第63回 トヨタ セラ 【見つけたら即買い!?】
カテゴリー: クルマ
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2009/04/01
■街中の視線をひとりじめ! ガラストップ&ガルウイングドアを搭載
M・ベンツの300SLに始まり、かつてはランボルギーニカウンタックや、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでおなじみのデロリアンDMC-12など、大型高級スポーツカーの代名詞であったガルウイングドア。しかし、これを5ナンバーのハッチバックというスタイルで実現した車があります。しかも商品化したのは、およそガルウイングのイメージとはかけ離れたトヨタ。今回はトヨタ最大の突然変異車種と言えそうなセラをご紹介します。
発表されたのは1990年。登場時の新車価格は160万~167.5万円でした。ベースはスターレットで、1.5Lの直4エンジンを横置きに搭載し、パワートレインは5MTもしくは4ATが組み合わせられます。パワーは110psの最高出力を発揮する必要にして十分なレベル。一方でルーフにガラスが使用され重心がやや高くなっているため、コーナリングでは不安定という評価もあります。
このガラスルーフ。大敵は夏の暑さです。直射日光をまともに受けるため、車内はすぐにサウナ状態に。マークIIクラスの強力なエアコンを搭載したり、オプションでサンバイザーを設定したり、後期モデルにはグラスガラストップ部のガラスをスモーク入りにしたりと工夫はされていますが、それも焼け石に水。真夏のドライブはあまりオススメできません。外観デザインも案外平凡で、パッと見ただけでは普通の3ドアハッチバック。
それでもセラが魅力的なのは、やはり存在感抜群のガルウイングドアを備えているからでしょう。実は、厳密にいうとセラのドアはガルウイングとは言えません。語源となったカモメの翼のように、ピラーを支点に左右のドアが水平に展開するのが正式なガルウイングですが、セラはAピラーを支点に斜め前方に開きます。もっとも、現在は斜めであろうと、上に持ち上がるドアは広義的に「ガルウイング」と呼ばれますので、セラもガルウイングと言って差し支えないでしょう。
室内は3ドアハッチバックということで、広くはありません。デザインも当時のトヨタ車らしいオーソドックスなスタイル。後部座席は大柄な人でなければ、窮屈ながらも乗っていられるレベルですが、ベースとなったスターレットとは違い、乗車定員は4人です。
よく心配されるのが人が乗り降りするときのスペース。特に立体駐車場に入れる際に、ドアが駐車場の屋根に当たってしまったり、狭い駐車場で隣の車にぶつけてしまいそうに感じるかもしれません。しかしセラのドアは上方向に61.47cm、横方向に42.74cmしか広がりません。つまり立体駐車場なら187.5cm以上、隣の車とは42.74cmの幅があれば大丈夫なのです。
原稿執筆時点で、カーセンサーnetに掲載されているセラの台数は9台。最安で19.8万円、最高でも73万円と実にリーズナブルな価格となっています。安いものには10万kmを超える多走行車が多いですが、なかには2.3万kmで35.8万円というお買い得な物件も。大穴車が狙えそうなところも、セラの特徴といえるかもしれません。
とにかくドアさえ開ければ街中の視線を浴びることは確実。こんな個性的な車に乗るには、いまがラストチャンスかもしれませんよ?
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