▲扱いやすいサイズで、洒落ていて、それでいて何かと経済的で……と、そんなSUVを探している人は、ぜひこちらの旧型ミニ クロスオーバーの「ディーゼルターボエンジン搭載グレード」にご注目を! ▲扱いやすいサイズで、洒落ていて、それでいて何かと経済的で……と、そんなSUVを探している人は、ぜひこちらの旧型ミニ クロスオーバー「ディーゼルターボエンジン搭載グレード」にご注目を!

廉価版の「ワン」とガソリンのクーパー系はすでにお手頃だったが

今年2月に新型が登場した影響でしょうか、旧型ミニ クロスオーバー(R60)の相場がそこそこ下がっています。しかし特に注目したいのは、旧型クロスオーバー全般の相場というよりは「クリーンディーゼル搭載グレードの相場も下がり始めた」という点です。

旧型ミニ クロスオーバーは、11年1月に登場したミニ一族のSUVモデル。ハッチバックより120mm高い全高や、高い位置に設定されたシートポジション、そして(当時)シリーズ最大のボディサイズなどにより、何かと自由度の高いキャラクターが与えられたクロスオーバーモデルです。

で、そのなかでも「ワン」という最もベーシックなグレードは、比較的早い段階からお手頃化していました。新車価格は265万~288万円でしたが(時期により微妙に異なります)、ある頃から100万円台後半の物件が目立つようになり、直近では車両120万~150万円付近でまずまずの物件が探せます。

それはそれで結構なのですが、ワンのエンジンは、旧型クロスオーバーの車体に対して正直やや非力かな? と思える部分もあります。走らないわけではありませんが、車両重量1320kgの車に最高出力98psの1.6Lノンターボエンジンというのは、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

まぁそれゆえ、ワンの中古車相場は比較的早くからお手頃化したわけですが、その次のタイミングで、中間グレードである「クーパー」と、高出力版の「クーパーS」がそこそこお手頃になりました。

ワンと同じノンターボながら最高出力122psまでチューンされているのがクーパーで、こちらは今、ワンとほぼ同じ120万~150万円付近でまずまずの物件を探すことができます。そしてクーパーSというのは、ターボチャージャーの追加により最高出力184psを発揮する上級グレード。そのクーパーSは今、150万~200万円あたりが注目の価格帯です。

▲こちらが旧型ミニ クロスオーバーのクーパーS。ガソリンの1.6L 4気筒エンジンにターボチャージャーをプラスしたパワフルな上級グレードです ▲こちらが旧型ミニ クロスオーバーのクーパーS。ガソリンの1.6L 4気筒エンジンにターボチャージャーをプラスしたパワフルな上級グレードです
▲こちらは中間グレードといえるクーパー。ノンターボの1.6Lガソリンエンジンですが、ワンと比べればなかなかパワフルで、普通に使う分には十分以上といえるでしょう ▲こちらは中間グレードといえるクーパー。ノンターボの1.6Lガソリンエンジンですが、ワンと比べればなかなかパワフルで、普通に使う分には十分以上といえるでしょう

で、ここへきてついにディーゼルターボ系が200万円台前半に

ということで、決してワンのことを誹謗するわけではないのですが(近場の移動がメインな人には悪くない選択かと思います)、旧型ミニ クロスオーバーという車にそれなり以上の動力性能を求めたいならば、クーパーまたはクーパーSが、ちょっと前まではイチ推しでした。

そう、「ちょっと前までは」です。

なぜならば冒頭で軽く申し上げたとおり、クリーンディーゼルエンジンを搭載する「クーパーD」と「クーパーSD」がけっこうお安くなってきたからです。具体的には車両価格200万~250万円付近で、走行距離がきわめて少ない好条件車を探せてしまいます。200万円ちょいというのは、中古車としては決して「安価」ではないかもしれません。しかし341万円(クーパーD)/387万円(クーパーSD)という新車時価格から考えれば「なかなかお手頃!」とは言えるのではないでしょうか。

高出力なガソリンエンジンを搭載するクーパー/クーパーSもステキですが、ディーゼルエンジンのクーパーD/クーパーSDは(筆者が思うに)さらに輪をかけてステキです。

まず第一に出足が違う。ディーゼルターボエンジンというのはその特性上、トルクが極太ですので(要するに“かなりの力持ち”ということ)、信号待ちからの軽いアクセルひと踏みでグイグイ前へ進みます。これは「青信号になったらダッシュでぶっ飛ばそうぜ!」という話ではありません。そういった力持ちな車というのは、そうでない車よりも運転するのがラクなのです。で、ラクなので疲労が少なく、結果として安全に運行できる可能性が高まるわけです。

特に長距離運転は、ディーゼルターボエンジン搭載車の超得意分野です。前述のように極太トルクですので、アクセルペダルに軽~く足を乗せているだけで車はスイ~ッと進んでいき、上り坂にさしかかっても、その足にほんの少々力を込めるだけでグイグイと上っていきます。これは一度体験すると多くの人がハマる、ディーゼルターボ車の大きな魅力といえるでしょう。

▲ほんの少々アクセルペダルを踏むだけで矢のように突進するディーゼルターボ系の旧型ミニ クロスオーバー。「クーパーD」は最大トルク270N・mで、上級版のクーパーSDは最大トルク305N・mとかなり強烈です ▲ほんの少々アクセルペダルを踏むだけで矢のように突進するディーゼルターボ系の旧型ミニ クロスオーバー。「クーパーD」は最大トルク270N・mで、上級版のクーパーSDは最大トルク305N・mとかなり強烈です

燃料代も経済的で、旧型ならではの小ぶりなサイズも魅力

そしてディーゼル車は燃料費も安いわけです。

地域にもよりますがハイオクガソリンの値段は今、135円/Lぐらいでしょうか? それに対してディーゼルエンジンに使う軽油は100円/Lとか103円/Lとか、おおむねそのぐらい。……この差はなかなかデカいわけです。さらにカタログ燃費も、ガソリンエンジンであるクーパー/クーパーSと比べてクーパーD/クーパーSDの方が微妙に良好。総合的に見た燃料費は、けっこうな差が生じるでしょう。

そんなこんなの旧型ミニ クロスオーバーのクリーンディーゼル系が、しかもその好条件物件が、車両価格200万円付近からイケるようになったわけです。

登場したばかりの現行型を新車で狙うのも悪くないですが、現行クロスオーバーはボディサイズがかなり大きくなりましたので、もはや「別のジャンル」です。扱いやすいサイズで、しかし十分なスペースユーティリティがあって、よく走って、経済的で、なおかつブランドイメージ良好。……そんなSUVをお探しの方は、ぜひぜひ旧型ミニ クロスオーバーのクーパーDおよびクーパーSDに注目してみてください。

▲リアシートは写真のとおりの分割可倒式。荷室の容量は、コンパクトSUVなので「広大!」というわけではありませんが、床下のスペースなども上手に使えば大物や長尺物もそれなりに収容可能です ▲リアシートは写真のとおりの分割可倒式。荷室の容量は、コンパクトSUVなので「広大!」というわけではありませんが、床下のスペースなども上手に使えば大物や長尺物もそれなりに収容可能です
text/編集部
photo/BMW