▲収まりが良くて品もいいのに、なんとなく華がある存在。それが、このプジョー 2008なんです ▲収まりが良くて品もいいのに、なんとなく華がある存在。それが、このプジョー 2008なんです

「少々の野性味」という絶妙なスパイス

「初めて欧州車に乗り替えてみる」という行動にも様々なパターンが存在しますが、王道というか主流は「とりあえずコンパクトカーから」という感じではないかと思います。欧州車はBセグメント(フォルクスワーゲン ポロぐらいのサイズ)にもCセグメント(プジョー 308ぐらいのサイズ)にも素敵なモデルが多いので、それはそれで非常にナイスな選択だとは思います。

しかし唯一の問題は……いや問題というほどではないのですが、ほんのちょっとだけ困るのは、B~Cセグメントの欧州車というのは(言い方は悪くて申し訳ありませんが)少々ありふれているというか華がないというか押しが弱いというか、そういった雰囲気も少なからずあることです。

「そこが逆にイイんじゃないか! シンプルライフな感じで!」というご意見もかなりごもっともですが、なかには「うむ、正直もうちょっとインパクトがあるというか、草食系ではない感じの車に乗りたいよね」と考える人もいることでしょう。

そんなタイプの人々に今、「初めての欧州コンパクトカー」としてかなりオススメなのが、100万円台半ばから後半ぐらいの車両価格で狙えるプジョー 2008(現行型)です。

▲14年2月に登場したプジョーのコンパクト・クロスオーバー、2008 ▲14年2月に登場したプジョーのコンパクト・クロスオーバー、2008

プジョー 2008というのは、Bセグメントのコンパクトカーであるプジョー 208をベースに開発された小型のクロスオーバーで、プジョー自身ではこれを「アーバン・クロスオーバー」と呼んでいます。つまり林道や荒地をガンガン走るための本格派クロスカントリーではなく、そういったワイルド系な雰囲気をデザインやパッケージングのなかへ上手に取り入れた「都市型のクロスオーバー」だということです。

そしてその「ワイルド系な雰囲気」こそが、どうしても草食系に見えてしまいがちな普通の欧州コンパクトカーと、プジョー 2008を隔てている大きなポイントです。要するに「程良い案配にアグレッシブかつスポーティで、華がある」ということです。なんとなく「モテる男性」みたいな感じでしょうか? わかりませんが、プジョー 2008の存在感は、いわゆる普通のコンパクトカーとは一線を画すものであることだけは確かです。

▲SUVテイストが加わったことで、なんとなくほのかに肉食系な雰囲気に。夜の街も似合います ▲SUVテイストが加わったことで、なんとなくほのかに肉食系な雰囲気に。夜の街も似合います

クロスオーバーだが一般的な機械式駐車場に収容可能

もちろん優れているのは存在感だけでなく、使い勝手や走りなどもなかなかのものです。

日本仕様に搭載されたエンジンは新世代の1.2L直列3気筒で、トランスミッション(変速機)は「ETG5」という高効率な5速セミAT。そしてアイドリング・ストップ機構も採用された結果、JC08モード燃費は19.4km/Lとなかなか優秀です。ちなみに今年3月には特別仕様車の「2008 クロスシティ」が発売され、そちらはよりパワフルな1.2L 3気筒ターボ+6速ATという組み合わせです。

ボディサイズは、全長こそベースとなったプジョー 208より200mm長いのですが、1740mmの全幅は同じで、全高も208より80mm高いだけの1550mm。ということは、日本の一般的な機械式立体駐車場にもしっかり収まるサイズなわけです。集合住宅にお住まいの人で、なおかつSUV風味の車を狙っている人にとってはココ、かなり重要なポイントかもしれません。

また、昔から伝統的に「シートがいい」とされているフランス車だけあってか、小型車でありながらたっぷりとしたサイズとなるフロントシートの座り心地は最高レベル。リアシートは背もたれを前に倒すと連動して座面も沈み込み、荷室フロアを簡単にフルフラットにできます。つまり、ステーションワゴン的な使い方をするにもうってつけな車だということです。

そして実際走らせてみても、プジョー 2008は快適です。1.2Lの3気筒エンジンはさすがに新世代モノだけあって、「クロスシティ」以外はターボ付きではないにも関わらず「これってターボ?」と思うほどパワフルかつトルクフル。ボディや足回りの剛性感(しっかり感)もかなりのもの。通常のプジョー 208と比べて重心が高いため、さすがに「峠道を走るのが大の得意」という感じではありませんが、高速道路のハイペース巡航はこの車の得意種目です。

▲ベースとなったプジョー 208とさほど変わらないサイズの2008ですが、デザインの妙によりなかなかボリューミーに見えます。そのあたりも、この車の個性の一つといえるでしょう ▲ベースとなったプジョー 208とさほど変わらないサイズの2008ですが、デザインの妙によりなかなかボリューミーに見えます。そのあたりも、この車の個性の一つといえるでしょう
▲コンパクトカーでありながら内装には上質感があり、特にフロントシートの座り心地は絶品といえます。写真は左ハンドル+MTの本国仕様 ▲コンパクトカーでありながら内装には上質感があり、特にフロントシートの座り心地は絶品といえます。写真は左ハンドル+MTの本国仕様

上級グレードの低走行物件でも100万円台でイケるんです!

で、そんなこんなでかなりオススメなプジョー 2008なんですが、新車価格はおおむね250万~280万円ぐらいだったにも関わらず、前述のとおり100万円台の半ばから後半ぐらいで狙えてしまうのです。それも、ずいぶんと走行距離が延びてしまっている古くて微妙な個体ではなく、まだまだ1~2年落ちぐらいで、走行距離も数千kmからせいぜい2万km台のものが、です。

さらに言えば100万円台で狙えるのは、日本ではベースグレードに相当する「プレミアム」だけでなく、パノラミックガラスルーフやレザーシートなどが装備されている「シエロ」も十分該当します。またさらに、流通台数は少なめですが、今年3月に登場したばかりの「クロスシティ」(よりパワフルな1.2Lターボとスムーズな6速ATを採用した特別仕様車)が探せる場合もあります。

……サイズも価格も非常に手頃でありながら、十分以上の個性とスペックを持ち合わせた車として、プジョー 2008の中古車は「欧州車デビュー」にはかなりうってつけな1台かと思うのですが、いかがでしょうか?

▲上級グレードである「シエロ」に標準装備されるパノラミックガラスルーフ(電動シェード付き) ▲上級グレードである「シエロ」に標準装備されるパノラミックガラスルーフ(電動シェード付き)
▲こちらは今年3月に100台限定の特別仕様車として発売された「2008 クロスシティ」。1.2Lターボ+6速ATに変更された他、車高も15mm上がり、路面状況に合わせた5つの走行モードが選べる「グリップコントロール」と4シーズンタイヤが採用されています ▲こちらは今年3月に100台限定の特別仕様車として発売された「2008 クロスシティ」。1.2Lターボ+6速ATに変更された他、車高も15mm上がり、路面状況に合わせた5つの走行モードが選べる「グリップコントロール」と4シーズンタイヤが採用されています

▼検索条件

プジョー 2008(現行型)× 車両価格200万円以下 × 修復歴ナシ 
text/編集部
photo/プジョー・シトロエン