▲超高級車、日本代表。

総額100万円台でも狙える

中古車を買う、という行為には様々な魅力があります。しかし、大前提には「新車よりも低予算で買える」というのがあると思います。厳密には中古車は一物一価なので、新車とは比べられません。しかし、新車時は高値の花だったモデルも、時間の経過とともに身近な存在になります。当然、中古車相場は需要と供給によって形成されていますから、いわゆる“値落ち”はそれぞれの車によって異なります。

そんな背景を踏まえ、新車時から一般の方が購入を考えない、かつ中古車市場においても“見逃された”感がある日産 プレジデント(最終型)に注目してみました。「そんな身分じゃ……」とか「自分で運転するような……」とか考える必要ありません! 要は大型セダンなんですから、ファミリーカーとして乗ってしまえばいいんです。広い室内、広いトランク、実に使い勝手に優れています(笑)。

全長は5060mmで泣く子も黙る威風堂々とした佇まいです。運転しにくい? いやいや、最小回転半径は5.3mですから、同時期の旧型どころか現行型のセレナよりも小回りが利きます。無駄に大きい? 仰るとおり。それが昔から変わらぬ高級セダンの証、です。

回転寿司の美味さを語るには“回らない寿司”の美味さも同様に知らないと、その良さを本当に語ることは難しいでしょう。知らなくてもいいよ、と言われればそこまでですが、車がある生活における“豊かさ”をお手頃な価格で垣間見られると思えばお得感も増すというものです。

気になるお値段ですが、カーセンサーアフター保証対象車でも総額200万円以下で狙えます。アフター保証を付けておけば、万が一のトラブルでも保証範囲内なら修理代を負担せずに済みます。

4.5L V8エンジンがもたらす図太いトルク、異次元の静粛性、贅を尽くした車内の快適性、どれをとっても抜群のコストパフォーマンスです。それでいて高級輸入車よりも見かける機会は少なく、差別化も図れます。まさに「破格」と言えるでしょう。

▲インパネまわりはベース車であるシーマと共通な雰囲気。とはいえ、シーマ自体も高級車ですから、何ら不満はないでしょう ▲インパネまわりはベース車であるシーマと共通な雰囲気。とはいえ、シーマ自体も高級車ですから、何ら不満はないでしょう

リアに座る人を最優先に考えられた1台

言わずもがなプレジデントは、トヨタ センチュリーとともに日本を代表する超高級車でした。その歴史は1965年にまでさかのぼり、デビュー当時はセンチュリーの販売台数を大幅に上回っていました。ただ、センチュリーが専用設計だったのに対して、プレジデントは代を重ねるごとに“流用”というスタイルが色濃くなっていき、2010年をもって絶版となりました。

今回、取り上げたプレジデントは4代目にあたるモデルで、2003年にデビューしました。ベースとなっているのは弟分にあたるシーマの4.5Lモデルでした。ハードウエアはシーマの上級グレードからの流用ですが、リアシートに座る人を最優先に考え抜かれた1台に仕上がっています。

遮音材がシーマよりも多く使われているゆえに、プレジデントの車内は格段に静かです。5人乗り仕様だけでなく、飛行機のビジネスクラスのような4人乗り仕様もあります。4人乗り仕様には「助手席前方格納シート」(5人乗り仕様ではオプション)と呼ばれるものが装備され、格納こそされませんがダッシュボード付近まで助手席がスライドし、後席にリムジンのようなレッグスペースが生まれます。

ロングドライブに出れば、その快適さに時間の経過を忘れるほどです。近所まで出かける際でも、大衆車とは違う異空間での移動に気持ち良さがあります。そして、誰を乗せても不満を漏らすことはないでしょう。

▲「助手席前方格納シート」(5人乗り仕様ではオプション)と呼ばれるものが4人乗り仕様には装備され、ダッシュボード付近まで助手席がスライドします ▲「助手席前方格納シート」(5人乗り仕様ではオプション)と呼ばれるものが4人乗り仕様には装備され、ダッシュボード付近まで助手席がスライドします
▲世界の高級セダンがそうであるように、大柄なボディで全長は5060mmあります。しかし、小回りが利くので“構える”ほど運転しにくいことはありません ▲世界の高級セダンがそうであるように、大柄なボディで全長は5060mmあります。しかし、小回りが利くので“構える”ほど運転しにくいことはありません

維持費は高いけどそれに見合う価値はあるはず

カーセンサー掲載物件の平均車両価格は約125万円(2015年8月1日現在)。多少の上下はあるもののこの3ヵ月、さほど変わっていません。“底値安定”と捉えていいでしょう。

問題は掲載台数にあります。最終型プレジデントはモデル全体で32台しか掲載されておらず、総額200万円以下のアフター保証対象車となると9台しかありません。少しでも気になる物件を見つけたなら、早めの行動をオススメします。

プレジデントは大排気量セダンですから自動車税、重量税、燃費などの維持費はコンパクセダンよりはお金がかかるのは事実です。例えば2.5L車の自動車税が4万5000円なのに対して、プレジデントは4.5L車なので7万6500円です(新車登録から13年経過した場合10%割増)。でも月額で考えたらプレジデントが2625円高いにすぎません。

燃費も同時期に販売されていた旧型スカイライン2.5Lモデルと比較すると10・15モードで約1.5倍の差はあります(旧型スカイライン 250GT:11.2km/L|最終型プレジデント:7.8km/L)。スカイラインで1万円のガソリンを毎月使う運転スタイルなら、プレジデントは1万5000円となります。

この差額を多いと見るか、許容範囲と見るかは人それぞれでしょう。ただ、プレジデントは、この差額に見合うだけの運転する気持ち良さ、満足度の高さをもたらしてくれると思います。

▼検索条件

日産 プレジデント(最終型)×総額200万円以下×CSA保証対象車
※プランでCSA保証を付けた場合、総額200万円を超える場合があります