▲初回車検とマイナーチェンジの関係で今、このプレミアム・ショートワゴンがかなりお手頃価格で狙えてしまう状況なんです! ▲初回車検とマイナーチェンジの関係で今、このプレミアム・ショートワゴンがかなりお手頃価格で狙えてしまう状況なんです!

走行2万~3万km台の物件でも100万円台半ばから

「そろそろこじゃれたヨーロッパ車に乗り替えたいけど、予算はおおむね100万円台限定。だからといって安く買えるクラシカルな輸入車は手がかかりそうでイヤ」という30代から40代ぐらいの人、少なくないと思います。そんな人に今、熱烈オススメしたいのが現行ボルボ V40です。

ボルボの現行V40というのは13年2月にデビューした5ドアハッチバックで、ボルボ自身は「プレミアム・ショートワゴン」と呼んでいます。サイズはフォルクスワーゲン ゴルフとほぼ同等で、スタイリッシュかつスポーティな外観と、いかにもボルボらしい北欧調の内装デザインが特徴。そしてもちろん、ボルボならではのしっかりとした走りと先進安全技術も大きな魅力となる1台です。

初期モデルのエンジンは2種類で、一つは1.6Lの4気筒直噴ターボ。ベーシックなグレードが搭載していたのがこのエンジンですが、パワーは必要にして十分以上。普通に考えてこれでもまったく不満はないはずです。さらにパワフルなのが最上級グレードの5気筒の2Lターボで、こちらはかなり強烈です。新車価格はベースグレードのT4が(発売時期により差があるのですが)269万~315万円で、中間グレードのT4 SEが309万~365万円。2Lの5気筒ターボエンジンを積んだT5 Rデザインは399万~440万円でした。

それが今、車両価格約150万~180万円ほどで走行2万km台や3万km台の中古車が狙える状況になっているのです。さすがに最上級グレードのT5 Rデザインはまだその値段では狙えませんが、ベーシックなT4、あるいは装備充実のT4 SEであれば十分100万円台で狙えます。

▲スタイリッシュでありながら実用性にも優れるプレミアム・ショートワゴン、現行ボルボ V40 ▲スタイリッシュでありながら実用性にも優れるプレミアム・ショートワゴン、現行ボルボ V40
▲全長こそ現行フォルクスワーゲン ゴルフより10cm長いが、サイズ感はゴルフとほぼ同じ ▲全長こそ現行フォルクスワーゲン ゴルフより10cm長いが、サイズ感はゴルフとほぼ同じ

安値の理由は車検サイクルとエンジン関係の変更

もともとは300万円前後だった現行V40がなぜ、いきなりそんな値段で狙えるようになったかというと、理由は二つあります。

一つは「3年目の壁」です。現行ボルボ V40が登場したのが、前述のとおり13年2月。ということはちょうど今年が初回車検の年にあたるため、「車検は通さずに買い替えるか」と考える人の数がそれなりに増えました。その結果として13年式の中古車が市場に増え、台数が増えれば平均価格は下がるのが常ですから、そのメカニズムどおり13年式ボルボ V40の相場は急落。結果として「まだまだ走行2万kmぐらいのT4 SEレザーパッケージなのに157万円」みたいなV40が増加したのです。

もう一つの大きな理由が、「年を追うごとにさらに充実していった先進安全装備」と「15年7月に行われたパワートレイン(エンジン+トランスミッション)の刷新」です。

現行ボルボ V40の安全装備はもともとかなり充実していましたが、それは日を追うごとにさらに充実していったのです。独自の安全システム「ヒューマンセーフティ」にはデビューから半年もたたずに自転車検知機能が追加され、約1年後には10種の安全運転支援装備からなる「セーフティパッケージ」が標準装備に昇格。その他もろもろもあって、より新しいモノの方がより好まれる状況になっているのです。

そして昨年途中にはパワートレインが刷新され、ベースグレードは最新世代の1.5L直噴ターボ+6速ATとなり、人気のクリーンディーゼルモデルも追加。……こうなるともう基本的には「V40は新しければ新しいほど人気」というサイクルが完成するため、結果として初期モデルの中古車相場は今、かなり下がっているのです。

▲モダンでありながら温かみのようなものも感じさせる北欧デザインはやっぱりステキ ▲モダンでありながら温かみのようなものも感じさせる北欧デザインはやっぱりステキ

もちろん最新モデルは素晴らしいが、13年式も捨てたものではない

もしも予算のことをいっさい考慮せずに検討するなら、当然ですがオススメは「一番新しいやつ」ということになるでしょう。最新モデルは車両価格だけで約350万円と値は張りますが、その分エンジンもトランスミッションも最新設計ですから走りは素晴らしいですし、全車に標準装備されるボルボ自慢の先進安全装備「インテリセーフ」も相当のレベルに達しています。

しかしそれら最新モデルの魅力と、100万円台で狙える13年式V40の(価格を含めた)魅力との間に、そこまで大きな差があるかといえば、答えは微妙です。なぜならば現行ボルボ V40は、初期型であっても十分以上にステキで、十分以上に安全装備が充実した車だからです。

このあたりのことを最終的にどう判断するかは、人それぞれの価値観によるでしょう。しかし今、100万円台で狙える高年式輸入車の中では13年式ボルボ V40がかなりの注目株であることは間違いありません。ぜひご自身で検討し、そして「100万円台の13年式でも全然十分以上だな」と判断されたあかつきには、ぜひこのナイスなプレミアム・ショートワゴンをお値打ち価格で手に入れていただきたいと思います。

text/編集部
photo/ボルボ