▲公道テストが始まっている量産モデルではなく、まずはGT3マシンに仕立てられた特別な仕様が披露されてから、カムバックが大々的にアピールされる新型スープラ。市販されるのは、2019年前半の予定だ ▲公道テストが始まっている量産モデルではなく、まずはGT3マシンに仕立てられた特別な仕様が披露されてから、カムバックが大々的にアピールされる新型スープラ。市販されるのは、2019年前半の予定だ

デビューを1年後に控え、長いティーザー活動開始

トヨタのヘビー級スポーツモデル、スープラ。2002年に先代モデルが生産終了してからおよそ15年、次期型登場も間近かといったところで、新型スープラに隠し玉があることが発覚。なんとFIA-GT3マシンが用意されているという。

2018年3月のジュネーブモーターショーで、市販モデルに先駆けて、FIA-GT3マシンが世界初公開される方向で、検討が進んでいるという情報を得た。

WRCで知名度を上げたGAZOOレーシング

FIA-GT3とは量産モデルをベースにした、レーシングカーの最高位に位置するカテゴリーで、条件を満たせば、エンジンは自社の他のエンジンに換装可能というもの。FIAのホモロゲーションを取得した後に一般販売され、レース参戦の予定があれば、誰でも購入することができる。

すでに、トヨタのプレミアムブランドである、レクサスからRC-FベースのRC-F GT3が実戦投入されているが、カスタマーレーシングカーと言いつつも、レクサスと関わりの深い日米のチーム以外に販売された実績は聞かないうえに、プライベーターにも積極的なPRはされていない。

開発を取り仕切るGAZOOレーシングカンパニー(2017年4月に立ち上げられた、トヨタのモータースポーツを取り仕切るカンパニー)としては、「トヨタブランドのマシンでやりたい」との思いが強いというのもPRされない理由に挙げられる。同社は市販版の新型スープラも手がけている。そういったことから、スープラにFIA-GT3が存在しても、何ら不思議ではない。

前述のとおり、最終型スープラの生産が終了してからの空白期間は長い。よって、いきなり市販車を見せるのではなく、復活に向けたティーザーキャンペーンの足がかりとして、まずはWRC人気で知名度が上がっている、ヨーロッパで追い風に乗るわけだ。FIA-GT3マシンの投入で、GAZOOレーシングの知名度アップに弾みをつけたいという思いもあるだろう。

▲トヨタは、2017年1月の東京オートサロンにて、レクサス RC-F GT3を初お披露目。その後デイトナ24時間レースやスーパーGT3シリーズのGT300クラスに参戦している ▲トヨタは、2017年1月の東京オートサロンにて、レクサス RC-F GT3を初お披露目。その後デイトナ24時間レースやスーパーGT3シリーズのGT300クラスに参戦している

ニュル24時間レースにて、究極の開発テストを実施

スープラGT3の詳細は、まだキャッチできていないものの、パワートレインには、市販車用に用いられるBMW製ではなく、トヨタ性が選択される可能性もある。

トヨタはおそらく、2018年のニュルブルクリンク24時間耐久レースに、このマシンでエントリーし、かつてのレクサス LFAや86、C-HRと同じように、極限の開発テストを実施するだろう。

最後に市販版の情報を。新型スープラのパワートレインは、最高出力258psを発生する、2L直4ターボと、同340psを発生する、3L直6ターボが用意される。生産はBMWが担うため、2019年春から欧州で組み立てられる。

※2017年9月9日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、レクサス