3代目BMW X1が支払総額400万円台で狙える! 中古車市場に登場してから2年半、今のオススメの買い方・選び方は?
2025/11/20
▲新車で買うと総額600万円近い輸入コンパクトSUV。中古車では総額400万円台で狙える物件も増えているようです。平均価格よりも下のゾーンに「ちゃんとしてる物件」はあるのでしょうか? チェックしてみることにしましょう!価格的なうまみを感じられる物件が増えてきたが、その中身はどうなんだ?
ドイツのBMW社が作っている「X1」という車は、日本の道でも非常に扱いやすいサイズ感のSUV。とはいえ海外プレミアムブランドのSUVですから、新車を買うとなると、最も低いグレードでも支払総額は約600万円に達します。
しかしデビューから2年以上が経過したことで、中古車市場では今、価格的なうまみが感じられる物件も多数流通しはじめています。
「……そうはいっても、うまみがある価格帯(=安めの価格帯)だと、ちゃんとしたコンディションの中古車なんて買えないのでは?」と思うかもしれませんが、現行型BMW X1に限っては、意外とそうでもありません。平均価格以下のゾーンであっても狙い方次第では、けっこういい感じの物件を見つけることが可能なのです。
この記事ではBMW X1とはどんなSUVかということをご説明すると同時に、その中古車の上手な狙い方をお教えします。
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BMW X1(3代目)モデル概要:日本の道路にジャストサイズな輸入コンパクトSUV
▲こちらが現行型(3代目)BMW X1ドイツのBMW社は「X1」から「X7」まで様々なサイズのSUVを作っていて、その数字が小さいほど、ボディサイズは小さめになります。つまりX1はBMW社の最小SUVなわけですが、とはいえそれは「欧州基準での最小」ですので、日本で使う分には「普通にちょうどいいサイズ感」ぐらいのニュアンスになります。
▲SUVながら、リアにいくにつれて伸びやかな印象も受けるボディラインそんなBMW X1(3代目)が登場したのは2023年2月。ボディサイズは全長4500mm×全幅1835mm×全高1625mmで、これは国産SUVである「トヨタ カローラクロス」とだいたい同じぐらいのサイズ感といえます。
5名乗車時の荷室容量は500~540Lで、こちらの数字はトヨタ カローラクロス以上。また、車両全体にただよう「プレミアム感」のような部分に関しても、BMW X1は同クラスの国産SUVを大幅に上回るといっていいでしょう。
▲メーター部分とセンター部分のスクリーンをおしゃれに並べた「BMWカーブド・ディスプレイ」は全車標準装備(写真は本国仕様のため左ハンドル)
▲ボディサイズは比較的コンパクトだが、5名乗車時でも荷室は広く、最大1545~1600Lまで拡大可能パワーユニットは2L直4のガソリンターボとディーゼルターボ、そして途中から登場した1.5Lの直3ガソリンターボエンジンが中心。その他、最高出力317psという強力なパワーを発揮する2L直4ガソリンターボエンジンもラインナップしています。
運転支援システムに関しては、ストップ&ゴー機能付きのアクティブクルーズコントロールや車線変更警告システム、衝突回避・被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制機能等々を全車標準装備。自動で駐車を行なってくれるうれしい装備「パーキング・アシスト・プラス」も、全車標準です。
現行型BMW X1のグレード構成は比較的シンプルで、グレードそれぞれの主な特徴は下記のとおりです。
●xドライブ20i xライン DCT 4WD:2Lガソリンターボエンジン搭載車
●xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD:2Lガソリンターボエンジン搭載車の、スポーティなビジュアルのグレード
●xドライブ20d xライン DCT 4WD:2Lディーゼルターボエンジン搭載車
●xドライブ20d Mスポーツ DCT 4WD:2Lディーゼルターボエンジン搭載車の、スポーティなビジュアルのグレード
●sドライブ18i Mスポーツ DCT:1.5Lガソリンターボエンジン搭載車。他のグレードはすべて4WDだが、このグレードだけFF(前輪駆動)
●M35i xドライブ DCT 4WD:最高出力317psの2Lガソリンターボを搭載する超スポーティグレード
要するに20などの数字の後に「i」と付くのはガソリンターボ車で、「d」と付くのがディーゼルターボ車です。そして「xライン」は標準的な内外装を採用しているもので、「Mスポーツ」と付くものは、スポーティな内外装および足回りなどを採用しています。
▲「xライン」のビジュアルはこのような感じ
▲こちらはバンパーの形状などが異なる「Mスポーツ」▼検索条件
BMW X1(3代目)選択肢①:平均価格以下で狙えて、中身も◎な「sドライブ18i Mスポーツ」
▲こちらが直近のX1の平均支払総額の推移を示したグラフ現在はBMW X1(3代目)の中古車平均支払総額は約500万円。「中古車ならではのうまみが感じられるプライス」とは、平均をそれなりに下回る「総額400万円台」であると考えていいでしょう。
そして現行型BMW X1においては、平均総額以下のゾーンであっても「ちゃんとしている物件」を簡単に見つけることができます。
装備もエンジンパワーなども充実しているメイングレード「xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD」をこの価格帯で探そうとすると、どうしても走行距離がやや多めになってしまいます。しかし2024年5月に登場した「sドライブ18i Mスポーツ DCT」で良しと考えるなら、走行数千km程度の上モノ物件を、総額480万円前後で豊富に見つけることが可能なのです。
▲1.5L直3ガソリンターボを搭載する「sドライブ18i Mスポーツ DCT」であれば、平均価格以下のゾーンであってもコンディション良好な物件を見つけやすいsドライブ18i Mスポーツ DCTのパワーユニットは1.5L直3ガソリンターボのやや非力なタイプで、駆動方式も、雪山などに強い4WDではなく一般的なFFです。しかし「非力」といっても、それはカーマニア的な視点で見ればやや非力であるというだけで、普通に使う分には、力強いターボエンジンだといえます。
また、4WDではなくFFであるという点に関しても、X1で雪山やキャンプなどに行きまくることを想定している人でさえなければ、何の問題もありません。むしろ走行時の軽快さに関してはFF車の方が優秀だったりもします。
