'61 BMW 3200 SALOON

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'61 BMW 3200 SALOON」、「'95 LANCIA DELTA HF INTEGRARE EVOLUZIONE II」、「'49 PANHARD DYNA X」、「'66 TRIUMPH TR4A」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'61 BMW 3200 SALOON】 BMWというメーカーは昔も今も上品なクルマを作るよ

'61 BMW 3200 SALOON

第2次世界大戦後、衰退を余儀なくされたBMWは、戦後最初の車に331と呼ばれるコンパクトモデルを予定していたが、ブランドイメージのために高級車へと変更する。そうして市場に送り出されたのが501/502シリーズある。当初積まれていた2L直6エンジンでは非力だったため、1951年から2.6LのV8エンジンに変更。そしてそれをベースに3.2Lや3.2superというシリーズが生み出された。性能とは裏腹にセールスは不調。原因は先を行きすぎたデザインにあったといわれている。



【'95 LANCIA DELTA HF INTEGRARE EVOLUZIONE II】 「このカタチはここ20年にあるかないかの一台だよ」

'95 LANCIA DELTA HF INTEGRARE EVOLUZIONE II

1979年に発表されたランチアデルタをベースに次々と人気シリーズを生み出した。1988年にブリスターフェンダーを採用した185psのHFインテグラーレが追加され、89年にHFインテグラーレ16V、92年にはボディデザインなどを変更し、車体剛性が高められたエヴォルツィオーネが登場する。今回の車は93年に発売されたエヴォツィオーネⅡ。通称エボⅡと呼ばれるこの車には数多くの限定車が用意されたが、この「コレツィオーネ」もその一つで、ボディカラーはボルドーが採用されている。



【'49 PANHARD DYNA X】 高効率が求められる戦後のクルマを象徴する一台だよ

'49 PANHARD DYNA X

1946年から1954年まで製造された小型車。プジョー、ルノー、シトロエンと並び、フランスを代表する自動車メーカーであったパナールが作った最初の市販車である。同国の車より高級路線を意識して作られているため、素材や製法にもコストがかけられ、650~800ccの水平対向エンジンが用意されていた。日本にはわずかながらタクシーとして使われていた個体が存在したと言われているが、その存在は非常に希少である。今回の撮影車両は古くから日本に輸入されていて、大事に保管されていた1台となる。



【'66 TRIUMPH TR4A】 この当時の英国車はとにかく伊達なクルマが多いんだよ

'66 TRIUMPH TR4A

1953年から1981年まで作られたトライアンフのスポーツモデルシリーズがTR(Triumph Roadster)で、TR4は1961年から1965年まで製造されたモデル。イタリア人デザイナーであるジョバンニ・ミケロッティが手掛け、TR3からボディなどを一新し生産された。TR4は100psの2138ccエンジンを積み、約4万台を生産。同時期に発売された、TR4Aは104psに高めた同エンジンを積み、約2万8000台が生産されたと言われている。