2010年7月生産モデル)× 総額50万円以下

【総額50万~80万円ぐらいコース】
このあたりの予算帯になると、同じ2.5Lのハイウェイスターでも08年式以降の後期250ハイウェイスターが選べるようになり、中期型ハイウェイスターだと3.5Lの方も探せるようになります。またハイウェイスター以外のグレードですと、最上級のXLや上級グレードのXも、中期型までであれば射程圏内に。

これらの中からどれを選ぶかはお好み次第ですが、基本的な考え方としては、「流通量豊富なハイウェイスター系の中から、年式や排気量にはさほどこだわらず、コンディションと整備履歴を重視しながら探す」というのが望ましい手法となるでしょう。
 

日産 エルグランド▲写真は中期型の最上級グレード「XL」。ハイウェイスターと比べると落ち着いたイメージとなるこちらのビジュアルを好む人も少なくないはず

▼検索条件

日産 エルグランド(2002年5月~2010年7月生産モデル)× 総額50万~80万円

【総額100万円コース】
総額100万円前後の予算が用意できれば「後期250ハイウェイスター」が十分以上に射程圏内となりますので、ここはもうそれの一択としたいところ。しかし同時にこの予算帯では、「比較的低走行な中期型の2.5または3.5ハイウェイスター」というのも実は魅力的な選択肢となります。

どちらを選ぶべきかは難しいところですが、最終的には「中期顔と後期顔のどちらが好きか?」と、あとは当然ですが「中古車としてのコンディション」を重視しながら決めるしかありません。
 

日産 エルグランド▲写真はまさに後期型の250ハイウェイスター(の特別仕様車)

▼検索条件

日産 エルグランド(2002年5月~2010年7月生産モデル)× 総額80万~130万円

【総額130万円以上コース】
このぐらいの予算を投入すればかなりコンディション良好な中期型または後期型が狙えます。しかしなんと言いますか、2代目エルグランドに130万円以上を投じるのであれば、それを元手に現行型のエルグランドやトヨタ アルファードあたりを買う方がいいような気もいたします。

まあこのあたりの考え方は、個人差がデカい部分であるため余計なお世話なのですが、とりあえず本稿では「該当なし」ということにさせてください。すみません。
 

日産 エルグランド▲現在、2代目エルグランドの最高値は「総額150万円」ぐらい。そのぐらいの予算を投入してみるのも、もちろん悪くはないのだが……

以上、長々と解説してきましたが、「まとめ」としてはおおむね下記のとおりとなります。

●想定予算は総額50万円ぐらいから100万円ぐらい
●手頃な価格帯では「中期型2.5ハイウェイスター」の流通量が多いので、その中から「なるべくコンディションが良いやつ」を吟味する
●総額100万円に近い価格帯では「後期型」までを視野に入れ、流通量の多いハイウェイスター系の中から「なるべくコンディションが良いやつ」を吟味する


リーズナブルな総額で「まずまずいい感じのゴージャス系ミニバン」を買ううえで、本稿が多少なりともご参考になったならば幸いです。
 

文/伊達軍曹、写真/日産自動車

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日産 エルグランド(2002年5月~2010年7月生産モデル)
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。