▲国産車では近頃あまり見かけなくなったMT車だが、ヨーロッパ車ではそれなりに豊富。で、「格安価格帯の欧州車を買う際は特にMTの方がオススメ」という筆者だが、その理由とは? ▲国産車では近頃あまり見かけなくなったMT車だが、ヨーロッパ車ではそれなりに豊富。で、「格安価格帯の欧州車を買う際は特にMTの方がオススメ」という筆者だが、その理由とは?

「50万円以下の車なのに修理代がウン十万」という事態は避けたい

50という数字や十進法に特に意味があるわけでもないが、人は何かしら格安な輸入車をとりあえず買いたいと思ったとき、「ま、だいたい50万円以下ぐらいで……」と思う場合が多いように思う。なんとなくの区切りというか目安として。

それはそれで悪くない選択とは思うが、50万円というのは、たとえ中古車であっても輸入車を狙うにあたっては明らかに「かなり安い方」に区分される予算である。そしてかなり安い中古車には、かなり安いだけの理由がある場合がほとんどだ。具体的には超絶不人気モデルだったり、不人気だけならまだいいが、古くてボロいため買った後すぐ壊れる可能性がある……なんて場合もあるだろう。

すべての50万円以下系輸入中古車が「買った後すぐ壊れる」ということは断じてないが、少なくとも「傾向というか可能性として、そういうこともある」とは言えるはずだ。50万円で買ったはいいが、その割とすぐ後に35万円ほどの修理代がかかりました……というのも、決して聞かない話ではない。

そういった事態は避けたい。が、予算は約50万円しかない。しかしながら、やはり自分は輸入車に乗りたい……と思ったとき、人はどのような指針に基づいてカーセンサーnetを検索すべきなのだろうか?

筆者が思うのは、「とりあえずMT限定で探してみてはどうでしょう?」ということだ。

▲免許がAT限定の場合はどうしようもないが、そうでないならばぜひMT車の購入も前向きに検討してほしいという筆者。ちなみに写真は初代ミニの5MT ▲免許がAT限定の場合はどうしようもないが、そうでないならばぜひMT車の購入も前向きに検討してほしいという筆者。ちなみに写真は初代ミニの5MT

ATという修理代における鬼門を最初から排除する

50万円の車だろうが500万円の車だろうが、機械である限り、使っているうちにどこかしらが壊れる(部品が寿命を迎える)のは必然である。そして「修理代がけっこう高くつく部分」というのも、車種を問わずおおむね相場は決まっている。

代表的なのは「AT」と「エアコン」だ。

車というのはどこが壊れたとしても(部品が寿命を迎えたとしても)、その修理はウザくて面倒なものだが、まぁ多くの部分は「数万円」ぐらいの予算感でなんとか対処することができる。もちろん例外はあるだろうが、おおむねそんなニュアンスだ。

しかしATとエアコンの修理はケタが違う。車種や症状にもよるので一概には言えないが、どちらも「20万円コースは覚悟しないと……」といった感じだろうか。由々しき事態である。

だがAT車をそもそも検討対象から除外してしまえば、車という機械が潜在的に抱える「ATの不調」と「エアコンのぶち壊れ」という重大疾病のうち一つについては、ハナから考える必要がなくなるのだ。

で、そのうえでもう一つの鬼門であるエアコンの状態をビシッと確認し、そしてエンジンや足回り、内外装などのコンディションとそれまでの整備履歴をチェックし、「うむ、これならたぶん大丈夫であろう」と確信できるものを買えば、50万円以下の格安系輸入車であっても――絶対ではないが――購入後にシビアな修理費用がかかってしまうリスクは半減できるはずなのだ。

▲写真は車両価格50万円以下でMT車を探すことのできる車の一つ、プジョー 207 ▲写真は車両価格50万円以下でMT車を探すことのできる車の一つ、プジョー 207
▲で、こちらがプジョー 207のMT仕様のコックピット。「シンプルな道具」といった趣だ ▲で、こちらがプジョー 207のMT仕様のコックピット。「シンプルな道具」といった趣だ

もちろんMTも故障はするが、その修理費用はATより断然安いはず

しかしもちろん、この手法にも欠点というか問題はある。一つは、「MTだからといって壊れないわけではない」ということだ。

もちろん5MTとか6MTも、乗ってるうちにいつかは必ず壊れる(どこかの部品が寿命を迎える)。その人の乗り方にもよるので断言はできないが、走行10万km前後ぐらいでクラッチ板やレリーズシリンダーと呼ばれる部品がダメになるケースが多いだろうか。

そうなると当然ながら工場に入庫させなければならないわけだが、その際の費用は、ATのオーバーホールに比べるならば断然格安である場合が多い。

走行距離が比較的少なく、そしてクラッチのミートポイントが妙に高かったりしないMT車を選べば、50万円以下の中古車であってもすぐにトランスミッションが壊れるということはあまりない。で、走行10万km前後となったときにもしもクラッチ関係に問題が生じたなら、いさぎよく、ATオーバーホールよりは断然安い修理代金を支払う……というのが、50万円以下系輸入車の正しいお作法ではないだろうか。

▲こちらも50万円以下のMT車がそれなりに流通しているアルファロメオ アルファ147 ▲こちらも50万円以下のMT車がそれなりに流通しているアルファロメオ アルファ147
▲コックピットの雰囲気はいかにもイタリア車らしい「セクシー系」といったニュアンスか ▲コックピットの雰囲気はいかにもイタリア車らしい「セクシー系」といったニュアンスか

クラッチ操作の煩わしさなんて3週間もすれば感じなくなる?

もう一つの問題は「運転がめんどくさい」ということだろうか。

筆者個人は物心ついた頃から(?)MT車にばかり乗っているためそうは思わないが、AT車全盛の今を生きる人の多くは、「変速、たりい」とか「……どうやって運転するんだっけ、MTって?」と思っているかもしれない。また「そもそもAT限定免許なんですけど」という人もいるだろう。

免許の種別についてはどうすることもできないが、それ以外の点については「要は考え方ですよ」と言うことはできる。

確かに渋滞時などは、いちいちクラッチを切って、半クラにして、また切って……というのはなかなか煩わしいものだ。しかし人間というのは何にでも割とすぐ慣れる生き物なので、3日……はさすがにオーバーだが3週間もMT車を運転すれば、何も感じなくなる場合が多いはず。

いや何も感じなくなるどころか、「MT車ならではのダイレクトなパワー感」と、「今や古典芸能とも言える(?)MT車の操縦を華麗にこなしている自分、すごい感」を大いに感じ取り、喜びに打ち震えている可能性すらあるだろう。……ま、喜びに打ち震えないまでも、なかなかの満足感は絶対にありますよ。

幸いにしてというか何というか、欧州車の日本仕様には「MT」が設定されていたモデルもそれなりに多いゆえ、車両価格50万円以下でもまずまず豊富である。ぜひ下記物件リンクのなかから、何かとお眼鏡に叶うステキな格安系MT車を探し当てていただけたなら幸いだ。

▲初代ミニのMT車もそこそこ豊富。MTならではのメリハリのある加速をぜひ楽しんじゃってください! ▲初代ミニのMT車もそこそこ豊富。MTならではのメリハリのある加速をぜひ楽しんじゃってください!

▼検索条件

輸入車×車両価格50万円以下×走行5万km以下×MT×修復歴なし
text/伊達軍曹
photo/フィアット・クライスラー、BMW、プジョー・シトロエン