▲まごうことなき「プレミアム・コンパクト」な現行BMW 1シリーズですが、その11~13年式の低走行物件が今、諸般の事情によりかなりのお手頃価格で狙えてしまうのです! ▲まごうことなき「プレミアム・コンパクト」な現行BMW 1シリーズですが、その11~13年式の低走行物件が今、諸般の事情によりかなりのお手頃価格で狙えてしまうのです!

現行BMWなのに走行2万km台の物件がたったの140万円?

ズバリ結論から申し上げて今、現行BMW 1シリーズの11~13年式がかなりお手頃になっています。具体的には車両価格で140万円前後も見ておけば、せいぜい走行2万km台の116iが狙えてしまう状況なんです。現行1シリーズはBMWとはいえバリバリの高級車ではありませんが、「ちょっと上質なドイツ車の高年式モデルに、リーズナブルな予算で乗り替えてみたい」と考えているご家庭にとってはコレ、ビッグチャンスといえるかもしれません。

よくご存じの方も多いかもしれませんが、現行のBMW 1シリーズというのは11年10月に登場したBMWのプレミアム・コンパクト。このジャンルの車というのはほとんどの場合FFレイアウト(エンジンをフロントに搭載し、フロントタイヤを駆動させるレイアウト)を採用しているのですが、1シリーズは非常に珍しいFRレイアウト。つまりエンジンをフロントに搭載し、リアタイヤを駆動させるレイアウトです。

FF車は「操舵」と「駆動」という2つの仕事を前輪が同時に担うため、どうしても「しっとりとした上質なステアフィール」ってやつを実現しにくいというデメリットがあります(その半面、直進安定性に優れ、コストも安いという大きなメリットもあるのですが)。

しかしFR車の前輪は「駆動」という仕事から解放されて「操舵」だけに集中できるため、その結果として「しっとりとした上質なステアフィール」を実現しやすいのです。世の中の自動車メディアでよく書かれている「BMWならではの素晴らしいハンドリング」というのは、(もちろんそれだけが理由ではありませんが)このFRレイアウトによる部分が大きいのです。

▲第二世代の1シリーズとして11年10月に登場した現行BMW 1シリーズ。ベーシックな116iと上級グレードである120iが搭載するエンジンは出力違いの1.6L直列4気筒ターボで、マイナーチェンジ後の118iは同じく1.6Lながら3気筒のターボエンジンを搭載しています ▲第二世代の1シリーズとして11年10月に登場した現行BMW 1シリーズ。ベーシックな116iと上級グレードである120iが搭載するエンジンは出力違いの1.6L直列4気筒ターボで、マイナーチェンジ後の118iは同じく1.6Lながら3気筒のターボエンジンを搭載しています

「コンパクトカー」のイメージをはるかに超えた上質なハンドリング

BMW 1シリーズは04年9月から11年9月まで販売された初代モデルでもFRレイアウトを採用していましたが、現行型のステアリングからドライバーの両手に伝わる「しっとり感」は、初代のそれを完全に凌駕しています。ボディサイズは初代よりほんの少し大型化された程度なんですが、まるで1クラスか2クラスぐらい上の車に変わったかのような感触なんです。

もちろんそれは足回りの設計だけが理由ではなく、ボディのしっかり具合が増したことや、エンジンがより精緻な感触で回るようになったことなどの様々な理由が関係したうえでの話ですが、とにかく現行BMW 1シリーズの上質なドライブフィールは、世間的な「コンパクトカー」のイメージをはるかに超えたものであることは間違いありません。

▲旧型(初代)1シリーズのステアフィールも決して悪いものではありませんでしたが、現行モデルのそれはイメージとして2段階か3段階ぐらいいきなり向上した感じ。とにかく素晴らしいです! ▲旧型(初代)1シリーズのステアフィールも決して悪いものではありませんでしたが、現行モデルのそれはイメージとして2段階か3段階ぐらいいきなり向上した感じ。とにかく素晴らしいです!

安値の理由はマイナーチェンジと初回車検

さて、そんなステキな現行BMW 1シリーズの低走行物件がなぜ、かくもお安い相場状況になっているのかといえば、主な理由は「マイナーチェンジ」です。

好調なセールスを続けてきた現行1シリーズですが、15年5月からフロントまわりなどのデザインが一新され、かなりシュッとした印象のデザインに生まれ変わりました。それと同時に最もベーシックなグレードはそれまでの116iから118iへと変わり、そのエンジンも最新世代の直列3気筒ターボに変更されています。

で、そういった新デザインや新エンジンが人気を集めた結果、前期モデルの人気が相対的に下がり、その結果として中古車相場がガクンと下がったのです。それに加えて13年式については「ちょうど初回車検のタイミングを迎えるから」という理由も重なっています。

マイナーチェンジ後のデザインは確かにステキですし、新型ミニにも採用されている新世代の3気筒ターボエンジンもステキです。でも、前期1シリーズのファニーな(?)デザインもこれはこれで可愛げがあって素晴らしいと思いますし、前期116iに搭載された4気筒のターボエンジンも、非常に精緻な回転感覚と素晴らしいパワー、鋭い吹け上がり、そしてカタログ燃費16.6km/Lというまずまず良好な燃費を誇るナイスなエンジンなのです。

その走行数千kmとかせいぜい2万km台の物件が、軽自動車を買うのと同じような予算で狙えてしまうのですから、これはもう注目するしかないと思うのですが、どうでしょうか?

▲写真は本国モデルの内装ですが、日本仕様もハンドル位置や変速機の種類以外はおおむね同様の、「コンパクトカー」の枠を超えた上質なイメージでまとめられています ▲写真は本国モデルの内装ですが、日本仕様もハンドル位置や変速機の種類以外はおおむね同様の、「コンパクトカー」の枠を超えた上質なイメージでまとめられています
text/編集部
photo/BMW