▲後付け可能な車いす仕様車キットを取り付けたホンダ N BOX+。車椅子を載せない時は普通のN BOX+として使える。そもそもの車いす仕様車タイプと違い、ターボ車が選べるとあって人気 ▲後付け可能な車いす仕様車キットを取り付けたホンダ N BOX+。車椅子を載せない時は普通のN BOX+として使える。そもそもの車いす仕様車タイプと違い、ターボ車が選べるとあって人気

通勤や買い物など日常生活で普通に使える

数多くの福祉機器とともに最新の福祉車両が集まった「第41回 国際福祉機器展」。10月1日(水)~3日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催され約13万人が来場した。各社自慢の福祉車両から見えてきたトレンドは「普通の車」であることだった。

会場には、介助するための専用車ではなく、「介助もできる愛車」としての福祉車両が目立った。これは各社がターゲットを福祉施設だけでなく、個人ユーザーにも広げているからだろう。

そのキッカケとなったのは、やはり2012年8月に登場したホンダ N BOX+の車いす仕様車のヒットだ。車椅子を載せない時は普通のN BOX+として使えるというコンセプトが受け、今も販売台数を伸ばしている。

また2013年12月に登場した、ダイハツ タントウェルカムシート(助手席が回転&昇降する)もヒット中だ。開口部の広さや手頃な価格に加え、スポーティな外観のタントカスタムにも設定されていることがヒットの一因だろう。

このように、もはや福祉車両は特別な車ではなく、道を教えてくれるカーナビが愛車に付いているように「介助しやすい機能が愛車に付いている」。つまり、普通の車であることがトレンドになっている。

N BOX+やタント以外にも「普通の車」がたくさんあった今回の国際福祉機器展。下記に編集部が注目した車を紹介しよう。

▲ダイハツ タントカスタムのウェルカムシート。広い開口部を生かして助手席が回転&昇降するので、膝の曲がりにくい人でも乗り降りしやすい ▲ダイハツ タントカスタムのウェルカムシート。広い開口部を生かして助手席が回転&昇降するので、膝の曲がりにくい人でも乗り降りしやすい
▲スバル フォレスターのウイングシート。助手席が回転&昇降するSUVは、同社のXVとこのフォレスターしかないので貴重な存在。全グレードでウイングシートが選択できる ▲スバル フォレスターのウイングシート。助手席が回転&昇降するSUVは、同社のXVとこのフォレスターしかないので貴重な存在。全グレードでウイングシートが選択できる
▲ホンダ フリードハイブリッドの助手席リフトアップシート車。コンパクトで低燃費なミニバンで、その使い勝手はそのままに、さらに介助しやすい助手席回転&昇降シートを備えている点が人気の要因 ▲ホンダ フリードハイブリッドの助手席リフトアップシート車。コンパクトで低燃費なミニバンで、その使い勝手はそのままに、さらに介助しやすい助手席回転&昇降シートを備えている点が人気の要因
▲日産 デイズルークスの助手席スライドアップシート。デイズ/デイズルークスともに、スポーティな外観のハイウェイスターも選べるところが人気 ▲日産 デイズルークスの助手席スライドアップシート。デイズ/デイズルークスともに、スポーティな外観のハイウェイスターも選べるところが人気
▲トヨタ ノアの車いす仕様車。従来の車いす仕様車はスロープを立てて収納するため、バックドアを開けて荷物を入れる際にスロープが邪魔だった。このモデルからは3列目シート下にスロープが収納でき、荷物の出し入れも非常に楽になった ▲トヨタ ノアの車いす仕様車。従来の車いす仕様車はスロープを立てて収納するため、バックドアを開けて荷物を入れる際にスロープが邪魔だった。このモデルからは3列目シート下にスロープが収納でき、荷物の出し入れも非常に楽になった
▲日産 セレナに用意された専用のステップや手すり。足腰が弱ってきているが、回転&昇降シートの車を買うほどでもない(あるいは抵抗を感じる)という人に人気。購入後に必要に応じて後付けできる手軽さもある ▲日産 セレナに用意された専用のステップや手すり。足腰が弱ってきているが、回転&昇降シートの車を買うほどでもない(あるいは抵抗を感じる)という人に人気。購入後に必要に応じて後付けできる手軽さもある
▲輸入車にも装着できる回転&昇降シートも登場。海外メーカー製(オートアダプト社)で、レカロ製シートが車外ではそのまま車椅子としても利用できる。価格は約100万円と高額……今後に期待!? ▲輸入車にも装着できる回転&昇降シートも登場。海外メーカー製(オートアダプト社)で、レカロ製シートが車外ではそのまま車椅子としても利用できる。価格は約100万円と高額……今後に期待!?
text/籠島康弘