▲現行型ミニのことを「若作りすぎて、自分には似合わない」と思っている中高年各位は多いかもしれません。しかし本稿の筆者は「ある程度年齢がいった中高年には逆に似合う!」と言います。どうなんでしょうか? ▲現行型ミニのことを「若作りすぎて、自分には似合わない」と思っている中高年各位は多いかもしれません。しかし本稿の筆者は「ある程度年齢がいった中高年には逆に似合う!」と言います。どうなんでしょうか?

40代の若作りは確かにイタい。でも50代後半ともなれば?

人間も40歳または50歳あたりのラインを越えて中高年と呼ばれる年齢になってくると、自動車を含む「身の回りのモノ」を選ぶ際の基準や指針も、若かった頃のそれとは若干変える必要が生じてくる。

様々あるはずの変えるべき基準や指針のひとつは「デザイン」だろう。

例えば洋服で言うと、30代か、せいぜい40代前半ぐらいまでは、20代の頃に愛好していたのと同じような形、同じような色の衣服を着用してもさほどの「イタさ」はない場合が多い。

だが40代も後半ぐらいになってくると……本人は若いつもりでも残念ながらお肌のツヤはなくなり、シワや目の下のくぼみなども目立つようになり、体型もビミョーに年寄りくさくなってくる。そのため、20代の頃と似たような衣服を着用すると途端に「イタい感じ」になってしまうのだ。

それゆえ、多くの人は男性も女性もそのあたりの年齢から「落ち着いたデザイン、落ち着いた色味」の衣服を好みはじめる。その方が、若作りをするよりも逆に(少々だが)若く見えるからだ。

▲もちろんどんな服をどう着ようが人それぞれの自由だ。しかし年齢によって「似合う・似合わない」という問題は確実に存在する。例えば筆者(50歳)が写真上のような着こなしをしても「イタいおっさん」になるだけだ▲もちろんどんな服をどう着ようが人それぞれの自由だ。しかし年齢によって「似合う・似合わない」という問題は確実に存在する。例えば筆者(50歳)が写真上のような着こなしをしても「イタいおっさん」になるだけだ

だがそんな「あえての地味系ファッション」も、そう長いこと続ける必要はない。

ある程度年を取りきってしまうと、つまり「微妙な中年」ではなく「明らかな中高年」になると、派手なデザインや色味も再びそこそこ似合うようになってくるからだ。

似合うようになるというか、正確には「かわいげが出てくる」という感じだろうか。

かなり極端なイメージを用いて説明するなら、48歳のおっさんが18歳のおしゃれ男子と寸分たがわぬ衣服を着ている様はかなり気持ち悪いが、もしも「68歳のおじいちゃん」がそれをやったら、なんとなくカワイイではないか? 68歳はさすがに極端だが、要するにそういうことだ。

「赤いちゃんちゃんこ」を着るかのように、赤いミニに乗れ?

で、話はやっと「中高年にふさわしい車とは何か?」へと戻る。

いきなり結論だが、現行型の「ミニ」はどうだろうか?


▲3世代目のBMW製ミニとして2014年4月に登場した現行型ミニ。3ドアハッチバックが基本だが、途中から5ドアハッチバックも追加。搭載エンジンは1.2Lおよび1.5Lの直3ターボと2L直4ターボの他、2種類のディーゼルターボエンジンも用意されている▲3世代目のBMW製ミニとして2014年4月に登場した現行型ミニ。3ドアハッチバックが基本だが、途中から5ドアハッチバックも追加。搭載エンジンは1.2Lおよび1.5Lの直3ターボと2L直4ターボの他、2種類のディーゼルターボエンジンも用意されている

もともとは英国製の超名作小型実用車だったミニだが、現在のミニは、ご承知のとおりドイツのBMW社が製造販売している「ファッションアイテム」だ。

や、「ファッションアイテムだ」と言い切ってしまうと語弊はあるか。もちろん車としても大変に素晴らしいミニではある。だがそれと同時に「ファッションアイテムとしての機能」もかなり意識されている……ということである。

それゆえミニという車のデザインは全般的に「若作り」であり、内外装の色味も派手系である場合が多い。そしてイメージそのものが「若い感じ」であるため、筆者ぐらいの年齢(50歳)の中高年にとってミニは、実はかなり取り扱い注意なブランドだ。

いい車、ナイスなコンパクトカーであることは間違いないのだが、あまりにも「若い人っぽい感じ」であるため、不用意にそれに乗ってしまうと「イタいおじさん」になってしまう恐れがあるのだ。

それゆえ、45~55歳ぐらいの人には正直あまりオススメしないのだが(もちろんこれは筆者個人の勝手な見解にすぎない。すみません)、もしも貴殿が55歳以上の明白なる中高年であるならば、そろそろ「逆にミニが似合うお年頃」に到達した可能性は高い。

▲筆者ぐらいの年齢(50歳)だとまだ少々中途半端かもしれないが、50代後半ぐらいになってちょっとした「おじいちゃん感」が出てくれば、この感じが逆に似合うようになると思うのだが、どうか?▲筆者ぐらいの年齢(50歳)だとまだ少々中途半端かもしれないが、50代後半ぐらいになってちょっとした「おじいちゃん感」が出てくれば、この感じが逆に似合うようになると思うのだが、どうか?

