マツダ ラグジュアリークーペ ▲マツダのFRプランで、本命として計画されているモデルが、ラグジュアリークーペだ。直6エンジンが搭載され、ユーノスコスモを思い出させる贅沢な造りが与えられるだろう

戦略が見直された

マツダが、エンジンを縦置き搭載する、ラージアーキテクチャーの実用化を遅らせる。当初は、2021年にも投入される計画だったが、1年ほど遅らせることが公表された。

技術開発を確かなものにすべく、性急なプランが見直されることになったようだ。

マツダ CX-5▲ラージアーキテクチャー採用車の第1弾として、登場するのは次期CX-5だ。エンジンが縦置き搭載されてFRベースとなり、PHEVもラインナップか
マツダ MAZDA6▲2017年の東京モーターショーに出品されたデザインスタディは、マツダ6の次期モデルか。だとすれば、フラッグシップサルーンにふさわしいシルエットが予想される

世代交代のスケジュールに影響も

ラージアーキテクチャーの口火を切る車種として準備されている、3代目CX-5の発売も2022年にズレ込むだろう。

同様に、計画されていたスカイアクティブD(ディーゼルエンジン)の第2世代へのバトンタッチも見直されて、先送りされることになった。
 

マツダ▲新技術を順に投入して、世代交代を進めているマツダのスケジュール。記載されている技術のうち、2020年に投入予定だった、次世代ディーゼルは21年以降に先送りされることになった
マツダ▲ラージアーキテクチャー採用車は、2022年から販売がスタートする見通しで、中期経営計画の後半3年に、販売実績として加わる。最終年度の24年度はグローバル販売180万台へ
マツダ▲2018年4月の時点では、24年度にラージ系の年間販売80万台をめざす計画だったが、プランが見直されて、現行世代の商品が残ることになった

独りよがりだった当初の計画

2018年4月時点の発表内容では、中期経営計画の最終年度(24年度)には、マツダ3より古い現行世代のモデルは、ほとんど残っておらず、販売台数200万台のほとんどを新世代モデルが占める見通しだった。

具体的には、マツダ3やCX-30など、FFベースのスモール系を120万台、ラージ系を80万台販売する計画を立てていたが、これも見直され、総数180万台に。その後、ラージ系の比率を高めていく算段だ。

ここ最近の動向を振り返ると、マツダ3の目玉として準備されてきた「スカイアクティブX」の発売時期が、2019年10月から同12月に延期され、ロータリーエンジン採用のレンジエクステンダーも投入が先送りされた。

成長に向けた意欲的な姿勢は評価できるものの、前のめりすぎて独りよがりになってしまわないよう、キチンと振り向いてユーザーがついて来れているか、確かめることも大事だろう。

そういった観点でいえば、今回のスケジュール見直しは、ユーザーと歩調を合わせる意味で、歓迎すべきことかもしれない。

※2019年12月13日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

text&photo/マガジンX編集部