プジョー 207CC▲軽自動車からスーパーカーまでジャンルを問わず大好物だと公言する演出家のテリー伊藤さんが、輸入中古車ショップをめぐり気になる車について語りつくすカーセンサーエッジの人気企画「実車見聞録」。誌面では語りつくせなかった濃い話をお届けします!

スカイブルーのインテリアが最高におしゃれ!

今回は、「エーゼット オート横浜」で出合ったプジョー 207CCについて、テリー伊藤さんに語りつくしてもらいました。

~語り:テリー伊藤~

僕は自分のYouTubeチャンネルで、車両本体価格30万円台の魅力的な中古車を求めて全国の中古車販売店をめぐる「30万円車探しの旅」という企画を続けています。

70歳になってようやく気づいたのですが、僕はモノを大切にできない性格でね。だから、高い車を買ってももったいないだけ。

それよりも、安い車を気軽に買って、夏を思い切り遊ぶ。そして、いい車を見つけたらパッと乗り替える。そんな楽しみ方が性に合っています。

今回お邪魔したお店でもついその視点で車を見てしまいました。

すると、ありましたよ。とても魅力的な1台が!

プジョー 207CC
プジョー 207CC▲この当時のプジョーはアクが少ないデザインなので、今でも古く見えないのが特徴。新鮮な気分でドライブできます!

プジョー 207CC。ご存じのとおり、2007年から2012年まで販売された、コンパクトなクーペカブリオレです。

プジョーは決して珍しい車ではないし、正直人気がすごくあるわけでもありません。だからお店で見つけたときも、この企画で取り上げるつもりはありませんでした。

プジョー 207CC
プジョー 207CC▲どうです、この鮮やかなブルー! ウキウキした気分になります

でもよく見ると、この207CCは、前オーナーの手でシートが鮮やかなスカイブルーの革に張り替えられていました。ドアトリムやグローブボックス、ステアリングも同色に変えられています。

このセンス、最高でしょう!

これを見た瞬間、僕はフランスのコート・ダジュールにトリップしたような気分になりました。

僕は若い頃、カーニバルの取材のためにニースを訪れました。この207CCを見た瞬間に、海沿いの道をオープンカーでドライブしたときの思い出がパッと蘇りました。

存在するだけで人をウキウキした気分にさせてくれる車なんて、そうそうないですよ。

プジョー 207CC▲ステアリングやドアトリムもブルーに

この車が街を走っていたら、それだけで華やかな雰囲気になるでしょう。乗っている人もすごく楽しそうに見えるに違いありません。

プジョーの良さは、パッと見ただけではいつの時代の車かわからないことです。だから中古車を買っても古く見えない。

モダンなデザインを追求した車だと、新車で買っても数年乗っただけで妙に古く見えてしまうものです。尖っている分、旬も短いのでしょうね。

プジョーは新鮮さをずっとキープしている。中古車フリークにとってこれはありがたいことですよ。

しかも207CCは気持ちを明るくしてくれるオープンカー。オープンにしたくないときはクーペとして使えるし、狭いながらも後部座席があるから便利。最高じゃないですか!

プジョー 207CC▲前オーナーのセンスに脱帽です! 夏にぴったりの1台ですね
プジョー 207CC▲メーターはシンプルなデザイン。こういう部分も飽きずに長く乗れる大切な要素です

テリー伊藤ならこう乗る!

207CCは女性が乗ると似合うでしょうね。若者が乗っても楽しめると思います。

でも僕は、あえて僕と同じような高齢者に乗ってほしい。

年を取って地味な色の洋服を着るとどうしても老けて見えてしまいますが、このシートなら乗り手を若く見せてくれるし、気持ちも若くなりますよ。ウキウキした気分で毎日を過ごすことで、きっと体も元気になるでしょう。

僕がこの車を手に入れたら、屋根を開けてクラス会に行きます。

世の中の多くの人は、軽自動車やミニバンなど当たりさわりのない車を選んでいます。だからこそこんな華やかな車で現れたら、同級生は驚きますよ。

10年落ちということもあり、車をよく見たらホイールなどに擦りキズがついていました。

せっかく人をハッピーな気分にさせてくれる車なのですから、ボディやホイールのキズはキレイに直して乗りたいですね。これは僕の想像ですが、おそらく10万円もあれば直るのではないでしょうか。

キレイにしても車両価格50万円で収まる。とても安い買い物ですよ!

プジョー 207CC▲機関係の調子は問題ありませんが、ホイールなど細部のキズは直して乗りたいですね

ドライブ中はシャンソンなど、フランスの音楽を楽しみたいですね。車は面白いもので、ドライブをしていると、やっぱりその国の音楽がハマるんですよ。

ストリーミングを利用すればいつでも好きな音楽を楽しめる。いい時代になったと思います。

車を選ぶときは、何を選んだら便利かなという視点ではなく、「気分をハッピーにしてくれる車を買う!」という気持ちで選んでみてはどうでしょう。この値段の車ならそれができるはずです!

プジョー 207CC

電動開閉式のメタルトップを採用したクーペカブリオレ、206CCの後継モデルとして2007年に登場。コンパクトハッチバックの207をベースとするが、全高がハッチバックより75mmも低くなり、スポーティな印象が高められた。約25秒で開閉する電動ハードトップはクローズ時にトランクにきれいに収まる。エンジンは2010年1月までの前期型には1.6L直4と1.6L直4ターボ、2010年2月以降の後期型では1.6L直4が搭載された。1.6Lターボは5MTのみの設定になる。

文/高橋満(BRIDGE MAN) 写真/柳田由人

テリー伊藤

演出家

テリー伊藤

1949年12月27日生まれ。東京都中央区築地出身。これまで数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在『爆報!THE フライデー』(TBS系/毎週金曜19:00~)、『サンデー・ジャポン』(TBS系/毎週日曜9:54~)に出演中。単行本『オレとテレビと片腕少女』(角川書店)が発売中。現在は多忙な仕事の合間に慶應義塾大学院で人間心理を学んでいる。そんなテリーさんがYou Tubeチャンネル『テリー伊藤のお笑いバックドロップ』を開設したので、要チェック!