低走行物件も総額100万円台から十分イケる相場状況

まぁどうお感じになるかは人それぞれだろうが、「うむ、なるほど。もしかしたらミニに乗るのも悪くないかもしれないな」と思っていただけたならば、お次は「じゃあどのミニを買うか?」というフェイズとなる。

基本的には、先ほどちょろりと申し上げた「現行型」が良いのではないかと思う。02年デビューの初代はさすがに古く、現行型(3代目)の中古車相場も程よく下がった今、わざわざ旧型(2代目)を選ぶ意味もさほどないように思えるからだ。

「ミニ」と呼ぶには大きすぎるサイズになった感もある現行型だが、それでも依然として「そこそこ小ぶりで扱いやすいサイズ」であることは確か。目の機能がややあやしくなった中高年でも、取り回しに苦労することはまずないだろう。

お次は「ご予算」だ。もしも「カネがないわけじゃないんだけど、まぁ総額100万円台では収めたいよね、正直」とお考えの場合は、選ぶべきはほぼ自動的に「ワン」というエントリーグレードになる。

▲こちらがエントリーグレード「ワン」の前期型。搭載エンジンは最高出力102psの直列3気筒直噴ターボだが、2018年の初め頃からその排気量は1.2Lから1.5Lへとランニングチェンジされた▲こちらがエントリーグレード「ワン」の前期型。搭載エンジンは最高出力102psの直列3気筒直噴ターボだが、2018年の初め頃からその排気量は1.2Lから1.5Lへとランニングチェンジされた

エントリーグレードといっても、現行型ワンのエンジンは直列3気筒の1.2Lターボに昇格(?)したため、1.4Lまたは1.6Lの自然吸気だった旧型ワンのような「……さすがにちょっと非力かな?」というかったるさはない。高速道路などではむしろ「おっ、なかなか速いじゃないか!」とすら感じるだろう。

実際のワンの中古車価格はもちろん千差万別だが、イメージとしては「走行2万km前後の2015年式が総額180万円ぐらい」といったところ。程よくお手頃で程よくビュンビュン走れる、中高年にとっては悪くない選択だ。3ドアでいくか5ドアにするかは、各自の好みや家族状況などに応じてご判断いただきたい。

だが「もう少しパワフルで、もう少し装備類が充実してる方が好きかな?」と思う場合は「クーパー」となる。

▲同じ3気筒直噴ターボでも排気量1.5Lで、最高出力も136psとなる中間グレードの「クーパー」▲同じ3気筒直噴ターボでも排気量1.5Lで、最高出力も136psとなる中間グレードの「クーパー」

この場合は総額100万円台というのは少々厳しくなり(総額100万円台の低走行クーパーもあるにはあるが、数がやや少ない)、ご予算は「総額200万円から」と見ておくのが無難だろう。イメージ的には「走行2万km前後の2015年式が総額210万か220万円ぐらい」といったニュアンスである。

クーパーであれば3気筒ターボエンジンの排気量は1.5Lとなり、そのトルクは十分以上。ワンでもトルクはまあまあ十分なのだが、「さらに余裕たっぷりなため、やや長距離を走る際にも何かと疲れにくい」というのが、中高年にとってのクーパーの価値だ。

現行型のミニは「特に故障が多い車」というわけではないため、店頭での選び方はごく普通のやり方で、すなわち「内外装がキレイで、走行距離はできれば少なめで、整備履歴がハッキリしている個体を選ぶ」という考え方でOKだ。

ただし「装備」については少々悩むかもしれない。

というのも、ミニは(特にクーパー以上のグレード)はやたらめったらオプション装備の数と種類が豊富なのだ。それゆえ同じグレードの同じような価格でも、実際の中古車に付いている装備類は1台ごとにかなり違う。かなり極端に言えば「……別の車か?」と思うほど異なる場合だってあるだろう。

▲基本的な造形はおおむねこのような感じとなる現行型ミニの運転席まわりだが(ただし写真は本国仕様のため左ハンドル)、ナビの有無やシートの素材、その他細かな部分はオプション装備によって1台ごとに大きく異なるのがミニの特徴▲基本的な造形はおおむねこのような感じとなる現行型ミニの運転席まわりだが(ただし写真は本国仕様のため左ハンドル)、ナビの有無やシートの素材、その他細かな部分はオプション装備によって1台ごとに大きく異なるのがミニの特徴

だが幸いにして、総額100万円台から200万円台前半あたりの現行ミニの流通量は非常に多い。

休日などを利用してなるべく多くのミニと実際にご対面してみれば、自分の好みと予算、重要視する機能、そしてボディカラーなどがおおむね良好にマッチングしている1台が、きっと見つかるはず。

パッケージオプションの内容やアダプティブ・クルーズコントロールの有無などを販売店の担当者に尋ねながら、まるで宝探しのように「自分好みのミニ探し」を楽しんでみるのも一興かと思うが、いかがだろうか?

text/伊達軍曹
photo/BMW、photo AC

▼検索条件

支払総額あり×総額220万円以下×2万㎞台まで×修復歴なし

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支払総額あり×総額220万円以下×2万㎞台まで×修復歴なし