▲中古で買うにしても400万円ぐらいはしそうなオーラを放っているこの車ですが、実は国産コンパクトSUVの新車を買うのと似たような予算感でいい感じの中古車が買うちゃうこと、ご存じでしたか? ▲中古で買うにしても400万円ぐらいはしそうなオーラを放っているこの車ですが、実は国産コンパクトSUVの新車を買うのと似たような予算感でいい感じの中古車が買うちゃうこと、ご存じでしたか?

多くの人は輸入車の価格を「高い方」に見誤る

筆者の場合は中古輸入車の専門記者をかれこれ20年以上もやっているため、街を行く輸入車を見れば1.7秒ほどで、そのおおむねの中古車相場が脳裏に浮かぶ――という特殊技能をもっている。

だが世の大半の人は(当然だが)そんな技能はもっていないため、しばしば輸入車の価格を見誤る。

それも「高い方向」へと見誤る場合が多い。

特にメルセデス・ベンツである。

過日、筆者よりいくつか年長の友人、つまり50代半ばの友人が寂しそうに言った。

「死ぬまでに一度は新しめのベンツを所有したいと思っているのだが、定年も近い会社員には無理な相談だ。だから先日、某国産コンパクトSUVの見積もりを取ったよ、たはは……」と。

その国産コンパクトSUVはいくらだったのかと聞けば、「総額270万円ちょいで、値引きが入って260万円ぐらいだった」とのこと。

そのためわたしは言った。そのSUVもぜんぜん悪くないとは思うが、260万円も払えるのであれば貴殿は十分「新しめのベンツ」を買えるぞ、中古でも良ければだが、と。

だが年長の友人は信用せず、「そんなのどうせボロい事故車に決まってる」とか、「お前は中古車販売店の回し者か?」などとひどいことを言う。

……仕方ない。疑り深い友人のため、順を追って事実を説明することにしよう。

▲モデルによって細部は異なるが、近年のメルセデス・ベンツのインテリアはおおむのこのようなデザイン。「こういうのに一度は乗ってみたい」という気持ちはわかる。確かに、乗ってみると鬼のように快適だ▲モデルによって細部は異なるが、近年のメルセデス・ベンツのインテリアはおおむのこのようなデザイン。「こういうのに一度は乗ってみたい」という気持ちはわかる。確かに、乗ってみると鬼のように快適だ

走行3万kmぐらいまでの現行Cクラスも総額260万円ぐらいから

わたしが彼に「総額260万円も出せるなら十分買える」と言った新しめのメルセデスとは、現行Cクラスの前期型である。

「……なんだ、小さなCクラスかよ」とか言わないでほしい。

さすがに新しめのSクラスとかを総額260万円で買うのはどう考えても無理な相談だというのがまずひとつ。

そしてもうひとつ、今のCクラスは「CとEの間をとってDクラス!」とでも呼びたくなるぐらい立派なサイズと質感、そして走りの性能を備えたサルーンであるからだ。

で、Cクラスとしては通算4代目にあたる現行モデルの前期型が、先ほど申し上げたとおり、まぁまぁお安いのだ。

もちろん中古車相場というのは同モデルであっても上下に幅広いものなので、上の方は総額580万円とか600万円とか、そのぐらいはする。

だが「下の方」はさほど高くはないのだ。

意外と安いのだ。

具体的には「総額260万円ぐらいから」といったイメージである。

▲こちらが2014年に登場した現行メルセデス・ベンツ Cクラスの前期型。グレードは多岐にわたるが、主に売れ筋となっているのは1.6L直噴ターボの「C180アバンギャルド」と、2L直噴ターボを積む「C200アバンギャルド」▲こちらが2014年に登場した現行メルセデス・ベンツ Cクラスの前期型。グレードは多岐にわたるが、主に売れ筋となっているのは1.6L直噴ターボの「C180アバンギャルド」と、2L直噴ターボを積む「C200アバンギャルド」
▲それまでのCクラス以上に躍動的かつ上質感のあるフォルムが採用され、ボディサイズもそこそこ大柄に。それゆえ、ひとつ上のEクラスとたまに見間違えることもある▲それまでのCクラス以上に躍動的かつ上質感のあるフォルムが採用され、ボディサイズもそこそこ大柄に。それゆえ、ひとつ上のEクラスとたまに見間違えることもある

