最近いろいろなSUVがあるけど、結局はこれが王道!「クロカン的SUV」オススメ5選
2020/02/11
SUVの原点にして保守本流
2020年1月20日発売のカーセンサー3月号では「特徴を分けてみれば選びやすい! 今年からSUVがいいじゃない」という特集を展開している。
SUVといえば屈強なクロカン四駆がその原点ではあったものの、現在は他ジャンルと文字どおりクロスオーバー(融合)しながら独自の進化を続けている真っ最中だ。
しかしながら、SUVの原点にして保守本流である「クロカン的SUV」、つまり屈強なラダーフレームと超絶頑丈なボディ等々を採用する本格SUVの魅力は、やはり捨てがたい。
もちろん、舗装路での乗り心地はさすがに乗用車系SUVの方が断然上となる。だが、その気になれば道なき道を行くこともできるクロカン的SUVには、都会派SUVでは絶対に出せない味というか「本物感」があるからだ。
ということで、今注目すべき「クロカン的SUV」5モデルをピックアップしてみよう。
トヨタ ランドクルーザー70(絶版)
「クロカン四駆界の横綱」といえるトヨタ ランドクルーザー。その中でも最もハードな設定のシリーズが、こちら70シリーズだ。
強固なラダー式フレームに頑丈な方式の前後サスペンションを組み合わせ、駆動方式はこの種の車の王道であるパートタイム式4WDを採用。
販売期間は1984年から2004年までだったが、2014年に、70シリーズの発売30周年を記念して期間限定で復活再生産された。そのため、年季の入った低年式車ではなく「割とビカビカな高年式70シリーズ」を購入することもできる。
世の中には様々なSUVが存在しているが、「山奥系」の趣味にSUVを使いたいのであれば、ランクル70シリーズこそが「最も頼りになる相棒」になることだろう。
2020年1月下旬現在、ランドクルーザー70全体の中古車相場は約120万~約490万円とかなり上下に幅広い。再生産前の84~04年式は120万~500万円ほどで、14年式以降の再生産モデルは300万~490万円付近というのが大まかな目安。ただ、再生産世代では少数ながら総額780万円以上の超低走行物件も流通している。
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トヨタ ランドクルーザー70(絶版)×修復歴なし×支払総額あり三菱 パジェロ(4代目)
もしもトヨタ ランドクルーザーをクロカン界の東横綱とするならば、三菱 パジェロは西横綱といったところか。パジェロもまたランドクルーザー同様、世界中のハードな仕事現場やラリーなどで数々の輝ける実績を残してきた名作だ。
こちらはそんな三菱 パジェロの第4世代で、日本国内における「最終型」でもある。搭載エンジンは従来からある3L V6および新開発された3.8L V6でスタートし、途中からディーゼルも追加。なおボディタイプは「ロング」と「ショート」の2種類が存在している。
最終型パジェロもランクル70に負けず劣らず「山奥系」に向いているクロカン的SUVだが、乗り味はこちらの方が洗練されている。一般的な舗装路をスムーズかつ快適に走ることも得意としているクロカン的SUVなのだ。
4代目三菱 パジェロ全体の中古車相場は70万~490万円とかなり振れ幅がデカいが、走行2万kmから6万kmぐらいまでの「程よい感じの中古車」に絞ると、その相場は120万~390万円ぐらい。流通量は、3ドアのショートではなく5ドアのロングの方が圧倒的に多い。
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三菱 パジェロ(4代目)×修復歴なし×支払総額ありスズキ ジムニーシエラ(3代目)
現行型の3代目スズキ ジムニーシエラは、大ヒット作となったオフロード軽四駆「現行型スズキ ジムニー」の小型乗用車版。デビューは現行型ジムニーと同じ2018年7月である。
搭載エンジンは660ccではなく1.5Lの自然吸気ガソリンで、軽自動車規格に縛られていない分だけ、そのスリーサイズはジムニーよりやや大きい。特に全幅はジムニーの1475mmから1645mmへと大幅に拡大されている。
これによりシエラの方はトレッド(左右の車輪間の距離)が広がったため、舗装路を高速巡航する際の安定感と快適性は、トレッドが狭い軽自動車のジムニーより必然的に断然上となっている。
しかしその悪路走破性はジムニーと同等であり、今どきのおしゃれっぽさもジムニー同様。というか黒いオーバーフェンダーの分だけ、シエラの方がよりおしゃれに見えるかもしれない。
ただしその中古車は、人気が高いため240万~350万円付近という結構なプレミアム相場となっており、流通量も決して多めとは言えない。大変素晴らしいクロカン的SUVではあるのだが、中古車ならではの「お値打ち感」が出てくるのはもう少し先になりそうだ。
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スズキ ジムニーシエラ(3代目)×修復歴なし×支払総額ありジープ ラングラー(3代目)
ジープ ラングラーは、第二次世界大戦を舞台とした戦争映画などによく出てくる米軍の軍用車両「ジープ」の直系子孫にあたる本格クロカンSUV。こちらは「JK」という型式名で呼ばれることが多い3代目で、3ドアショートボディの他に5ドアロングボディの「アンリミテッド」もラインナップされた。
さすがは軍用車の末裔だけあってオフロード性能は抜群。そのため、3代目ラングラーのショートボディは「山奥系」の本格趣味人から長く深く愛好されている。だがロングボディの「アンリミテッド」は、悪路走破性はもちろんクラストップレベルなのだが、それと同時に「なんだか妙におしゃれ」ということで、都会派趣味人からも愛用されているSUVだ。
中古車相場は3ドアのショートボディが140万~400万円付近となっているが、こちらの流通量は少なめ。圧倒的多数を占める5ドアのアンリミテッドは、180万~580万円というのがおおむねの相場。マイナーチェンジが行われた2012年以降の後期型アンリミテッドで、なおかつ程よい距離を走っている物件の相場目安は300万~480万円といったところ。
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ジープ ラングラー(3代目)×修復歴なし×支払総額ありメルセデス・ベンツ Gクラス(2代目)
こちらも、元々は1979年にNATO(北大西洋条約機構)に採用された軍用車を民間用にアレンジしたモデル。2018年に登場した現行モデルはかなり現代的なたたずまいと走りに変わったが、それまでの世代はおよそ四半世紀、当初の「元軍用車」から基本部分をほぼ受け継いだまま生産が続けられた。
元軍用車だけあって悪路走行性能も相当なモノだが、この車をそういった用途に本気で使っているユーザーは少ない。どちらかといえば「本格派の高級アウトドアウエアを都市部で着る」というのと似たニュアンスで、都会派のプレミアムSUVファンたちに愛されている。
新車時価格は1000万円超級だった車だけあって、先代Gクラスは「中古車であってもかなり高額」というイメージがある。まぁそのとおりなのだが、「かなり高額」なのは高年式物件に限られる。99年~03年式付近の世代であれば、総額250万~390万円あたりの「まあまあ現実的な予算」でも入手可能なのだ。
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メルセデス・ベンツ Gクラス(2代目)×修復歴なし×支払総額あり自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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