「オープンカーを買うなら花粉飛散の最盛期に限る!」という意外な提案
2018/03/31
「花粉の飛散が終わってから検討する」では時期を逃す
いよいよオープンカーにとって最適なシーズンがやってきた……などと書くと、「こちとら花粉症でえらい目にあってるっつーのに寝言いってんじゃねえよ!」と本気で怒られるかもしれない。
それでも今この瞬間こそが、オープンカーについて真剣に考えてみるべきタイミングである。
なぜならば、車というのは手元に届くまでにそれなりの時間がかかる品物だからだ。
地域による違いはあるが、スギ花粉とヒノキ花粉の超絶飛散が収まるのが4月末から5月半ばぐらい。
そこから「じゃ、気候も良くなったっつーことでオープンカーでも乗ってみるか」と検討を始めると、車種を決め、そして個体の購入契約が完了するのが6月前半ぐらいだろうか。
そこから納車整備やら車庫証明取得やらのモロモロが行われると、あなたの手元にオープンカーがやって来るのは早くて6月半ば、場合によっては6月後半になるだろう。
そうなると、とりあえず本年の前半に快適なオープンエアライフを堪能できるのは正味1ヵ月ほどしかないことになってしまう。
なぜならば、8月ともなると(もちろん地域にもよるが)酷暑のため、オープンカーの屋根を開ける気など完全に失せてしまうからだ。
オススメはズバリ総額100万円以下の輸入オープンカー?
ということで、もしも、あなたが心のどこかで「そろそろオープンカーもいいかな?」なんて思っているのであれば、仮に鼻と目がグジュグジュであったとしても、検討開始すべきは「今」なのだ。
今、とりあえず検討を始めれば、花粉の超絶飛散がおおむね収まる頃あたりにめでたく納車となり、そこから2ヵ月半ほどはスーパー気持ちいいオープンエアライフを送ることが可能になる。
それでも8月になるとやっぱり酷暑でどうにもならなくなるわけだが、それはまぁ日本の関東以西に住んでいる限りは仕方ない話。
いさぎよくあきらめて夏場は屋根をピシッと閉め、秋からまたオープンエアを堪能するほかない。
以上をもって、微妙に古い言い回しで恐縮だが「いつ検討するか? 今でしょ!」ということは十分おわかりいただけたと思う。
残る問題は「じゃあどんなオープンカーを買うか?」である。
本質的な回答としては「好きなモノ、ご予算が合うなら何でもいいんじゃないでしょうか?」ということになるが、それでは若干投げっぱなしすぎるということで、僭越ながらひとつの指針を示したい。
それは「総額100万円以下の輸入オープンカーがいいんじゃないでしょうか?」というものだ。
「屋根が開く」ということのプライスレスな価値
車というのは基本的に(あくまで基本的に)高ければ高いほど「いい感じ」になる機械製品だ。
100万円よりは200万円、200万円よりは400万円の車の方が、性能も乗り心地もビジュアルも、そして快適装備や安全装備の類も、すべてが上だと思ってほぼ間違いない。
それなのになぜ「総額100万円以下」というお安い価格帯のブツをあえてオススメするのか?
それは、オープンカーというのは「オープンカーである」というその事実だけで、オーナーの人生に相当な価値をもたらすからだ。
さほど高額な物件でなくても、とにかく屋根を開けて太陽と風を感じながら走るだけで、実はかなり満足できちゃったりするのがオープンカーという乗り物の特徴。
そのため、総額100万円以下ぐらいの比較的安価な予算でも十分な勝機を見いだせるのである。
そして国産車ではなく輸入車のオープンカーをオススメする理由は、単純に「その方が選択肢が豊富だから」だ。
オープンカーの本場(?)はヨーロッパまたは北米であるため、どうしたって輸入オープンの方が選べる車種の数は多い。
まぁそれだけの理由なので、もしも国産オープンでドンピシャなブツが見つかるなら、もちろんそれでもOKだ。
で、例えばこんな総額100万円以下系輸入オープンはいかが?
それでは具体的な候補車種を見てみよう。生活状況から考えて「2人乗りでもノープロブレム」と思うのであれば、例えば初代BMW Z4だ。
2代目Z4は電動メタルトップを備えるタイプに変わったが、こちら初代はクラシカルな幌のトップ。そこが逆にシブいと思えるのであればナイスな選択肢だ。
特にハンドリング性能がかなり素晴らしいので、「運転好き」の男女には猛烈にオススメしたい。総額90万円前後で走行5万km付近の個体が探せるはずだ。
これまた2人乗りでも問題ないのであれば、いっそ「ポルシェ」を買ってしまうという手もある。
総額100万円以下で狙える初代ポルシェ ボクスターの数はやや少なめだが、それでも総額90万円台で探すことは十分可能。
その価格帯の物件はさすがに若干のヤレが散見されるケースも多いが、それでもちゃんと整備されてきた個体であれば、ポルシェならではの重厚でシュアな乗り味はまだまだ堪能できる。
ある程度の整備用貯金もプールしたうえでチャレンジしてみたい選択肢だ。
ややのんびり走りたい人が2シーターオープンを探すのであれば、初代メルセデス・ベンツ SLKクラスが最適だろう。
形はスポーツカーっぽく、実際スポーティにも走れる車だが、この車の本領はいかにもメルセデスらしく鷹揚(おうよう)に走る際に発揮される。
ポルシェの重厚さとはまた違うメルセデス流の重厚な感触は、けっこうクセになる味わい。総額60万~90万円あたりで、走行距離がさほど延びていない個体が探せるはずだ。
とはいえ「2人乗りはちょっと……」という人も多いだろう。その場合はBMW 3シリーズのカブリオレでどうだろうか。
同時期の3シリーズ クーペをベースに作られたオープンカーなので、後席も成人2人がまあまあの余裕を持って座ることが可能。
エンジンは自然吸気の3L DOHCで、これがまたいかにもBMWらしいかなりの快感エンジンだ。
ある程度の整備予算も確保したうえで狙いたい車ではあるが、とりあえずの予算は総額80万~100万円ぐらい。整備履歴がなるべく充実している個体を探すと、おそらくは幸せになれるだろう。
以上、「輸入車の」「しかもオープン」という比較的ニッチな話であるため、もちろん全員にこれらをオススメするわけではない。
だが、もしもあなたが「人生1回ぐらいはオープンカーがある生活をしたいものだよね……」と薄々思っているのであれば、まだまだ花粉が飛散しているこの時期から、花粉をシャットアウトした自宅内にて検討開始することをオススメしたいのだ。
▼検索条件
BMW Z4(初代) /ポルシェ ボクスター(初代) /メルセデス・ベンツ SLKクラス(初代) /BMW 3シリーズカブリオレ(2代目)×総額100万円以下×修復歴ナシこの記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(後編)
- 【総予算100万円!】格安90’sミニバンを自分仕様に仕上げて遊ぶ(前編)
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
- 「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(後編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(中編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(前編)