だがここで当然のように湧き上がってくる疑問は、下記のとおりであろう。

「でもそういった“相場の下の方”のやつは、どうせボロい過走行車とか事故車(修復歴車)とかなんでしょ?」

世知辛い現代社会の中で、そのような不審を抱くお気持ちは理解できる。

だがわたしはそんなモノを人様にすすめはしない。

「総額260万円ぐらいから」であっても、割と好条件な現行Cクラスを探すことはできるのだ。

具体的には、

・走行3万kmぐらいまで
・レーダーセーフティパッケージ付き
・修復歴なし

といったニュアンスである。

……この条件であればグッとくる人もいるかと思うのだが、どうだろうか?

▲「スポーツ」という名前が付くグレードなどの内装はこれと少々異なるが、現行Cクラス前期型のインテリアはおおむねこのようなデザイン。いわゆる上質感は十分以上といえるはず▲「スポーツ」という名前が付くグレードなどの内装はこれと少々異なるが、現行Cクラス前期型のインテリアはおおむねこのようなデザイン。いわゆる上質感は十分以上といえるはず

後期型は確かにいい。でも、これだって十分いいじゃないか!

総額260万円ぐらいといえば、わたしの友人のように「ちょっとした国産SUVの新車」を買うのとおおむね似たような予算だ。

その予算で、まあまあ新しく好条件な「ベンツ」が買えるというのは、悪くない話だと思われる。

だが物事というのは必ず、光があれば影もある。

この場合の「影」は何だろうか?

まず第一に、「総額260万円ぐらいだと上級グレードは買えない」というのがあるだろう。

このあたりの予算感で狙えるのは1.6Lまたは2Lの直噴ターボエンジンを積むC180アバンギャルド、

あるいはC200アバンギャルドで、それ以上のグレードを探すのは難しい。

だが日本の公道で普通に乗る分には、動力性能の面でも装備内容の点でも「C180アバンギャルドまたはC200アバンギャルドで十分」というのが、筆者の偽らざる本音だ。

まぁこのあたりは個人差がデカい部分だが、参考にしていただけたら幸いだ。

第二の影は「微妙に型遅れである」ということだろう。

車に詳しい方はご存じと思うが、現行Cクラスは2018年7月にマイナーチェンジを行った。

マイチェン後のCクラスは前後バンパーやヘッドライト、フロントグリルなどのデザインがよりダイナミックな印象となり、エンジンや運転支援システムもかなりアップデートされた。

なかなか素晴らしい内容のマイナーチェンジである。

▲ちなみにこちらが2018年7月のマイナーチェンジで登場した後期型。車全体の役半分に相当する6500点もの部品が刷新され、C200は1.5L直4ターボ+48V電気系を用いたハイブリッドシステムに変更された▲ちなみにこちらが2018年7月のマイナーチェンジで登場した後期型。車全体の役半分に相当する6500点もの部品が刷新され、C200は1.5L直4ターボ+48V電気系を用いたハイブリッドシステムに変更された

だが、マイナーチェンジ後の後期Cクラスが素晴らしくなったからといって、マイチェン前のCクラスが「素晴らしくはなくなった」ということもないはずだ。

もちろん、前期・後期を横に並べて小姑のようにチェックすれば「後期の方が断然いいね」となるのは必然だ。

だが実際はそんな小姑チェックをする機会などほとんどない。

それ単体で乗っている限りは、前期Cクラスだっていまだに「かなり素敵で上質なサルーン」であることに変わりはないのだ。

もちろん「良質な中古車を選ぶこと」という条件付きではあるが。

以上の意見、つまり「前期型であることが気にならないなら、総額260万円ぐらいから探せる比較的低走行な現行Cクラスを探してみるのはどうだろうか?」という意見を、冒頭に登場した年長の友人にぶつけてみた。

それについてのリアクションはまだないが、これをお読みの貴殿にも、同時にぶつけたいと思う。

なかなか悪くない選択かと思うのだが、どうだろうか?

text/伊達軍曹
photo/ダイムラー

▼検索条件

メルセデス・ベンツ Cクラス(現行型)×3万㎞台まで×修復歴なし×レーダーセーフティパッケージ付き