桁違いの納車待ち! 大人気の新型ジムニーを旧型ジムニーと徹底比較してみた!
2018/09/22
新・旧ジムニーを徹底的に比較!
20年ぶりにフルモデルチェンジを行ったジムニー。今年、7月に登場すると売れるは売れるはで生産が追いつかず、納車まで数年待ちという状態。車好き界隈では空前のジムニー祭りの真っ最中。
しかし……
えっ? そんなに人気なの? ぶっちゃけ、どこがどう変わって良くなったの!?
と思っている方も多いはず。そこで、“駆け出しモータージャーナリスト 矢田部明子”が祭りばやしの鳴りやまない、ジムニーがどう進化したのか新旧比較してみました!
まずは見た目
車幅は同じですが、並べてみると旧モデルはフェンダーの角が丸くルーフにかけてやや絞り込んでいるので(台形のような形)キュッとしまってコンパクトに見えます。一方新型ジムニーは、少し無骨で先々代ジムニーのデザインを継承したかのようです。
デザインの好みは人それぞれですが、現在の売れ行きを見ていると四角い方がジムニーらしいと思う人が多いのでは?
当時新型だった丸いジムニーより、やっぱり四角い初代ジムニーの方がいいと乗り替えるユーザーがいたほどですから。それくらい四角いジムニーは四輪駆動車らしく、ジムニーが好きな人には親しみのあるデザインだったのです。
この丸いライト! 個人的にはお洒落で可愛いと思います。ただ、見た目だけではありません! 林道やオフロードなどの道を走ったときに、障害物でライトが割れないように、少し奥まっているんです。
続いて内装!
あらゆる環境で使われることを前提として作られているジムニー。使用頻度の高いスイッチ類もひと工夫されています。パワーウインドウのスイッチや、急な坂を降りるときに速度を制御するヒルディセントコントロールスイッチは、グローブをはめていても使いやすいようにボタンが大きくなっています。
また、坂道発進でブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えるときにONにしておくと、2秒ほど自動的にブレーキがかかるヒルホールドコントロールのスイッチもあります。
ちなみにオフローダーでもある矢田部としては、ヒルホールドコントロールが一番気になりました! 実際、オフロードを走っていると楽しすぎて調子に乗って急な坂を勢いよく駆け上がるのですが、途中で上りきれず止まってしまうこともしばしば……。
こうなるととっても焦ります! 「どうすればいいのよっ!!」と。ですが、この非常事態でもジムニーに付いているヒルホールドコントロールがあれば、心に余裕をもって再発進できそうです。最大2秒間一時的にブレーキが作動するので、ブレーキペダルからアクセスペダルに足を踏み替えるときに、車両が後退せずに発進できるのです。
一般的な道路であれば2秒で十分ですが、オフローダー矢田部としてはこのブレーキのかかる時間を設定できると、なお良し! とわがままをいいたくなりました(笑)。
大きなところでは2WDから4WDに切り替える副変速機の操作もボタン式から機械式レバーに変わりました。
旧型ジムニーのトランスファーのセレクトはボタンスイッチで行っていました。この先進的ガジェットは新型ジムニーではレバー式に戻されています。操作性や確実性はレバー式の方が良いというので、あえてアナログな方法に戻したのです。
仲間のオフローダーは、旧モデル型で使われていたボタンだと何回押しても4WDに入らなかったり、2WDに戻らなかったりとストレスを感じたことがあったそうです。セレクトがボタン式から機械式レバーになったのはとても助かると絶賛していました。
いやはや、実に知れば知るほど新型ジムニーの改良には度肝を抜かれます。
安全性について
今では新しく販売される車には必ず付いているといっていい安全運転サポート。新型ジムニーにももちろん設定があります。
ただし、押さえておきたいポイントも……新型ジムニーを購入したら、タイヤのサイズを大きくしてリフトアップしたいと思っている方もおられると思いますが、その前に私の話を聞いて頂きたい!
