カーセンサーnet上には40万台以上の物件が掲載されている。物件チェックを日課とする筆者が、その中から偶然見つけた「なんだこの中古車は!!」という物件を紹介しよう!

▲今回紹介するのは、2006年式のロールスロイス ゴースト……ではなく、クライスラー 300C。もはや300Cの面影は残っていない ▲今回紹介するのは、2006年式のロールスロイス ゴースト……ではなく、クライスラー 300C。もはや300Cの面影は残っていない

このこだわりよう、半端ない……

車両本体価格585万円は決して安くないし、走行距離は不明。

ネガティブな要素を並べてみるも、気になってしょうがない車を見つけてしまった。

2006年式の『クライスラー 300C』なのだが、パッと見『ロールスロイス ゴースト』そのもの。

いやはや、よく出来ている。

『クライスラー 300C』は『ベントレー コンチネンタルフライングスパー』や『ロールスロイス ファントム』などのレプリカベースとして用いられていることは知っていた。ネット検索をしてみれば、すぐに出くわすだろう。

しかし、『ロールスロイス ゴースト』に仕上げられているものはお初だ。

そして、この完成度は圧巻! 一般的なレプリカは、さほど精巧には作られていない。

当該車両のフロントマスクやヘッドランプ、リアのトランクまわりなど「お見事!」の一言に尽きる。パッと見で「300Cだ」と言い当てられる人は少ないのでは?

▲もちろんロールスロイスお馴染みのボンネットエンブレムもしっかり付いている ▲もちろんロールスロイスお馴染みのボンネットエンブレムもしっかり付いている
▲リアの作り込みも手を抜いていないようだ ▲リアの作り込みも手を抜いていないようだ
▲アルミホイールはロールスロイス純正の20インチを装着 ▲アルミホイールはロールスロイス純正の20インチを装着
▲こちらが本物のロールスロイス ゴースト。ぜひ見比べてみてほしい ▲こちらが本物のロールスロイス ゴースト。ぜひ見比べてみてほしい

さすがにリアドアはゴーストのような観音開きではないし、インテリアは300Cのまんま。

それでも異様な空気感を醸し出している。

しつこいようだが、車両価格585万円は安くない。

それでも写真を見るかぎり、お金をかけて作られたレプリカであることあるに違いない。

ワンオフで作られたボディキットなのか、“本物”のパーツを用いているのか、定かではない。

しかもドアミラーまでちゃんと交換されていることに、前オーナーのこだわりを感じる。

真面目な話、ここまで精巧に作るのであれば、中古車のゴーストを買った方がてっとり早いようにさえ思える……。

そういう意味では当該中古車、安いのかもしれない。

▲ステアリングのエンブレムがRR(ロールスロイス)に変更されている以外は、内装はノーマルのようだ ▲ステアリングのエンブレムがRR(ロールスロイス)に変更されている以外は、内装はノーマルのようだ
▲今回の物件のベースとなったモデル。同じ車とわかる人はほとんどいないはず ▲今回の物件のベースとなったモデル。同じ車とわかる人はほとんどいないはず

「ロールスロイスに乗るなんてすごいですねぇ」なんて周囲から言われるだろうが、サラッと「レプリカだよ! 偽物!」と言える度量が求められるだろう。

見えを張るためのレプリカではなく、とことん突き詰めた大人の遊び心を感じさせる車だ……。

少しでも気になったら、すぐに在庫の有無をチェックしてみてほしい。

それにしても奥が深いぜ、中古車!

text/古賀貴司(自動車王国)
photo/カーセンサーnet、ロールスロイス、奥隅圭之