上位グレードと比べた場合のsドライブ18i Mスポーツ DCTの決定的な弱点は、筆者が考えるところでは「高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」と「クロス・トラック・ウォーニング(フロント&リア)」が標準装備ではない――ということだけです。しかしこれについても、「テクノロジー・パッケージ」というセットオプションが付いている中古車であれば、普通に搭載されています。
なるべく(あくまでなるべく)テクノロジー・パッケージ付きの物件を選ぶようにすれば、総額400万円台のsドライブ18i Mスポーツ DCTであっても「何ら問題はない」と断言してしまっていいでしょう。
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BMW X1(3代目)×支払総額500万円未満×sドライブ18i Mスポーツ DCT選択肢②:平均価格~ちょい足しで狙える「xドライブ20i Mスポーツ」
選択肢①で提案した総額400万円台の最廉価グレード「sドライブ18i Mスポーツ DCT」は、まったくもって悪くない選択です。しかし正直、「もう少し装備が良い方が望ましい」「もうちょいパワフルな方が好ましい」「リアのエンブレムの数字は、最廉価であることがバレる『18』ではなく『20』であってほしい」等々と考える場合もあるかもしれません。
その場合には、直近の平均支払総額である約520万円前後か、もしくはそこににほんのちょっとの予算を足せば、装備もパワーユニットも充実している人気のメイングレード「xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD」の低走行物件を見つけることができます。
▲平均価格+αぐらいの予算感でも、一番人気のグレードである「xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD」の低走行物件は余裕で見つかるこちらのグレードであれば、前章で少し触れた「高速道路渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」や「クロス・トラック・ウォーニング(フロント&リア)」は標準装備であり、その他にも、ドライバーの眼前に速度や標識、ナビのルート案内などが投影される「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」や、ディスプレイに実際の路面状況などが表示される「ARビュー」等々が標準装備。
そして最大トルク300N・mを発揮する2L直4ディーゼルターボエンジンはきわめて力強く、そして燃費も19.5km/L(WLTCモード値)と良好――ということで、ほぼ文句の付けようがないナイスな選択肢が、この「xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD」というグレードなのです。
平均価格以下の予算だと走行距離がやや多めになってしまう場合が多いのですが、平均価格または「平均にちょい足し」するぐらいの予算感であれば、走行数千kmレベルの上モノを楽勝で見つけることができるでしょう。
ちょい足しするかどうかのご判断はお任せしますが、「どうせなら人よりちょっといいモノが欲しい」という人には、総額500万~550万円ぐらいのxドライブ20i Mスポーツ DCT 4WDをオススメします。
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BMW X1(3代目)×支払総額600万円未満×xドライブ20i Mスポーツ DCT 4WD選択肢③:平均価格以上にはなるが……輸入SUVならではの魅力が堪能できる「M35i xドライブ」
総額500万~550万円ぐらいの低走行なxドライブ20i Mスポーツ DCT 4WDでも十分満足できるはずですが、世の中には「ある程度のお金は出すから、“本当のBMWらしさ”や“輸入SUVでしか味わえない世界”を堪能したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、超強力な2Lターボエンジンを搭載するトップグレード「M35i xドライブ DCT 4WD」を選ぶのが一番です。
▲こちらが現行型BMW X1の超ハイパフォーマンスグレードである「M35i xドライブ DCT 4WD」2023年9月に追加設定されたM35i xドライブ DCT 4WDは、BMWが本格的なサーキット走行で培った技術を余すことなく取り入れて走行性能を高めた「Mパフォーマンスモデル」。
搭載される2L直4ターボエンジンは最高出力317ps/最大トルク400N・mという強力なもので、左のシフトパドルを1 秒間引くことにより、すべてのパワートレインとシャシーシステムを10秒間、最もスポーティな設定に切り替えることができる「Mスポーツブースト機能付き7速DCT」も搭載。
そして内外装も、「M」ロゴ付きのBMW Mキドニーグリルやブラック仕上げのMエクステリアミラーキャップ、4本出しのテールパイプ、19インチのMアロイホィール、パドルシフト付きMレザーステアリングホイール、イルミネーション照明付きのMスポーツシート……等々、他グレードとの差別化ポイントを挙げていけばキリがないほど充実しています。
▲標準グレードとは趣が異なるM35i xドライブ DCT 4WDの運転席まわり。ハンドルの左側にあるシフトパドルを長引きすると、10秒間だけだが、すべての設定が超絶スポーティになるそんなM35i xドライブ DCT 4WDは、総額580万~670万円付近にて約15台が流通中。総額580万~600万円付近のゾーンでもかなり好条件な低走行物件を見つけることができるため、これもまた「ちょい足し」の一種なのかもしれません。
けっこうスポーティな乗り心地であるため決して万人向きではありませんが、よりスペシャルなX1を狙いたい人は、平均総額にちょい足しを2回ぐらい行うイメージで、ぜひM35i xドライブ DCT 4WDのこともチェックしてみてください。
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BMW X1(3代目)×M35i xドライブ DCT 4WD▼検索条件
BMW X1(3代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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