オフロードではタイヤの直径はとても重要で直径が大きいほど段差や岩などの障害物を乗り越えやすくなり、最低地上高が上がりスタックもしにくくなります。
しかし、もし「スズキ セーフティサポート」を装着したい場合、リフトアップしたりというカスタムは今しばらく待った方がいいかと思います。
理由は単眼カメラとレーザーレーダーの高さが変わり、タイヤの円周が長くなると実際の速度より遅く感知され、正しいデータが取れなくなり、デュアルセンサーブレーキサポートなどの安全システムが正常に働かない可能性が高いからです。
本格的にカスタムするなら現時点では旧型ジムニーがオススメです。
販売されてから20年経ち、たくさんのカスタムパーツが販売されており、カスタムショップさんが持つノウハウもかなり蓄積されているからです。カーセンサーで調べてみると玉数豊富で格安車両もありました。カスタムをするのなら四駆カスタム専門店で組んでもらいましょう。仕上がりも違いますし、アフターケアも万全ですよ。
矢田部が気になったのは、あまり安全とはあまり関係なさそうなボンネット上のボコッとしたエアインテークです。先代ジムニーにはあったのに新型にはないのはなぜ?
答えは、安全性に大きく関連していました。
旧モデルではエンジン中央にドンと鎮座していた、インタークーラーがなくなっていたのです。
新型を見てみるとエンジン前に移動していました。これは冷却効率を上げることが目的ではなく、ボンネット上のエアンテークをなくすためだったのです。
厳しくなっていく安全基準のひとつ、前方視界基準に恐らくエアインテークがひっかかり、それをクリアするためにほどこした処理だと思われます。4WDのように車高の高い車は性質上死角が広くなってしまうので、工夫を凝らさなければならないところなんです。
新型ジムニーと旧型ジムニー、なにがどう良くなったかとSNSや車が好きな人の間でよく話されています。そのほとんどがスタイリングだったり、新たに導入されたトラクションデバイスだったりします。どうカスタムするかというのもちらほら。
しかし、矢田部が一番進化していると感じたのは、安全性です。車重が40kg増加しているのも、ほとんどがドライバーや同乗者をアクシデントから守るための補強や安全装置に費やされています。新型ジムニーは、より人に優しく安全な車に進化しています。
信頼性の充実
ジムニーがリアルオフローダーだといわれているゆえんのひとつに、フレーム形式の車だということがあります。もし人里はなれた場所で障害物にぶつけてしまったり、まさかの転倒をしてしまいボディがボコボコにゆがんでしまっても、足回りとラダーフレームにダメージがなければ自走で帰ってこれます。
オフロードレースで派手に転んでしまったジムニーを見ましたが、大人5人が人力で起こすと、何事もなかったようにコースを後にしていきました。ラダーフレームは、初代ジムニーから採用され途切れることなく伝承されています。
旧型でも十分丈夫だったラダーフレームに、新型ジムニーはさらに前後三つの大きな補強を追加しています。そのうちのひとつは、運転席真下の「X」の形の補強です。これにより、横や縦からの衝撃のみならず、大きくねじれるような斜めからの力にも強くなり、もしもの事故のときに運転席の保護にも効力を発揮します。そう! 新型ジムニー、めちゃくちゃ頑丈になってます!
旧型モデルには付いていなかったステアリングダンパーが装備されました! これにより、不整地でハンドルを取られたり、高速道路を走行中にハンドルがブルブルする現象を抑制できます。ということは、より正確な運転が可能となり、ドライバーの疲労軽減に繋がります。
実は、旧型ジムニーではハンドルがブルブルするという現象が起きていました。特に高速域での運転……。高速道路をジムニーで走ったとき、ハンドルが小刻みに震えるというか、ガクガク揺れるのです。その現象を改善するために、アフターマーケットのステアリングダンパーを後付けするという人が多かったのです。
ジムニーは世界149カ国で販売され、日本の道路事情と全く違う辺境の地に住む人の生活を支え、過酷な環境で働く人たちの道具となり、無事に帰ってこなければならない使命を持っています。その使命を全うするために、一見すると本当に必要なのか? と思えるほどの補強も追加されています。
■今回、新・旧ジムニーを比較しての矢田部のまとめ
最新のジムニーは最良のジムニーなのか? 私はYesです! みなさんはどうでしょうか?
新旧比較をしてきましたが……
・最近の車にはほとんどついている安全装備も選べるので運転が不慣れな方でも安心
・オフロードなどの過酷な道に挑戦してみたいという人にとってもボディサイズの頑丈さが増しているので扱いやすい
・カスタムしなくても、走破性がある方が良い
こんな方は新型がオススメです。
そして、
・カスタマイズを楽しみたい
・価格を抑えたい
こんな方には旧型がオススメです。
さあ、あなたの希望を叶えてくれるのはどちらのジムニーですか?
【取材協力】
- (有)齋藤オートサービス
- 千葉県四街道市栗山1074 TEL:043-423-3693
▼検索条件
支払総額あり×修復歴なし×3万㎞台まで▼検索条件
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