総額100万円ちょいには絶対見えない旧型メルセデス・ベンツ SLK。で、その選び方は?
2017/09/12
そのビジュアルはほとんどIPO長者風?
R170こと初代メルセデス・ベンツ SLKクラスは古来より(?)激安ガイシャの一つとして多くの人に知られている。しかしその次世代型、R171こと旧型SLKクラスも実は昨今、かなりお手頃な相場になっていることをご存じだろうか?
具体的には、走行2万km~4万km台というまずまず好条件な物件が、支払総額100万~150万円程度にて狙えてしまうのだ。
ここで今一度、旧型SLKクラスの画像をご覧いただこう。
……これが総額100万円とか、せいぜい150万円ちょいとかなのだ。まぁ筆者のような中古車道の猛者から見れば安価な中古車であることはバレバレなのだが、そうではないフツーの人からは「……この人はIPO長者なのだろうか?」と勘違いされることはほぼ間違いないだろう。
かようにステキな旧型メルセデス・ベンツ SLKクラスは、その雰囲気面だけでなく、実際乗ってみてもなかなかステキな車だ。純スポーツカーっぽい走りではないが、いかにもメルセデスらしい落ち着きとスポーティな躍動感が上手く同居している。
もちろん「2人しか乗れない」というある種の欠点はあるわけだが、もしもそこがノープロブレムであるなら、なかなかの狙い目と言えよう。ということで次章以降、「では何をどうやって選ぶべきか?」という具体的な問題について考えてみたい。
総額100万円ちょいからイケるのはこの2グレード
支払総額100万~150万円あたりで狙える旧型メルセデス・ベンツ SLKクラスは、主に以下の2群に集約される。
■第1群:04~06年式 SLK350
これは最初期から存在するグレードで、当時最新だった3.5Lの自然吸気V6 DOHC、マニアックに言うと「M272」というエンジンを搭載している。トランスミッションは7速AT。この価格帯における流通の中心はこちらSLK350だ。
■第2群:06~08年式 SLK200コンプレッサー
こちらは06年2月に追加されたグレードで、搭載エンジンは1.8Lのスーパーチャージャー付き直4 DOHC。トランスミッションは7速ではなく5速タイプのATを採用。この価格帯での流通量は、SLK350と比べるとやや少なめとなる。
その他、05年8月から追加されたSLK280(自然吸気の3L V6搭載)も希に見かけるが、本当に希なので、これについては無視して構わないはず。
ということで総額100万円ちょいで旧型メルセデス・ベンツ SLKを狙う際の選択肢は、「ちょい古めのSLK350か?」と「それよりは少々新しいSLK200コンプレッサーか?」という二択になる。
では次章、それぞれの中古車相場や個性などを詳しく検討してみよう。
相場とキャラの違いから考えると、選ぶべきはどちらのグレード?
まずは肝心要の「相場」はどうなっているのか?
■SLK350:総額100万~160万円
■SLK200コンプレッサー:総額140万~170万円
上記はあくまでも目安だが、おおむねこんなモンである。3.5L V6を積むSLK350の方が、2L+スーパーチャージャーのSLK200コンプレッサーよりも傾向としては安いわけだが、これは前章で触れた「年式」が関係している。
総額100万円台前半で狙える旧型SLKのうち、SLK350は04~06年式で、片やSLK200コンプレッサーは06~08年式。両者は最大で4年分の差があるわけで、それゆえどうしてもSLK200の方が高めの値付けになるのである。
ちなみにこの価格帯における両群の走行距離は、SLK200コンプレッサーの方が年式的に新しい分だけ少なめという傾向はあるが、全体としては「ほぼ似たようなもの」といえる。
お次は両者の「キャラ」を考えよう。豪快な走りを堪能したいなら、狙うはやはりSLK350になる。35.7kg-mの大トルクがもたらす加速はさすがに強烈ゆえ、ある種の満足感に浸れるはずだ。
しかし「軽快感」を求めるならSLK200コンプレッサーも悪くない。SLK350のような迫力にこそ欠けるが、普通に使う分には十分以上のパワーおよびトルク。そして標準ホイール径が17インチとなるSLK350と違いこちらは16インチなので、足元に軽やかさのようなものがある。
どちらを選ぶべきかは悩ましいところだが、ここはもう「好みの問題」と言うしかない。
最後に維持費の問題。税金に関しては当然ながら排気量3.5LのSLK350の方が割高だが、「故障問題」については両者とも比較的優等生と言える。そりゃまぁ中古のガイシャなので、乗っているうちに何らかの故障が発生するケースもあるだろうが、両者とも特に「壊れやすい弱点だらけの車」というわけでは決してない。
購入時は記録簿の記載内容を確認したうえで試乗し、エンジンフィールやステアフィール、そしてバリオルーフの作動状況などに問題がなかったならば、そうそうドツボにはまることはないと思われる。まぁ強いて言えばV6+7速ATのSL350の方が、比較的シンプルな5速ATを採用するSLK200コンプレッサーよりも、いざ壊れたときには大変……とは言えるかもしれない。が、ここは実際にはケース・バイ・ケースなので、何とも断言はしづらい部分だ。
以上の考察をベースに、後は各自の好みや予算に応じて選んでいただければと思う。参考までに「筆者ならばどちらを選ぶか?」ということを申し上げると、わたしならとりあえずSLK350を選ぶ。理由はカンタンで、「350の方が流通量が多いから」だ。なるべくたくさんの物件を比較検討し、そのなから「当たりの1台」を探し出したいのである。
もちろんその過程でたまたま「当たりのSLK200コンプレッサー」に巡り合ったなら、そちらを買うかもしれない。中古車というのは、ハナからグレードを決めつけるよりもそんなニュアンスで探した方が、結果としてはシアワセになれるはずだと筆者は考えている。
【関連リンク】
あわせて読みたい
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- 小沢コージが自動車界の勇者・救世主を探すべく「激レア変態車」の取引現場、白金の魔窟を直撃!【カーセンサーニッチ】
- メルセデス・ベンツの“異端児”CLAシューティングブレークに乗るとテリー伊藤に胸毛が生える!?
- おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
- 「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
- 本場ドイツの名門レース「DTM」が、再び注目を集めるワケ!【EDGE MOTORSPORTS】
- 絶版クラシックモデルが今でも現役、オーバークオリティで時代を先導するセダンの最高峰 メルセデス・ベンツ Sクラス【Back to Sedan】