実は輸入車党こそ「R35 GT-R」に注目したい3つの理由
カテゴリー: クルマ
タグ: 日産 / GT-R / エンジン / 基本性能 / 走り / EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2016/12/08
理由その1:「あえてGT-R」という意外性は値千金
功成り名を遂げた結果、「よし、じゃあスーパーカーでも買うか」となったとき、ほとんどの人はドイツかイタリアのそれを選ぶのだろう。例えば最新のポルシェ 911ターボ、また例えばフェラーリ 488GTB。もしも筆者が何かの間違いで功成り名を遂げた場合も、おそらくは近所のポルシェセンターに駆け込んで最新の911ターボを買うと思うので、その気持ちはわかるつもりだ。
しかし、あなたにとってそれが「初めてのスーパーカー」ではなく、もしも2台目、3台目のそれであるならば、ぜひ「ジャパニーズスーパーカー」にも目を向けてみるべきなのではないか。例えば07年12月に登場し、今なお改良を重ねながら販売中の「R35」ことNISSAN GT-Rだ。
なぜGT-Rに目を向けてみるべきなのかといえば、そこには「驚き」があるからだ。
仮に筆者知人の富裕層がフェラーリ 458イタリアに乗っているとして、彼から「や、458もそろそろ飽きたんで、こないだポルシェ 911ターボをオーダーしたんだよ」と聞いたとする。
筆者個人は、人が資本主義社会のなかで大金を稼ぐことを尊敬こそすれ、悪感情や嫉妬みたいなものはほぼゼロであるため、純粋に「凄いね、さすがだね」とは思う。が、そこにはいっさいの驚きはない。「あぁ、そうなんですか。(ありがちな選択で面白味はないけど)凄いですね、さすがですね」と思うだけだ。こう言ってはなんだが「金を稼ぐ→911ターボを買う」という行動を取る人は世の中に百万人は(?)いるため、「あぁ、そうなんですか」以外の感情は湧きようがないのだ。
だが、もしも「や、458もそろそろ飽きたんで、こないだNISSAN GT-Rを買ったんだよ」と言われたなら、筆者の頭の中は驚きでいっぱいになる。なぜ、その気になれば488だろうが911だろうが何だろうが買える人が、あえて国産のGT-Rなのか? もう好奇心のかたまりとなって、あれこれ質問しまくることだろう。
そして「……この人カッコいいな。なんか、ありがちじゃなくて」と思うことだろう。
まぁ筆者にカッコいいと思われたところで何の得もないわけだが、それはそれとして、世の中の人々に興味を持たれることは、「ありがちな人」に堕することと比べれば何倍も素晴らしいはずだ。それゆえの、GT-R推しなのである。
理由その2:この異常なまでの速さは人類の偉大な達成の一つ
そしてもちろん、あえてGT-Rを推す理由はそういった観念的な話だけではない。
まず一つは、身もフタもない言い方だが「とにかく馬鹿みたいに速いから」ということ。「馬鹿みたいに」というのも失礼な言い草かもしれないが、ホメているつもりであり、他の言い方もちょっと思いつかない。
ポルシェ 911ターボも当然ながら馬鹿みたいに速い車ではあるが、その馬鹿速っぷりに関してはNISSAN GT-Rの方が1枚上手に思える。筆者自身はジェット戦闘機というものを操縦したことはないが、おそらくGT-Rは(もちろん感覚的にだが)それに近いのではないだろうか。近ごろ老眼が始まった筆者としてはまったく目が追いつかないほどである。
そのGT-Rの速さについて、「ただ速いだけで味がない」的な論評もしばしば見かける。速さの「味」というのが具体的にどういうものなのか今ひとつ明確ではないが、まあなんとなくわからないではない。しかしそれでも「速さ」という一つの指標をこんなにまで極めたその執念は偉大であり、崇高ですらある。
話はちょっとそれるかもしれないが、一部の芸能人に対して「一発屋(笑)」などと揶揄する者も多いが、筆者としては「その一発すら出したことのないやつが何を言ってやがる!」と言いたい。一発の特大ヒット曲も、R35 GT-Rの異常なまでの速さも、どちらも偉大なる達成だ。褒め称えるべき偉業であり、車の場合はぜひそれを自分で所有してみたい素晴らしい何かなのだ。
そしてもう一つ、下世話な話だが「GT-Rはお安い」という端的な美点もある。
同程度のスペックを持つ現行ポルシェ 911ターボPDKを買うとなると、新車は諸費用コミで2500万円以上、中古車でもおおむね2000万円以上となるのが一般的。しかしR35 GT-Rであれば、サーキットスペシャルであるGT-R NISMOの新車価格はさすがに1870万円だが、公道向けのベーシックなグレードであれば996万~1187万円といったところだ。中古車で考えるならさらにお安く、おおむね700万~900万円付近で走行3万km以下の13年式以降を探すことが可能である
理由その3:諸刃の剣かもしれないが、この価格はやはり気になるところ
まあ正直申し上げれば、「GT-Rはお安い」というのは美点であると同時に欠点でもある諸刃の剣だ。なぜならば、お金持ちというのは筆者のような庶民と違って「安いほど喜ぶ」というわけではなく、むしろ「そんな安いモノを買ってしまっては沽券に関わる」とすら思うからだ。そういった意味で、NISSAN GT-Rは「プレミアム商品」としてはやや不利といえるのかもしれない。
だがそれはそれとして、「ま、物は試しで」というニュアンスで初めてジャパニーズスーパーカーを買ってみる場合は、「良質高年式車でも700万円台から」というGT-Rの性能に比してのバーゲン相場は、大いにプラスに働くのではないかと愚考する不肖筆者である。
そしてここまでは主に富裕層の方を念頭に置いて話を進めてきたが、筆者のような非富裕層にとってもNISSAN GT-Rの中古車はなかなか魅力的だ。先ほど「GT-Rの中古車は700万~900万円付近」と申し上げたが、それはあくまでも走行3万km以下の13年式以降に絞った場合の相場。もう少し条件を緩くすれば、おおむね500万円台で走行4万km以下の物件を十分探せるのである。
もちろんこれらは初期年式が中心となるため、快調に維持するにはそれなりのメンテナンスフィーと手間を見込んでおく必要はあるだろう。しかし前述した「人類の偉大な達成の一つ」を我が物にできるという果てしないバリューから考えれば、トライしてみる価値は大いにあるのではないだろうか。
いずれにせよNISSAN GT-R、輸入車党の人も無視していただきたくない、シブい選択肢である。
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