日産 キックス ▲国内仕様は写真の北米向けより、ラジエターグリルが下方に修正されて、黒いガーニッシュで囲われる。セレナに似た表情が演出されるかも。ブラックルーフやシルバー仕上げのルーフレールは踏襲される

日産 ジューク、国内生産終了に

国内生産終了に伴って、海外専売車となる次期ジューク。国内ユーザーにとっては、遠い存在になってしまう。代わりに導入されるモデルこそが、北米と南米、アジアで販売されているキックスだ。

じつは、ジュークは北米でも販売されていたが、ひと足早く2018年にキックスに置き換わった。これと同じことが日本でも起きるわけだ。ここでは、キックスとはどんな車なのか、海外仕様の写真を用いて見ていきたい。

まず、はじめにキックスには2種類のモデルが存在する。ひとつはメキシコやブラジル、中国で生産されているモデル。こちらは2010年デビューの現行マーチから使われている、Vプラットフォームが用いられている。

一方、インドで組み立てられているモデルは、ルノーグループのダチアに採用されている、BOプラットフォームが 流用されており、わずかにサイズが大きい。国内に導入されるモデルは、前者になる模様だ。
 

日産 キックス▲こちらは日本導入予定モデルのリアビュー。リアコンビランプは斜めに切れ上がり、バックウインドウに沿って配される。ハッチバック開口部はライバルである、ホンダ ヴェゼルに一歩及ばない模様
日産 キックス▲こちらは、文中でもご紹介したインドで生産されている、ひと回り大きいキックス。上の写真と比べると、同じデザインを採用しながら、どことなくゴツい印象だ

ジュークのイメージを一部踏襲

キックスのホイールベースは、2620mm。ジュークの2530mmより90mm長いため、居住性が向上することは想像に難くない。

後ろ下がりのルーフと後方に絞り込まれたウインドウグラフィックによって、ジューク似の雰囲気がわずかに残っている。ただし、リアドアのハンドルは外板パネルに設けられて、キチンとした5ドアにデザインされる。

クオーターピラーがブラックアウトされて、フローティングルーフが作り出される処理は、日産車に共通して見られるもので、同社デザイン言語の一環でもある。
 

日産 キックス▲北米向けキックスの内装。国内仕様の上級グレードはシートのサポート部と、インパネ正面がタン色に彩られて、上質感が演出される。e-POWER搭載のため、シフトレバーにはホームポジションに戻る、電子タイプが用いられる

上質な室内空間を実現

シートのサポート部や、インパネ正面は別色でコーディネイトされて、モダンかつ上質な雰囲気がかもし出される。上級グレードではタンとブラックのツートーン構成で、コントラストの強いキャビンが演出される。

メーターパネルには、表示項目を変えられる7インチ画面が埋め込まれており、センタークラスターにもApple CarPlayと、Android Auto対応の7インチ画面を装備。

スポーティなフラットボトムのD型ステアリング、アラウンドビューモニター、自動ハイビームなどの安全デバイスも揃う。
 

待望の「e-POWER」を搭載

北米向けのパワーユニットは、1.6L直4とCVTの組み合わせだが、国内仕様には、ノートとセレナで支持されている、e-POWERが起用される。しかもエンジン車は設定されず、e-POWERのみの割り切った設定となりそうだ。

ジュークと比べて、スペシャリティ色は弱いものの、広い後席とラゲージスペースによって、高い実用性が確保されるキックス。子育てファミリーなど、本来の5ドアとして使いたいユーザーに支持されるだろう。

早ければ、2020年春にも発表される見込みだ。

※2020年1月10日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

日産 ジューク▲2010年6月に国内販売が開始された、現行ジューク。1.5L FF車のみのラインナップでスタートし、同年11月に新開発の1.6L直4ターボを搭載したフラッグシップモデルを追加。こちらには4WD仕様も用意された。登場時は、爆発的ヒットで日産の屋台骨を支えた

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2020年3月
■全長×全幅×全高:4295×1760×1585(mm)
■搭載エンジン:電気モーター+発電用1.2L 直3
 

text/マガジンX編集部
photo/日産自動車