▲ボディ剛性を高める補強パーツが採用されて、ハンドリング性能に磨きがかかりそうなセレナNISMO。ルーフはブラックアウト仕上げとなり、外観の個性にも磨きがかかるか ▲ボディ剛性を高める補強パーツが採用されて、ハンドリング性能に磨きがかかりそうなセレナNISMO。ルーフはブラックアウト仕上げとなり、外観の個性にも磨きがかかるか

年間販売台数10万台を目指すNISMO

日産がとんでもない目標をぶち上げた。それは「(NISMOブランドのコンプリートカー事業について)現在の年間1万5000台の販売を2020年代の早いうちに10万台まで増やしたい」というもの。日産のNISMO事業の今後に迫る。

現在、NISMOの名を掲げたカタログモデルは7車種(海外専売のパトロールと、セントラを含む)が販売されているが、これをグローバルでブランド化する狙いもあって、今回のプランが打ち立てられた。

NISMOモデルは、内外装のドレスアップ、ボディ剛性向上と足回りのチューンナップによるハンドリング性能アップ、さらに一部車種では動力性能の向上も図られる。この上には、動力性能が格段に引き上げられた、NISMOハイパフォーマンス仕様が、逆にその下には、ベース車にNISMOの内外装パーツがセット装着されたライトバージョン、いわばメルセデスにおけるAMGラインや、BMWのMスポーツに該当するモデルが用意される予定だ。

▲ジュークNISMOに続くSUVモデルとして、国内外で多くのユーザーが待ち望んでいるであろう、エクストレイルNISMO。2017年6月8日にマイナーチェンジが発表されたが、秋以降に追加設定か ▲ジュークNISMOに続くSUVモデルとして、国内外で多くのユーザーが待ち望んでいるであろう、エクストレイルNISMO。2017年6月8日にマイナーチェンジが発表されたが、秋以降に追加設定か

北米に加えて、中国市場も視野に

では、現状1万5000台の販売台数を、どうやって6倍以上の10万台へと増やすのか。オーテックジャパンおよびNISMOの片桐隆夫CEOは、「セダンやハッチバックに加えて、EV、ミニバン、SUVなどのジャンルにもモデルを投入し、現在の7車種から2倍以上に増やす」と予告した。

余談ながら、中国へのNISMOモデル投入はまだ検討段階ながら、片桐CEOは、販売増への貢献度が大きいマーケットとして、期待を寄せている旨も語っている。

▲2013年に発売されたジュークを皮切りに、国内では現在、GT-R、フェアレディZ、ノート、マーチの各車種に、NISMOモデルがラインナップされている。グローバルでは7車種に設定されているが、これを2倍以上に増やす計画が明らかにされた ▲2013年に発売されたジュークを皮切りに、国内では現在、GT-R、フェアレディZ、ノート、マーチの各車種に、NISMOモデルがラインナップされている。グローバルでは7車種に設定されているが、これを2倍以上に増やす計画が明らかにされた

SUVやミニバンにもNISMOモデルが

NISMOが増やす予定の車種とは。これこそが、2016年11月23日にご紹介した(下記リンクの記事をご参照ください)、セレナNISMOではないだろうか。先を行く、トヨタ ノア/ヴォクシーG’sと、ホンダ ステップワゴンモデューロXを意識したモデルとして、企画されているに違いない。

一方、SUVのジャンルでは、北米でも人気を集めているエクストレイル(現地名ローグ)への設定が第1弾になるかもしれない。10万台の販売に向けて北米を中心に拡大していきたいという片桐CEOの言葉が事実なら、NISMOモデルの設定は避けて通れない1台だ。

追加発売されるNISMOモデルは、2017年秋の東京モーターショー開催と前後して予告され、2018年までに導入されるだろう。また、年内にリリースされる次期リーフへの設定も確実ではあるが、遅れて発売される公算が大きい。設定車種の増加は朗報ではあるが、生産体制が十分なのか、滞りなく車を供給できるのか、気になるところではある。

※2017年6月17日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません